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200文字小説集 vol.2

てるてる坊主は恋のキューピッド(200文字小説)

作者: 日下部良介

 窓ガラスを伝う雨の雫。

 なんとも知的な雨なんだろう…。


「こんにちは」

 彼女は外の雨の様に知的な微笑みを僕に向けた。

「隣、いいかしら?」


 湿り気を帯びた彼女の髪から雨のにおいがした。


 カップを口に運ぶ彼女。

「可愛いですね」

 突然の僕の言葉に彼女は驚きの表情を見せる。

 僕は彼女のバッグを指す。

「はい!」

 一転、少女の様に微笑む彼女。

「早くやむといいですね」


 バッグにぶら下がるてるてる坊主が恋のキューピッドに変わった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 綺麗な物語ですね。きっと二人は大人なんでしょうが、高校生のような純粋さを感じてしまいました。 素敵な物語をありがとうございます。
[一言] てるてる坊主、最近見なくなりましたねー。 でも、持ってる人がいたらかわいい、かもです(笑)
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