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「ドゥアアアアアアアアアアアアアアッーーーー」
和人君が絶叫しながら走ってくる
そして右足を突き出し、ふわっと飛び上がったかと思うと
眼前の自販機に飛び蹴りを食らわせた
それは大きく傾ぎ、二度三度と前後に揺れた
「コノヤロッ!、コノヤロッ!」
和人君は右手を左手をぶんぶん振り回し
右足で右足で左足で蹴り蹴り蹴り付けると
「ヤアアアアアアアアアーーーー」
と左の掌底を打ち込んだ
その時である、その自販機がすっくと立ち上がった
「ファッ?」
和人君は呆けたような声を上げ、それを見上げた
見間違えではない、自販機が立っている
その底部より頑強そうな二本の足が生えている
巨体であった、横幅は和人君の三倍を超え
背丈は3メートル近くに達していた
それは只の自動販売機ではなかった
それはVendingExterminatorVE01であった
「ギィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイーーー」
機械音と共にその両側より何かが飛び出した
腕であった、無骨な鉄の塊であった
下部に一つの関節があって、それが展張されると
その本体を軸としてW字型のシルエットが描きだされた
「ひょ、ひゃ」
和人君は妙な声を上げて、後ずさった
すると、自販機{?}も一歩前に出る
その巨大な影が和人君に被さった、巨大な前面であった
黄色い声がした
「\\何時もお仕事、お疲れ様です//」
同時に自販機{?}の右腕が大きく真横に広げられた
見た目からは想像も出来ない可動範囲を誇るそれが
自販機{?}の前半分180度を右から左へ文字通り薙ぎ払った
「バッキーーーン」




