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3話:妹とはいつも可愛いものなのである

「おにぃ遅い!」


 帰った俺を玄関で仁王立ちして待ち受けていたのは、俺の妹で今年中学3年生である水瀬律華りつかであった。

 紺色の艶やかな髪の毛はサイドテールとなってフリフリ動いていた。


 ……え? サイドテールって動くの?


 いや、気のせいだろう。


 深くは考えないことにした。

 そう、女の子は──神秘なのだから。


 それはそうと何故律華が怒っていたかと言うと、それは──


「なんでそんなに怒って──」

「今日のお夕飯はおにぃの役目でしょ!」

「──そうだっけ?」

「そうだよ! 忘れてたの? 信じられない!」


 ──俺の帰りが遅く、尚且つ夕飯の係を忘れていたからであった。


 我が家の姫はお腹を好かせてお怒りのようである。

 そこで俺は律華にも好感度が見えるのか確認してみた。今朝は部活で先に行ってしまったので見れなかったからだ。

 そう思い確認すると──


「……え?」


 ――50%、だと……!?


 律華が俺に対する好感度が、まさかの50%という驚愕の数値を示していた。

 これには俺も驚きである。


「……なに? 変な声出しちゃって」


 律華は俺から漏れた驚愕の声に反応したようだった。


「い、いや、いつもより律華が可愛く見えてな。流石俺の妹だ」


 あっやべ……これはやらかした。


 咄嗟に出た言い訳がそれであったため俺も今気がついた。これは非常に不味い。もしかしたら好感度が一気に落ちるかもしれない。


 そう思い律華の顔を見たら――顔を熟れたトマトのように真っ赤にさせ、体をプルプルと震えているではないか。


「り、律華……さん?」

「……お」

「お?」

「お、おにぃのバカァァァァァッ! 早く夕飯作りに行けーーーッ!」


 ペチンッと乾いた音が家に響き渡り、律華は足早に俺の前から去ってしまった。

 その時好感度が見えてしまった。津華の好感度が5%も上昇したところを。


「……上がった? 下がらないで、上がった? え? 意味わからん」


 可愛いと言ったから上がったのだろうか?

 考えても分からないため俺は部屋に戻り着替え、キッチンへと向かった。父さんと母さんは長期出張で家を開けているためこの家にはいなかった。

 そのため、夕飯は俺と律華で交互に作っていた。


 キッチンに行くとリビングのソファーでテレビを見ている律華がいた。なんと声に掛ければ良いのか迷うも謝ることにした。


「律華」

「……なに?」


 応えてくれるものの、律華はコチラを向かないでテレビを見ているままだった。


「その、急にすまん」

「べ、別に気にしてないし」


 依然として好感度は55%のままである。


「そうか」

「……ねぇ、おにぃ」

「ん? どうした?」

「その、どうして急にあんなこと言ったの?」


 咄嗟に出た言葉だった、と言ったら確実に怒るだろう。


「……黙ってないで早く答えてよ」

「実は――本音だった」


 間違った事は言っていない。妹とはいつでも可愛いものなのだから。


「そ、そうなの。へぇー……」


 サイドテールがフリフリと動き好感度が1%上がった。

 もうサイドテールも好感度も謎である。我が妹は未知だ。


 俺はそのまま夕飯を作り始めるのであった。




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