実は〇〇で…!?
長い長い人生だった。
もう昔のことはあまり覚えていないけれど、楽しい人生だったとは思う。
嫁ももう先に逝ったし、息子たちにももうお別れは済んだ。
思い残すことは何も無い。
ああ、本当に長い人生だったなあ。
「…い…さい」
「起きてください」
ん…?なんだ?誰が喋っているんだ?
聞き覚えの無いこの声は一体…?
「起きろって言ってんだよこのボケナス!」
「はいっ!?!?」
なんだというのだ、急にどうしたというのだ。
見覚えのないこの顔に声にその胸。
「そもそもここは一体どこなんだ?俺は死んだと思っていたんだけども」
「あなたは死にました。はい。で!す!が!実はあなたはこの時代に生まれる人ではないのです!」
「は?」
この女は一体なにを言っているんだ?そもそも俺は長門修という転正の時代の人間であって、それ以外の時代に生まれるなんて想像もつかないんだけども。
「いや実はですね!私は人の魂を選んで人の体に送り込むという仕事をしているんですよね!」
「人の体に宿る魂って神様が決めてたんですか?」
「はい!恥ずかしいことなんですがそれで少しミスをしてしまってですね…///」
「それは分かりましたが、私は一体なにをすれば良いんですか?」
「流石!話が早くて助かります!ということで貴方には元々生まれるはずだった時代に行ってもらって、そこで元々の人生を歩んでもらいます!」
「第二の人生ってことですね!行き先はどこなんですか?」
「異世界かと思いましたか?いいえ違います!あなたの行き先は今から200年ほど前の日本、そう幕末です!」
「幕末…?」
「はい!幕末です!では時間もないので行ってらっしゃい!」
「えっちょっ待っ…」
「また会う日まで〜♪」
「えぇぇぇぇぇーーー!?!?!?」
こうして俺の第二の人生が始まったのだった。
暇です。