表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/33

腕泥棒

 「すいません・・・。腕をなくしたんですが、お嬢さん、、知りませんか?」

片腕のない小柄な男が尋ねてきた。


「腕なんて簡単になくすものなんですか?」

私は聞いた。



「ええ、見ててください。」

男はそう言うと、私の腕を掴んだ。

そして、少し捻るように力を入れると、私の腕はぽろりと取れてしまった。


「ぁ、簡単ですね。」

私は言った。


「そうなんですよ。僕が歩いていたらいつの間にか取れてしまって・・・。」

男はそう言いながら私の腕を物色し始めた。


この腕、ちょうどいい大きさ、これならなんとかなるでしょう。この腕、もらっていいですか?」

男は言った。


男は私の腕を愛でるように抱かかえた。


「でもそれ、私の腕ですよ?」

私は言った。


「大丈夫ですよ。」

男は嬉しそうに言った。


男は、私の手をなくしたほうの肩にカチャリとはめこんだ。


「ほらサイズもぴったり。」

男はそう言うと、少しずつ後退し始めた。


そして突然、大急ぎで逃げてしまった。


「ちょっと!私の腕!!」

私はすぐに男を追いかけた。



しかし、子供の私の足ではすぐに突き放され見失ってしまった。


「くそ。今度あったときはあいつの首をもいでやる!」

私は大声で叫んだ。



そういえば、なぜあんなに簡単に腕が取れたのだろう。

私は、自分の体を見てみた。


なぜか、自分の体はマネキンのように見えてきた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ