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無能人間の矜持

作者: 八丈くるる


 誰が好きでこんな世界を生きているか。

 それを叫ぶことができる人間ならそもそもそんなこと考えることもしないだろう。

 俺は無能人間。何もできずただ過ぎて行く時間だけに生きているただの腐り木。

 誰もが簡単に出来るようなことが出来ないまま、一の不可能で全を決め付け寝転ぶどうしようもなく怠惰で傲慢で強欲な人間。

 生きてていいことなんてない。そんなことは言えない。決して言えない。いう資格がない。なぜなら俺は生きている。生かされている。

 稼ぐこともしないどころか食事も人並み以下。会話も一日一度あれば上々。生き物らしいこともままならない、水を飲み排泄するだけの置き物同然の愚図な人間を生かしてくれている親がいる。

 恵まれてしまっている。

 世の中はつくづく不平等にできているものだと思う。

 真面目な人間に不幸が訪れて、クズな人間に幸が与えられる。

 後者の立場である俺からしてもそれは途轍もなく⋯⋯何も感じることはない。ただその事実があることを認識しているだけで、誰かに同情するわけでも、自らに憤怒するわけでもない。

 腐り木だ。

 ただそこにいるだけ。

 毎日の思考なんぞ無に等しく、ただそこにいるだけ。周囲を不幸にするだけの腐り木。

 昔は元気な子供だったことを覚えている。それでも人と欠けているものがあったことを感じていたことを覚えている。

 気が付けば大人になっていて、知らない事ばかの世界に放り出されて右往左往することも出来ず突っ立っていた。知らないことは知りたい時に知ればいいと思っていた。子供の時はそれで良かった。小学校も中学校も高校もそれでどうにかなってきた。

 突然世界が変わった。俺は知らない間に大人にされていた。

 今になって今更思う。子供の頃から欠けていたのは成長だったのだと。

 小さな頃から俺は何も変わっていない。そりゃあ多少考えていることとかが変わっているのかも知れない。でも俺はそんなものを変化だとは到底思えない。

 変化した上でこれなら本当にもう救いようがない。だから言い訳を、逃げ道が欲しい。

 だから俺は小さなことから何も変わっていない。

 傲慢。

 馬鹿みたいな人間だ。どれだけ思考を重ねても自分を正当化して否定しての繰り返しになるだけ。


 どうせ何考えても変わらないんだから。

 いい夢見て二度寝したい。



久しぶりに書いた。

最近熱が冷めてきちゃってる。

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