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校長の銅像と二ノ宮金次郎

 今日は少し帰りが遅くなってしまった。


私は暗くなりつつある空を見上げながら足早に校門をくぐろうとしたときだった。


 ボカボカ


二宮金次郎の銅像と、校長の銅像が、石台の前で殴り合っていた。



私は立ち止まって横目で見ていた。

二宮金次郎は、校長の銅像の左腕を持つと、手にもった本で左腕をおもいきり叩いた。

すると校長の銅像の左腕は、バキリと折れてしまった。


 そのまま二宮金次郎は校長の銅像に殴る蹴るの暴行を加える。


私はぼうっとその光景を見ていたが教室に忘れ物をしたことに気がついて、一度校舎に戻った。



私が校舎内に入ると、校長先生とすれ違った。


何故か校長先生は血だらけで、よく見ると左腕がなくなっていた。


私がじろじろ見ていると、校長先生はキリッとした目で睨み返し、


「なんだね、なにか用かね?」

と言った。


私はすぐに、

「ごめんなさい。」

といって目をそらした。


そして校長先生は痛そうにもせず、キビキビと歩いて校長室に入っていってしまった。


私は、忘れ物の荷物を手に持って、また先ほどの校門の前にある石台の前にきた。


今度は、何事もなかったかのように静寂に包まれていて、石台の上には二宮金次郎がひっそりと立っていた。

ただ、その石台の周囲に散らばっている銅像の破片が私には気になった。



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