ブラックコーヒー
「コロちゃん、コーヒー飲む?」
ママは、甘いお菓子を机に添えながら、私にはなしかけた。
「ミルク、砂糖多めにいれといて。」
私は言った。
聞いてのとおり、私は大の甘党である。
「コロちゃん、そろそろ大人の訓練をしていきなさい。今日はブラックを飲むのよ。」
ママは言った。
私はブーイングをしたが、結局ママに言いくるめられてしまった。
ママは、コーヒーを淹れたカップを椀に乗せて持ってきた。
しかし、何故か片方のカップからは湯気がたっていない。
私はカップを覗き込む。
何故か、片方にはインスタントコーヒーの粒子がたっぷりたっぷり入っていた。
カップ8分目付近までたっぷりたっぷり入っていた。
「ママ、何これ?」
「特製ブラックコーヒーよ。」
「ブラックすぎだよ!」
「いいじゃない、良薬にがしっていうわよ。」
「薬じゃないし!」
「これも練習なのよ。 大丈夫!薬と思って飲みなさい。」
「だから薬じゃないじゃん。コーヒーじゃん!だいたい、コーヒーを粒子でどう飲めっていうの?」
私の問いに、ママは困った顔をして、う~ん っとうなった。
そして、ママは
「オブラートに包んで飲みなさい。」
と、堂々と答えた。