なんでも欲しがる妹とそれを全て容認する両親の転落:ダイジェスト
なんでも欲しがる妹とその両親の末路です。
ダイジェストと言いながらちょっと長くなっちゃったw
私はアニー、今は平民なので姓はない。
半年前まではアニエス=グランフィールドという名前で伯爵令嬢だった。
よくある話で、私のものをなんでも欲しがる妹に指輪とブレスレットを奪られ抵抗したところ、妹だけを溺愛する両親に家を追い出された。
雨の中をさ迷っていたところ、パン屋の店長に拾われ、今はアニーと名を変えて店員として働いている。
聞いた話では、全ての取引先から手を切られ、没落の一路を辿っているらしい。なんでも元妹があの指輪とブレスレットをして夜会に出たそうだ。
指輪とブレスレットは特別なもので、私が学院を卒業したときに戴いたものです。
指輪は学院を卒業した者に与えられるもので、卒業年度と氏名が刻まれている。しかもあの指輪は在学中常に一定以上の成績を修め、なおかつ首席で卒業した者だけの特別製です。
ブレスレットは学院で生徒会を務めた者に、指輪と同じく就任年度と氏名が刻まれている。もちろん、あのブレスレットも生徒会長だけの特別製。
どちらも金色に輝き、虹色の宝石を煌めかせている。
その学院は超がいくつもつく難関校で、入るのも厳しければ、卒業するのも厳しい。世界中から入学志願が来るものの、ある年には新入生がゼロだったこともあるほどです。
ちなみに国王陛下も ――― 首席のではないですが ――― 指輪を持っており、各国の王族皇族から一目おかれています。
さて元妹は別の貴族用の学校に在学中です。そんな彼女が指輪とブレスレットをつけたことで、国内外の王侯貴族はもちろん平民からも詐欺師扱いされ、彼女を咎めなかった伯爵夫妻は同じく詐欺師とみなされ、あらゆるところから契約を打ち切られました。
更に指輪に誇りを持つ国王の怒りを買ったようで、爵位剥奪も時間の問題でしょう。
だからダメだと言ったのに。
後日、指輪とブレスレットは私の手に戻りました。
寂しがり屋なボクに感想くださいな?