2話:見える、見えるぞ・・・!
更新遅れました!
財布を賽銭箱に落とした翌日の学校。
教室に入った瞬間、俺の目に飛び込んだのは――
「なんだ、これは……?」
クラスメイトの頭の上に何かが表示されており、よく見るとそれは『好感度』と書いてあった。
何が起こっているんだ?
ほっぺたをつねってみるも痛い。
夢じゃないな。
夢でもないとするならばこの状況はいったいなんなのか。幻覚か? ……いや、俺は至って正常だ。
だとするとこれは――神頼みの効果、なのか?
突っ立っていても迷惑になるだけなので、俺は自分の席に着いた。
スマホを弄っていると見せかけて周囲の観察をした。
頭の上の『好感度』と書いてある下には、何やら数字が書いてあった。
クラスのみんなを観察するもどれも平均が40%となっていた。恐らくそれが平均であろう。
するとクラス委員長である四ノ宮が教室に入ってきた。彼女の頭の上の好感度をみると──
10%だと!? 四ノ宮のやつ俺をそんな風に思っていたのか……
確かに昨日あったことからすれば少し落ちるのだろうが、さすがにこの低さは無いだろと言いたかった。
少し悲しい気もする。
四ノ宮の席は俺の近くだ。
そして、ずっと見ていたせいか四ノ宮と目が合った。
「……何かしら?」
「い、いや、何でもないよ」
「……そう」
四ノ宮はそのまま席へと着いた。そして──好感度が1下がった。
おいーーーっ! なんで今の会話だけで好感度下がるんだボケェェェェッ!
突っ込まず、そして叫ばずにはいられなかった。
会話だけだ。四ノ宮は会話だけで俺への好感度が1下がったのだ。
これはなんとしても好感度を上げなければ!
俺は四ノ宮の好感度を上昇させることを決めた。
そこに朝比奈が友達と教室に入ってきた。
朝比奈にとしっかりと好感度が表示されており、確認すると――65%であった。
……あれ? 昨日あんな事があったのにこれか? それに思ったより%が高い。
これは幼馴染効果ってやつなのだろうか? 俺には分からないが朝比奈はまだそのままでも大丈夫だろう。
俺はなんとしても四ノ宮の好感度を平均値まで持っていくことを考える。
少ししてホームルームが終わり授業が始まった。
歴史の授業でノートに板書を写す。
授業が始まって少しすると、コロコロッと俺の机の横に消しゴムが転がってきた。
誰のか探すとそれは――四ノ宮であった。
こうも早くチャンスが来ることはない。
四ノ宮は少しの動作で消しゴムを探していた。そして斜め後ろを振り向いて、落ちている消しゴムを見つけた。
だが距離が離れているためか授業中に立って動こうとはしない。
「……え?」
そんな小さな声が四ノ宮から聞こえた。
何故そんな声を漏らしたのかというと、それは俺が消しゴムを拾ったからであった。
先生が黒板に書いている隙を見計らって、俺は四ノ宮へと消しゴムを渡した。
「……ありがとう」
四ノ宮は小さい声ながらもそれだけ言うと向き直ってしまった。
好感度を確認すると――10%に戻っていた。
よ、良かった……
俺は好感度が戻ったことに対して安堵した。
いや、なにホッしているだ俺。ただ単に好感度が1戻っただけだ。
1しか変わらないことに軽くショックを受けるがまだ終わってはいけない。勝負はこれからなのだから!
一限の歴史が終わり休み時間。寝てるように見せかけて四ノ宮を確認するも、先程のことは気にしてないようだった。
くそっ! 次だ!
それからはチャンスがなく、学校が終わるのであった。
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