不思議ポケット
私は今日、期末テストを受けていたの。
でも私の頭はからっぽで、1問も解らなくって神頼みをしていたの。
[神様神様お願いします・・・。不思議なぽっけで助けてください!]
私がお願いをすると、私の服のお腹部分に、ポケットが出現した。
さっそく私はポケットの中に手を突っ込んだ。
中は無限に広がる宇宙で、少しひんやりしていた。
時折隕石が飛んできて、私の手に当たってすこし痛い。
ガサゴソ ガサゴソ
私は必死にポケットの中を調査する。
しばらく調査をし続けると、くしゃくしゃにまるまった紙を掴み取った。
そして私は、そのくしゃくしゃの紙を勢いよくポケットから取り出した、その瞬間。
「おい、コロ…。一体何をしている…?」
突然に私は、横から話しかけられた。
ハッとして横を向くと、男性教師が目を丸くしながら、私を凝視している。
「コロ、お前のその手にあるものはなんだ!さてはカンニングだな!」
「ち、違いますー!」
私はすぐに紙を魔法のぽっけに戻そうとしたけれど、私の倍以上の図体のある男性教諭に腕を掴まれて、抵抗も出来ないままに、くしゃくしゃの紙を奪い取られてしまった。
「わー!返してください!」
私は必死に男性教諭に訴えるが、男性教諭は怖い顔をして
「ならぬ!」
と ひとこと言って、くしゃくしゃの紙をバツンと広げて確認した。
「こ・・・これは!」
先生は驚きの言葉を漏らした後、少しずつ その怖い顔を緩ませていった後に、少し私を哀れむような顔をしながら
「悪かったな、疑って。これは返すよ。」
と、言って私にくしゃくしゃの紙を返すと、すたすたと去っていった。
くしゃくしゃの紙の正体は、私が証拠隠滅の為に くしゃくしゃに丸めて、宇宙に向けて投げたはずの0点だった中間試験のテスト用紙だった。
「そんな ちゃんと証拠隠滅したはずなのに。」
私は、この日のカンニング疑惑は無罪放免にされたものの、また0点を取ったので、補習を免れることは結局出来なかった。