蛇の牙が刺さる風。
大阪城公園に、
むかしの想い出を
置き去りにした街は白く、
ただつめたい風が吹いていて、
白い息、吐いてみるさ。すこし大げさに。
空から降りしきる小雪の舞う姿、
まるで貴女を探し続けるあたしの
滑稽な笑顔のよう。
舞う小雪も、
鼻に当たると消えてゆく。
あたしの頰は風に撃たれ
もう、凍ってしまったような今は夜。
蛇の牙は風を噛み切り
すぐに明けるさと、朝を待つ優しく。
失ってしまった懐かしい生身を、
すっかり忘れていたことに、気づく。
心には、小さいけれど
白い花が咲いていた。
明日の朝、静けさの中、街の風景が
小雪舞わせる風に吹かれるだろう。
失ってしまった大昔の貴女のいた風景が、
あたしの喉を締めあげるから、
どんな悲しみだって
笑い飛ばしてやるにしても、
貴女だけがあたしの心臓を鷲掴みにする。
だから、吹く風は、もはや、あたたかく、
思える春になったとしても、
そんな嘘みたいな未来が訪れたとしても、
あの日、捨てのは、あたしに刺さる風。
それだけは、忘れられないだろうさ。