ボルト2
「ワタシハ、ダイイチジセカイタイセンデ アナタガタノクニトセンソウシタクニノブキデシタ」
驚く事にこの戦機体は現在から何百年も前に存在していた。
「ワタシニ ナマエハナク 、トウジョウシャハ、『シル・イーザッカ』トイウ シキカンデシタ」
知っている。前に美術館だったであろう廃墟に額縁に入り写真が残っていた。たしか戦争後死体が見つからなかったとか書いてたな…
「『シル』ハ、カイラクノタメ テキヲゴウモンニカケタリ ギャクサツスルノガスキナオトコデシタ」
「へぇ。」
「センソウノサイチュウ ワタシハ ウデヲナクシマシタ。ソレニヨリ『シル』ノシジヲキョウセイテキニウゴクヨウ プログラムサレテイタノガカイジョサレ、ワタシハジユウニナリマシタ」
「シルとは仲良くなかったの?」
つい質問してしまった
「ハイ、『シル』ノコトキライデシタヨ。ヒトゴロシノテツダイハ イヤデスカラネ」
「シルはどうなったの?前に絵で見たことあるけど、死体見つからなかったって書いてたよ」
「……『シル』ハ、」
「うん」
「ワタシガコロシマシタ。」
「そう…か…」
俺は少し驚いたのかもしれないが、当然だと思う。自分が人殺しの手伝いさせられて命令従わなくてよくなったら恨んで殺すのは当たり前だと思ったのだ。
「死体はどこに?」
「ワカリマセン。ホネモナクナルクライ、ウチマシタカラ。ソノトキノ オンセイアリマスガキキマス?」
一瞬迷ったが
「聞く」
「音声ファイル解凍…ローディング完了。再生シマス……」
……
『クソっ!左腕が…おい、アイツを殺せ!』
「命令ニ従エマセン」
『何なんだよ!この機体は!主人の命令に従えよ!』
「……」
『なんとか言え!鉄屑が!』
「……」
『クソが!クソクソクソっ!』
「………」
『クッソが!逃げるぞ!言う事を聞け!』
「向ッテ北ニ山ガアリマス。」
『もっと速くしろウスノロが!』
「……」
『おい、何故止まる 走れよ 何で動かなねぇんだよ!』
ガタンッ
…………
「ココデ『シル』を降ろしたんですよ」
「ほう。」
…………
『いってぇなぁ!何すんだゴミ!乗せろ!』
「命令ニ…従エマセン」
『クソっ!勝手に壊れろ鉄屑が!』
「マッテクダサイ マダヤルコトガアリマス」
『あ?』
「『シル』シンデクダサイ」
バシュッ
『俺の…足が…あぁぁ!!な、な、何すんだよゴミが!歩けなくなったらどうすんだよ!』
「コレデ目標ハウゴケナイ、アナタノイツモスルコトトオナジデスネ」
『おい!まさか…止めろ、止めてくれ!まて、まてまてまてまてまて!話せばわかる!お…』
「装填弾数最大…目標捕捉…『シル』サヨウナラ…撃チマス。」ズガガガガガガ
『………』
「地獄デ先ニマッテテクダサイ」
…………
「ッテ、カンジデスネ」
「そのあとどうしたの?」
「スデニアナダラケデシタ ケド イチオウ ナニモノコラナイヨウニ モウイチドウチマシタ」
「シル、憎かった?」
「ハイ。トテモ」
よしよし…と何故か機体の頭を撫でていた。
「ナニヲシテイルノデスカ?」
「あ、いや、ごめんなんとなく笑」
「ヘンナヒトデスネ」
…ツヅイタライイデスネ。
絵文字多めになってきたね、今月も寒いよね、私の働き先の森ではシベリア並に寒いよ。平均温度は-3度。おいでよどうぶつの森も、行きたくない熊しかいない森になる。(_・ω・)_バァン…