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89話:サツキの中総体、地区予選決勝、ダブルス3、接戦

さあ、サキちゃんとミキミキ。

優勝できるかどうかがかかってる。ダブルス3で母校に白星をつけてやれ!


「ダブルス3、サキ&ミキ vs オカ&オカ」


……ああ、サツキだけじゃなく、サキちゃんもミキミキも名前で呼ばれてるじゃないかと思ったかもしれないが、サキちゃんもミキミキも名前っぽいけど名字だからな。崎と三木だ。

ただし、サキちゃんは崎早紀だ。ミキミキも三木美樹だ。

名字と名前が一緒ってのも珍しいよな。

……どうでもいい話だったな。


相手は同じ名字?

おお、同じ顔が2つ並んでる。双子か?


「いくよ! 恵理<エリ>!」


「ういっす、椎子<シイコ>姉!」


ん? 今あの姉妹はなんて言った?

オカ……シイコ? オカ……エリ? おかしい子とお帰り?

ミキミキ達といい、オカ姉妹といい……ここのダブルスは名前遊び組か?















さて、最初はオカシイコさんのサーブだ。


「そいやっさーっ!」


や、その叫びは無しだろ? 確かにすんごい声あげるトッププロもいるけど。卓球でポイントとった後、何か叫ぶ日本のプロの選手もいるけど。

ふざけた叫び声とは裏腹に、とても綺麗なスピンサーブを打った。

相手のバックに向かって突っ切る返しづらいサーブだ。


「ふんっ!」


ミキミキがバックで返す。

おい、女の子。『ふんっ!』は無いぞ。


「そいやっさーっ!」


……もう叫び声については何も言うまい。

オカシイコさんの返球は毎回バックに向かっている。

普通の人はフォアよりバックの方が苦手な人が多いからな。

ミキミキも打ちづらそうだ。


「ふんっ!」


バックの方向に毎回打たれる事を嫌ったのか、ロブを打ち上げた。

うん、あの位置からなら相手もバック方向には打ちにくいぞ。

後衛のオカシイコさんが走って追いつく。


「ほいさっさー!」


…………ごめん、やっぱりつっこんでもいいかい?

その叫びは何だ!? ほいさっさっておい!? 

……相手に脱力させるのが狙いか?

相手もお返しとばかりにロブを打ち上げた。

今度はミキミキが走る。


「ふんっ!」


ミキミキがぼけっと突っ立っているように見えたオカエリさんの右の隙間を縫うように返球する。

よしっ、決まったか!?


「甘いっす!」


オカエリさん、ぼーっとしてるように見えたけどちゃんと見てたんだな。

ボレーでミキミキとサキちゃんの間を狙う。


「そっちこそ!」


サキちゃんがギリギリで追いついたか。

オカエリさんの頭上を越えるロブをあげる。


「シイコ姉、頼むっす!」


「無理!」


おいっ! 無理は無いだろ、無理は!

いや、確かに今のに追いつくのはかなり無理っぽそうだったけど。


「ナイス! サキちゃん!」


「ありがと、ミキミキ!」


ハイタッチを交わす2人。

うん、いい感じだ。頑張れ、ミキミキ、サキちゃん。


「ゼロ・ワン」


さあ、オカシイコさんのサーブだ。


「そいやっさーっ!」


かなりの回転がかかったスピンサーブだ。

……だが、あれくらいのボールなら、サキちゃんならとれる!


「ばっかやろーっ!!」


………………どうかしたのか? サキちゃん?

普通にストロークを返す。相手のバックに向かってボールが入る。


「何がだーっ!!?」


おい、オカシイコさん。

試合中に相手チームと会話するなよな。


……その割に、ちゃんとしたボールを返すから不思議だ。

コートの最奥を狙ったボールが返球される。


サキちゃんはコート外まで下がって、前衛の頭を越すロブで返す。

……元のポジションに戻る時間作りかな?


「財布落としたんだボケーッ!!」


わー、悲惨。いくら入ってたんだろ?


オカシイコさんとオカエリさんは左右のポジションをチェンジして、普通のストロークで返す。

かなりのスピンがかかっているからとりにくそうだ。


「いくら入ってたんだー!!?」


俺の心が分かるのか? オカシイコさん?

ってか、言葉のキャッチボールと言う言葉もあるけど、試合中にそんな事叫ばねえよ。

サキちゃんがちょっと前に飛び出してボレーで相手に返す。


「200円だーっ!!」


すくなっ!

……いや、俺も300円で生活してるから、笑い事じゃないのは分かるけど、そこまで叫ぶ事じゃねえよ。

テニスに集中……してるか、叫んでる割に集中してるなあ。


オカエリさんとミキミキは今の所手出しをしていない。

チャンスボールを虎視眈々と狙ってる。

オカシイコさんがライジングショットで相手のバックを狙ったボールを打つ。


「だからどうしたっ!」


……それはこの会場中が思った事かもしれません。オカシイコさん、あなたはおかしくありません。

おお、バックボレーだ。

……サキちゃんも上手い。


「悲しいだろっ!」


まあ、確かに悲しいよ。サキちゃん。


オカシイコさんが前に飛び出してるサキちゃんの後ろを狙ったロブを打つ。


「私なんかなっ!」


オカシイコさん、あなたも最近何かあったんかい?


後ろに戻ったサキちゃん、思いっきり振り抜く。


「どうしたっ!?」


ただのラリーになってない所が凄い。さっきから難易度の高いボールを応酬し合っている。

審判ってつっこみ入れなくていいんだろうか?

『私語は慎むように』って。


「昨日素足で犬のうんこ踏んづけたんだーっ!」


……悲惨すぎる。

俺も経験したが、あんな惨めな経験は無いぞ。

どうやって経験したか? 春に家族で海にいった時、砂浜で散歩してたら、素足で歩きたくなったんだ。で、靴を脱いで歩いてたら走り回りたくなって、走ってたらいきなり『ぬちゃ』という感触を味わったんだ。


……思い出したくもない。犬のうんこは飼い主がきちんと片付けてくれ。


「ざまーみろっ!」


サキちゃん!

傷口に塩を塗り込むような発言はやめてあげて!


あっ、今までほとんど動かなかったオカエリさんが突然動いた!

サキちゃんとオカシイコさんのラリーに割り込んで、スマッシュを放つ!


「私も混ぜるっすー!」


……………………論点はそこかい。


サキちゃんとミキミキのど真ん中を狙ったスマッシュを放った。

2人とも今度は動く事が出来なかったな。


「サスガ、エリ!」


「実力っすよ!」


今度はむこうの陣地でハイタッチだ。


「えーと、ワンワン?」


いや、それを言うならワン・オールだ。犬になってるぞ審判の女の子。

さっきから選手達の叫び声で審判も頭の中が混乱してるな。


まあ、ダブルス1やダブルス2のときのような悲壮感は漂ってない分、こちらもほのぼのと見ていられるが……。

これって地区優勝を決める大事な1戦のはずだよな?


実力伯仲してるっぽいから、中々勝負が決まらなさそうだ。

どっちも、頑張れ!

あ、でもミキミキ達、勝ってね。

こんにちは、ルーバランです。


名前、本当にいるんでしょうか?


他にどんなんがあるんでしょう?

「小田真理」「矢場いよ」「大場加奈子」「岬美咲」

あたりはいそうです。


実際に親が付けたのでしたらさらにびっくりです。

……作中のこの子達の設定は親が付けたですが。


結婚でそう言う名前になったのなら、きっとすごいいい関係だったんでしょう。


それでは今後ともよろしくお願いします。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
うそこメーカー
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