17話:学校で遭遇
更新遅れてすみません!
――翌朝。
朝の日差しが部屋に差し込む。
眩しさで目が覚めた俺は、隣に何か違和感を感じ目線をやった。
何かいるんだが……
布団をめくった俺が見たのは、気持ちよさそうに下着姿で寝る妹律華の姿だった。
「……」
俺は布団を元の位置に戻し冷静になる。
「気のせいだ。多分寝ぼけていて見間違えたのだろう」
再度布団をめくり確認する。
「う~ん。おにぃ、ちゃ、ん……」
涎を垂らしながらむにゃむにゃと目を擦る律華さん。
「……」
気のせいではなかった。
このままではいけないので声をかける。
「おい律華。起きろ……おい」
「う、うん……? なぁに……? もう朝?」
「もう朝だぞ。それになんで人のベッドに潜り込んでいるんでしょうか?」
「なんで? だってそれは……」
顔を赤くする律華。
「この際なんで潜り込んだかはどうでもいい。これだけは言わせてくれ」
「うん。なに?」
「せめて服を着てくれ……」
「…………おにぃのえっち」
顔を赤く紅潮させ毛布で体を隠す律華。
「……はぁ、俺は着替えるから出て行ってくれ」
「ちぇっ……おにぃのヘタレ」
――好感度が20%下がった。
(ぐっ、何故だ!? 対応はあれで正解だろ!? ならここは……)
律華の頬に手を添える。
「ヘタレで悪かったな。可愛い妹にこれ以上は俺が耐えられない」
(思わず頭を撫でまわしたくなってしまうからな)
「――ッ!? も、もうっ!! おにぃのバカッ!」
律華は俺にそう言い放ち出て行ってしまった。
――好感度が20%上がった。
好感度が戻ったことに安堵する俺。
対処を間違えればヤンデレ化することが分かっているので、これ以上下手に下げるわけにはいかない。これで良いのだ。
それから家を出た俺は学校に向かった。
四ノ宮さんと夏姫の好感度に変化は見られない。
午前の授業は何も無く過ぎて行き昼休みになった。
(屋上に行けば四ノ宮さんに会えるかな?)
そう思い屋上に行くが、四ノ宮さんの姿は見られなかった。
どうやら今日はいない日の様だ。
今日は弁当ではなくコンビニで買った菓子パンだ。
外を眺めながら食べていると、俺が入ってきた後ろの扉が開く音がした。
俺と四ノ宮さん以外に使う人がいたのか。そう思い振り返ると、そこにいたのは……
「……琴葉?」
「えっ、蒼太先輩?」
この前ナンパから助けた琴葉であった。
「奇遇だな。琴葉もここでお昼を?」
「いえ、私はさっき偶然見つけただけです。屋上に行けるとは思っていませんでした」
最近の学校では屋上が禁止になっているからな。
俺だって中学の時は屋上は立ち入り禁止だった。
「屋上への道は塞がっているからな。ここは俺のお気に入りの場所なんだ。一人でゆっくりできるからね」
「そうだったんですか」
「良かったら一緒に食べる?」
「是非っ!」
一緒に食べながら、俺は気になったことがあり琴葉に尋ねた。
「なんでまた一人で此処に?」
「……? それは……」
「いや、すまん。無理して話さなくても」
「いえ、別に大したことではないのでいいですよ」
俺の質問に琴葉は答えた。
「その色々な人から一緒に食べようって声をかけられるんです。でもいつもは一緒に食べてる友達がいるんですけど、今日は他の人と食べてたので困ってしまって……一人でゆっくり食べられる場所が欲しくって」
「そうだったのか。琴葉が嫌じゃなかったら、連さえくれれば一緒に食べるけど? まあ流石に無理な日はあるかもだけど……」
俺の言葉に琴葉は「本当ですか!?」と大きな声で反応した。
――好感度が5%上がった。
「ああ」
「では今度は連絡しますね!」
それから食べ終わった俺と琴葉は時間まで話、それぞれの教室に戻るのだった。