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自室にて仁くんは机の上の奉書紙に向かい
一心に文字を書きつけている
人一倍の面倒くさがりでありながら根が変に思い切りのよい質にもできてる
仁くんは今、まろんちゃんへの恋文をしたためているのである
その内容は以下のようなものである
「ハーイ、まろんちゃぁん、何時も俺の事をチラチラ見てるよねぇ
俺は知ってるよん、まろんちゃんがぁ俺ノコトを好きなコト
↑「//▼//キャー」
てへっ、そう照れなくてもいいんだよォ」
この恋文はこの後、3200文字に渡って続くものであるが
精神の平衡を損なうものであるゆえ冒頭のみで割愛する
こうして恋文を書き上げた仁くんは既にして
事を成就したかのような心持になっていた
その脳中ではまろんちゃんとメリーゴーアラウンドでくるくるまわっていたり
砂浜で追いかけっこをしている光景が
大いなるリアルティを持って流れているのである