#44 人の噂も七十五日?(視点:文乃ver)
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「恋愛を成功させるには勉強を教えるのが一番です!?」をどうぞ!
時は少し戻って、買い出しに行った日の夜……
「あ~、やばい誘ったらOKもらっちゃったぁ~」
私、文乃はベッドの上で足をバタバタさせながら顔を枕にうずめる。
でも理久はみんなで回るって思っていたみたいで正直がっかりだ。
あの場では、じゃあみんなで回ろうって言ったけど実は二人とも
生徒会の仕事があって、来れないから悪いけどチャンス!
中学のころまでは、人並みいやそれ以上に恋愛をしてきたつもりだった。
付き合った人数もそこそこいるから自分でもモテる自覚はあった。
でもそのどれもが長続きしないものだった。
全部、向こうの好意に頑張って応えようとしたがダメだった。
いや頑張っている時点で本気で相手のことを好きだとは言えないのかもしれない。
そんな私でも今になって、本気で追いかけたいと思える人が見つかった。
だから何回も付き合ったことはあるけど完全なる恋愛初心者なのだ。
最近は彼のことに意識が行きすぎて調子がかなりくるってしまう。
しかも物理的な距離も近く感じる……まあこれは私だけかもしれないが。
"文化祭、誘えました!"
メッセージでそう報告する相手は鷹宮さんだ。
鷹宮さんたちが付き合いだす前から私は鷹宮さんに恋愛相談をしていた。
"お~!おめでとう!!"
"でもみんなで回るって思っていたみたいで話を進めてくうちに
そんな感じになってしまいました"
"全然よいでしょ!篠宮さんはみんなとって思ってるけど私たち
生徒会の仕事があるから二人だよみたいなこと言って意識さえちゃえば!"
鷹宮さんの提案に私は全力で否定する。
"絶対に無理です!そんなこと言ってキモイややだなんて言葉を
かけられた日には学校行けなくなりますよ"
"いやいや彼に限ってそんなことないって一番わかっているのは文乃でしょ?
なら大丈夫だって!ほら、買い出しも誘えたんだし!"
"でもあれは白川さんのおかげであって"
理久と一緒に買い出しへ行く日の前日、私は白川さんにお願いして
二人だけで行けるような状態を作ってもらった。
鷹宮さんの彼氏ということもあり二つ返事で了承をもらえた。
しまいには"理久のことよろしくな!"という文章まで添えられていた。
それを見ただけでめちゃくちゃ顔が赤くなっていたと思う。
そして時は戻ってそれから数日後、文化祭について話し合っていると
仲の良い友達が話しかけてくる。
「文乃噂になっているわよ」
「噂?」
「週末にショッピングセンターで文乃と一組の男子が一緒に
買い物をしているところを見たってそこから付き合ってるんじゃないかって」
そんな話を聞いた瞬間、思わず私は声を出す。
先生にどうした?と聞かれたが何とか言い訳してその場をしのいだ。
……完全に油断していた。二人きりで一緒にショッピングセンターで
買い物するなんてめちゃくちゃ楽しいって思っていた当時の自分を殴りたい。
もし万が一、見られて変な噂でも立てられたらなんて思ってもいなかった。
その友達には恋愛相談をしたことがないため
「もしかして付き合ってるの?」
なんてことを聞かれる始末、私が否定をしても
「でもさっきの反応的になんかあるよね」
とさらに追い詰められる。
「べっ、別に買い出しの班だったからさ一緒に行こって流れで」
「それは向こうから、もしかして文乃から」
「えっとそれは……わ、私、から」
「まってまって、付き合ってないならその人のこと好きなんでしょ?」
これ以上逃げ場がない私は観念して事実を言うほかなかった。
「でもめっちゃチャンスだよ!この噂を気に向こう側が
文乃のことを意識しだすかもしれないでしょ!!」
「そ、それ以上に恥ずかしいんだけど……」
「それで付き合えるなら全然ましでしょ!」
ぐいぐいと来られて私はうなずくしかなかった。
「でも文乃が恋愛か~、そんな印象一つも抱かなかったんだけどな~」
この友達とは高校で初めましての人で中学の時の私を知らない。
「アハハ、お願い!これについては内密に!」
「いいけど、噂になっている時点でそれは難しんじゃない?
少なからず向こうの耳にも入っているはずで、向こうの友達が
何かはやし立てる可能性もあるわけだし」
あ~、もう私のバカ……なんでそこまで危機管理能力がなかったのだろう。
本当にもうちょっと警戒しておけばよかったと後悔があった。
でもそれと同時に友達が言っていた"意識し始めるかも"という言葉に
こんなことになったんだからそうなってほしいと願っていた。
噂に関しては"人の噂も七十五日"って言うし時間が経てば
みんな忘れてくれるだろう。それまでの辛抱だ。
夜にメッセージで勉強について質問したりしているが
とくに変わった様子はない……これが良かったのか悪かったのか。
まあメッセージ上だと今の相手の気持ちがあまりくみ取れないこともあって
そこまで変化が見られないのかもしれない。
でも今は実際に会ったら恥ずかしすぎて無意識のうちに
どこかへ行ってしまいそうで会いたいのに会いたくないという矛盾がある。
読んでいただきありがとうございました!
コメント(感想)をくださるとうれしいです!
それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




