12話:待ち構えていたのは・・・
またまた更新忘れてました!
・・・すんません
自宅に帰った俺を、玄関にて待ち構えていたのは――
「おにぃ遅いよ?」
――律華であった。
しかも、律華の瞳からハイライトが消えている。
そして何より気になるのは……
「あ、あの、律華さん?」
「……なに?」
「その右手に持っている包丁に関してなのですが……」
そう、律華は包丁を手に持っていたのだ。
「何って、お菓子を作っていたに決まってるでしょ? 料理以外に使い道なんてある?」
「イエ、リツカサンノオッシャルトオリデス」
何これ!? とっても怖いよ!?
「そう。それで――誰と食べてたの?」
包丁の先端が光る。それを見て思わず唾を飲み込んだ。
正直に答えるのか、あるいは男友達と嘘を吐くのか。
一度律華の好感度を確認すると、前回は80%だったのが30%と、50%も落ちていた。
(なんでぇぇぇぇ!? 俺何かしたか!?)
好感度の変動を見る限り、律華は――知っている気がしてならない。
ここは一か八か、本当のことを言ってみることに。
「律華も朝比奈夏姫を知っているだろ? 小さい頃よく遊んでいた」
「……うん」
「今日学校で夏姫に相談に乗ってほしい、と言われて家に招かれたんだよ」
「ふ~ん。家、ね~……しかも女の子の家じゃん」
ジト目が突き刺さる。
俺は否定するために口を開いた。
「い、いや、だからそれでは――」
「なに?」
包丁の先端が再度怪しく光った。その先端が向く方向は勿論俺の方だ。
「何でもございません!」
「……」
俺は何としても、いつもの律華に戻ってほしいが、それよりもその手に持つ包丁を何とかしてほしかった。
そのために俺はどうしようかと考え始める。
どうすれば律華の機嫌が治るのか。考えに考え抜いた結果。俺から出た言葉は――。
「そう怒らないでくれ。こう見えて、律華の為に急いで帰ってきたんだぞ?」
「私の、為に……? 本当?」
「勿論だ」
勿論――怒られないためにである。
「え、えへへ~……もうっ、おにぃってば!」
そう言って律華は顔を真っ赤に染め上げ、サイドテールをゆさゆさ揺さぶりながら二階の自室へと逃げ去って行くのだった。
俺はそんな律華の後姿を見ながら、頭の上に浮かび上がっている好感度を確認した。
その好感度は――80%と、一気に上昇し戻っていた。
(俺、もうわけわからん……)
俺は呆然と玄関に立ち尽くすのであった。
リビングに行くと両親が帰ってきていた。
「蒼太帰ってきたのか。一体どこに行っていたんだ?」
そう俺に問いかけてきたのは、父である浩一郎であった。
「ああ、夏姫の相談に乗っていたら、帰るときに朝子さんと洋一さんにあって、そのまま夕飯を頂いてきたんだよ」
「朝比奈さん家か」
「そうそう」
そんな会話をしていると、奥から母である志信がリビングに入ってきた。
「蒼太帰ってきてたの」
「母さんただいま」
「それでどこに行っていたの?」
父さんにしたように答えようとすると、俺の代わりに父さんが答えた。
「朝比奈さんのお宅で夕飯を頂いてきたそうだ」
「あら、朝比奈さん家に……二人は元気だった?」
「うん、父さんと母さんによろしくって」
それからしばらく話していると、母さんが俺に聞いてきた。
その内容は律華に関してであった。
「そういえば律華がなんか顔を赤くして上に行ったけど、蒼太、あんた何か知らない?」
「さ、さあ……? 何か思い出したんじゃないかな?」
俺が原因だとは言えない。
母さんは「そう。じゃあ私は寝るけど、浩一郎さんは?」と言って父さんに尋ねる。
父さんも母さんの言葉に、「なら寝るとしようか」と言って二人はリビングから出て行った。
残った俺も、風呂に入り寝るのだった。
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既存作である、
『学校一美少女の聖女様が実は泣き虫だった件』
もよろしくお願いします。