筆者のぼやき Part1 〜ミーティアがキャラになるまで〜
※ここには1章、2章のネタバレ、種族のネタバレ、スキルのネタバレを含む、現在描写されていない設定のネタバレが含まれます。
また、1章「少女」2章「魔女」に関する''答え合わせ''が含まれます。
この物語は、すべて「ミーティア」という一人の少女から始まりました。
彼女はもともと、ただのオリジナルキャラクター。
でも、オリキャラを作ったことのある人ならわかると思います。
──動かしたくなるんです。
最初のミーティアは「宇宙の力を持った小さな龍」でした。
ブラックホールを作り、星すら一呑みにし、重力を歪めて時間までも操る。
隕石の落下なんて当然のように引き起こせる、いわば“宇宙の暴君”。
とんでもないじゃじゃ馬で、明らかに「強すぎた」。
でも私は、“俺TUEEEE”が書きたいわけじゃなかった。
強すぎる存在は、ときに「人間らしさ」を失ってしまう。
読んでいて面白くない。生き物じゃない。そう感じたんです。
だからミーティアには、たくさんの欠陥を背負わせました。
そして彼女を取り巻く世界や、多角的な視点、関係性を通して、“強い存在”ではなく、“生きている存在”に変えていこうと決めたんです。
まず取り掛かったのが、「七つの美徳」と「七つの大罪」をミーティアに組み込むことでした。
人間味のない存在に、信仰や価値観を宿らせる。
その方法として私が考えたのは、「美徳2つ+少し」対「大罪1つ」というバランス。
選んだ罪は「暴食」。
それは、美徳を冠するスキルとの相性が良かったから。
でも、そこから意外な副産物が生まれました。
──「ミーティアは甘いものが大好き」。
強すぎる神のような存在に、“お菓子が好き”という素朴な嗜好を持たせる。
その瞬間、ミーティアは一気に「生きた存在」へと近づいた気がしたんです。
ミーティアに「お菓子好き」という個性が加わったことで、彼女の見た目や年齢のイメージも自然と固まりました。
人間で言えば5歳児くらい。無口で、お菓子が大好き。
それだけで、宇宙の暴君だった存在は、“一人の子ども”としての顔を持ち始めたんです。
ですが、それでもミーティアは強すぎました。
彼女には葛藤がなかった。試練もなかった。
ただの強力なキャラクターなら、世の中にはいくらでもいます。
だから私は、ミーティアに“どうしようもない枷”を与えることにしました。
自分では解決できない、過去から今、そして未来まで続いてしまうような宿命。
彼女を縛る“呪いのような設定”が、どうしても必要だったんです。
そこで決断したのが、ミーティアの種族の再定義でした。
ただの「宇宙の力を持った龍」だった彼女を、「星龍(状態:侵食・隕石)」という種族に変更したのです。
この決断には、かなり時間がかかりました。
でも結果として、ミーティアという存在には「自分の望まぬ形で力を与えられてしまった少女」という新たな深みが生まれました。
第1章0話でミーティアが口にする「自分でなりたくて宇宙に染まったわけじゃない」という内容の独白は、この設定がもたらした言葉です。
それは、彼女の中にある諦めや、どうしようもない寂しさを象徴するもの。
この台詞が加わったことで、ミーティアはようやく、“強者”ではなく「傷ついたまま、それでも立ち続ける者」になりました。
この時期に同時に考案されたのが、ミーティアの代表的であり、まだ正式名を本編には出していないスキル「星晶支配」(Astracrystal Dominion)です。そもそもスキル名をメタ的に見せるという描写はするつもりがありませんので、スキル名は出てこないはずです。本編第2章に登場する「宇宙の結晶」は、まさにこのスキルが元になっています。
▽原案内容:
落下した隕石が、あらゆる生物を侵食していく世界。
その星晶に“取り込まれる”のではなく、侵食されたまま進化し、支配することに成功した者が得る力。
▽スキル効果:
1星属性強制付与
星属性への適性を強制的に得るが、通常の属性との親和性は著しく低下し、汎用魔法の威力が減衰する。
→ 異質な力を持つ者としての孤立
2固有魔法【宇宙】(そら)
星晶共生(下位スキル)では到達できない独自領域。使用者以外の魔法を遮断する“宇宙の場”を展開し、宇宙でしか成立しない魔法体系を行使できる。
→ 世界の理から外れた存在の象徴
このスキルは、ミーティアの「力」ではなく、“彼女が失ったもの・受け入れたもの”の証明でもあります。
彼女は、自らの意志で星の力を手にしたのではありません。
けれどその力を、「壊れることなく制御し、使えるようになった」。
その結果が“支配”という形で表現されたのが、「星晶支配」なのです。
第1章0話の描写の中で、ミーティアが「宇宙味のドーナツしか作れない」と語るシーンがあります。
このセリフ、知らずに読めば「自分の作ったお菓子は美味しいけど飽きちゃう!」という、少しコミカルな表現にも見えるかもしれません。
ですが、実はここには星属性強制付与という、彼女の“どうしようもない欠陥”が根付いています。
本来、料理とは属性を持たないはずの営みです。
なのに、ミーティアが何を作っても“宇宙味”になってしまう。これは彼女が星属性に染められてしまったことによる、取り返しのつかない影響なのです。
「本人の意志とは無関係に、あらゆるものが“宇宙の色”に塗り替えられてしまう」
それは、魔法や戦闘だけでなく、彼女の日常すら歪めてしまったという残酷な設定でもあります。
また、ミーティアには「七つの美徳」をモチーフとしたスキル群も存在します。
この設定は、初期構想の段階から彼女に組み込んでいた重要な柱の一つです。
……ですが、現在の物語では、その多くが初期設定から“自然にズレて”しまっています。
でも、それを私はネガティブには捉えていません。
なぜなら、キャラクターが命を持ち、筆者の手を離れて動き出すというのは、創作の中でもっとも美しい瞬間だからです。
設定をなぞるためにキャラを動かすのではなく、キャラが“生きることで設定が変わっていく”。
それが、ミーティアというキャラクターが持つ最大の魅力なのだと感じています。
ミーティアは、設定から生まれた存在ではあるけれど、いまや設定の枠を越えて、筆者の想像以上に「生きている」存在です。
だから私は、彼女の次の言葉も、次の行動も、楽しみにしているんです。




