13話:学校で
レビューとか感想もらえると喜んじゃうかも!?
翌日。学校に着いた俺が席に着くと、そこに丁度夏姫が登校し席に着いた。
そして周りからひそひそと囁き声が聞こえてくる。
どうやら俺と夏姫の事に対してだった。
耳を澄ますとその囁き声が聞こえてくる。
「二人、昨日は一緒に帰ったみたい」
「えっ! 本当?」
「うんうん。水瀬くんってあまりぱっとしないよね~」
「よく一人でいるもんね」
「でも他の男子と違って優しいよね。わたしもちょっと話したことあるけど」
「わかる~。でも夏姫ちゃんは水瀬くんと幼馴染って聞くよ?」
「そうなの?」
といった話が俺の耳に入ってくる。
どれも似たり寄ったりの会話である。どうやらクラスでは俺のことを、そこそこ良い人扱いになっているようだ。
それなりに人とは話すから、俺が陰キャ扱いになっていなくて助かった。
「おはよう蒼太」
「ん? ああ、悠斗か。おはよう」
どうやら周りから俺の名前が聞こえてくるから、気になって来たのだと思う。
「それで、なんだこの状況は? 昨日朝比奈と何があった?」
そう小声で言った悠斗は周囲をチラッと確認する。
「いや、昨日は夏姫の相談に乗っただけなんだが。どうしてこんなことに……」
ガックリと肩を落とし俯く俺の肩に、ドンマイとばかりに手を置き憐れむ悠斗。
悠斗はそのまま「まあ、頑張れ……」と言って自分の席へと戻って行った。
俺は隣に座る夏姫へと視線を向けると……
「あ、お、おい夏姫、さん……?」
体をプルプルと震わせ、さらに顔を真っ赤染めにして俯いていた。
そして、「何よ?」と言いたげな表情で俺の方を睨む夏姫。
(いや、ほんとすんません……)
心の中で謝罪の言葉をする。
「別に、気にしてないし……」
小声でそう言った夏姫は席を立ち、逃げるようにして教室の外へと小走りで向かう。
「ちょっと夏姫何処にいくのよ!」
「そうだよ! もうホームルーム始まっちゃうよ?!」
「ちょっとトイレ」
夏姫はそう言って教室を出て行ってしまった。
クラスメイトの視線が俺へと刺さる。
(いや、そんな目で見ないでくれって……)
俺は天を仰ぎ、そう心の中で呟くのであった。
結局、夏姫はホームルームが始まる前には戻ってきていた。
休み時間などに声をかけるも、「なに?」と睨まれてしまう。好感度が下がったのかと思い確認すると、65%になっていた。
昨日確認ができていなかったが、どうやら機嫌は戻せたらしい。
それと怒っているように見えたが、そうれ程怒っていないのかもしれない。
昔も、怒っているように見えて、気が付けばいつもの様に戻っていた。いつもの夏姫に戻るのは時間の問題だろう。
そう結論付け、俺は夏姫の機嫌が戻るのを持つのであった。
それから、放課後になると夏姫の機嫌は少しは戻っていた。それを見た俺は安堵して、その日は帰宅した。四ノ宮とは事務的な会話しかしておらず、進展などありはしなかった。
次の日学校に行く途中、夏姫と遭遇し一緒に登校することに。
「お、おはよう夏姫」
「……おはよう蒼太」
それからしばらく無言が続く。
「そ、その、前はごめん。俺のせいで」
「……気にしてないし。蒼太が謝る必要ないよ」
「そうか。今度は家にでも来いよ」
その言葉に夏姫が俺の方を見る。
「なんで?」
「なんでって、そりゃあ、夕飯をご馳走されたんだ、次は夏姫が来いよ。父さんと母さん、律華だって喜ぶしな」
「ふ、ふ~ん。その、どうしてもって言うなら仕方なくないけど」
「どうしても、だ」
「わかったわ。そこまで言うなら仕方ないな~」
「ありがとう」
どうやら機嫌は戻ったようだ。
俺と夏姫はそのまま学校に行くのだった。
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既存作である、
『学校一美少女の聖女様が実は泣き虫だった件』
もよろしくお願いします。