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83話:英語で遊ぼ、言えるかな?

さて、今日は7月4日金曜日、悪夢のような請求書が届いた翌日だ。


来週から期末テストが始まるから、午前中の授業なんか半分以上の人が内職してた。

夜に勉強するんだって言って、ぐーすか寝てるヤツもいた。


……せめていびきはするな、ケン。


真面目に授業聞いてたのはアオちゃんくらいかなあ。


漫画貸してくれる事になってたけど、来週から試験期間と言う事で貸してもらうのはもう少し後になりそうだ。









今は5時間目の英語Iの時間だ。

うちのクラスの英語Iは担任のウララ先生が受け持っている。


それにしても……昼飯食べた後は眠い……。


「それでは、次の文を読んでね。じゃあ……ヤス君」


「へ?ふぁい……えと……どこでしたっけ?」


「もう、ちゃんと聞いてなさい! ほら、ケン君を見習いなさい、あんなに真剣になって授業受けてるじゃない!」


それはウララ先生だからです! ケンのヤツ、午前中の授業全部寝てました!


「うーん、ヤス君はボケてるし、他のみんなも眠そうにしてたり、内職してたり……これじゃ授業にならないわね」


寝ぼけてるんです、ボケてる訳じゃないです!

しょうがない、来週からテストなんだから。そう思うなら、テストをなくしてください。


「よし! 今日は授業はやめましょう!」


おお、すげえ! って事はおおっぴらに眠れるな。

他のクラスメイトからも歓声が上がった。高校生なんてこんなもんだ。


「今日は英語の言葉遊びにしましょう!」


へ? なんだそれ?


「じゃあ、そこで立ちっぱなしのヤス君。」


立ちっぱなしにさせたのはウララ先生です。


「なんでもいいから、早口言葉、言ってみて?」


「へ? 早口言葉ですか?」


「そうそう、早く早く」


「ああ、はい。……無気味なぶ男だがぶりをぶら下げてブルドッグにかぶりつかれた!」


どうだ! すごいだろ!


「……」


「……」


「……」


「……」


「……」


あれ? 反応が鈍いな……。何でだろ?


「……それ、ヤス君の事ですか?」


……おい、アオちゃん……。


「んな訳無いだろ! 確かに犬にかぶりつかれた事はあるけど!」


「……やっぱりあるんだ」


「まあ、ヤスだからな」


「……それがヤスクオリティってやつ?」


何で俺の話になる! 話した事無いヤツまで俺の事を語るな!


「今は早口言葉の話だろ!? 言ってみろよ! 難しいから!」


「早口言葉くらい簡単ですよ。……この高竹がきに高竹立てかけたのは高竹立てかけたかったから高竹立てかけたのです!」


……おお……なんか俺のよりすごい……。


「アオちゃんのはすごいわね。それで今ヤス君とアオちゃんに言ってもらったように日本語にも色々早口言葉はあるけど、英語にもいろんな早口言葉があるのよ。世界中にこう言うのはあるものよ」


ほお、そうなんだ。早口言葉ってのは万国共通なんだな。


「そこで、今日はみんなには英語の早口言葉に挑戦してもらいましょう!」


「ゲッ!?」


「……ヤス君? なんで『ゲッ』なんて言うんですか?」


「いや、俺発音苦手ですし……」


「大丈夫! 発音なんて下手でいいのよ! そうやってしゃべろうとしないのが一番まずいの!」


下手でいいって言ってくれる人に限って、上手い気がするのは何でだろう?


「さあ、挑戦してみましょう!まずはこれ! The witch wished a wicked wish.」


……今ウララ先生はなんて言ったんだ?


「あ、よく分からなかった?じゃあ、黒板に書こっか」


カツカツ……。


The witch wished a wicked wish.


ああ、こんな事言ってたんだ。難しいな。


「じゃ、ケン君、この意味分かる?」


「わかりません!」


嬉しそうに言うな! 少しは考えろ!


「……えと、じゃあキョンキョンさん?」


「あ、はい……『その魔女は邪悪な願いをかけた。』ですか?」


「その通り! まあ、早口言葉だし、意味はそんなに気にしなくていいかもね。では、みんなで言ってみましょう!」


え? それ無理! 難しすぎだから!


「さんはい!」


「ザウィッチウィッちゅドアウィックドびぃッちゅっ!」


………………………………ば、ばれてないかな?


「ヤス君、大丈夫でちゅか? 舌噛んでないでちゅか?」


もろばれてる!? しかもウララ先生ごっつむかつく!


「次のはちゃんと言ってやるさ! ウララ先生! 来いやあ!」


「ヤス君、1人で熱くなってないでみんなで言いましょうね。」


分かってるさ。気持ちの問題だ!


「じゃあ次の、She sells sea shells by the seashore.」


くぅ、またわけ分からんのを。

……黒板に書いて、みんながぼそぼそと練習する。


「じゃあ、いくよ、さんはい!」


「シーセルズシーシェルじゅバイじゃシショーあ!」


……なんかすごい馬鹿にされてる気分だ。


「くくぅ、ヤス君のミスっぷりは笑えるわね。次はどんな風にとちってくれるのかな?」


ウララ先生なんかに負けるか!


「じゃあ、これを最後にしましょうか。Six sick slick slim sycamore saplings.」


な、中々難しいな、だが、俺は負けん!


ウララ先生が音頭をとる。


「……では、いきましょうか。さんはい!」


「シックスシックスリックスリムシカモアサプリングス!」


……おし! 言えた!


「どうだ! ウララ先生!」


「甘いね、ヤス君は。早口言葉って日本でも3回言う物でしょ? 3回連続で言えなきゃ、本当の意味で言えたとは言えないよ」


なかなか、鋭い指摘を。


「おし、言ってやるからな! ウララ先生みてろよ!」


スーハースーハー、深呼吸。


「おし、シックスシックスリックスリムシカモアサプリングス! シックスシックスリックスリムシカモアサプリングス!せっ……」


あぶない!


…………


…………


…………えと……。


…………


…………


…………


…………みんなの視線が痛い。


「…………ごめんなさい」


早く授業よ、終われ。

こんにちは、ルーバランです。


私はめっちゃかみました。

早口言葉、苦手です。


ちなみに早口言葉の意味。


She sells sea shells by the seashore.

彼女は海辺で貝殻を売っている。


Six sick slick slim sycamore saplings.

病気で痩せ細った6本のアメリカスズカケノキの苗木


です。


それではまた。


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カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
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