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82話:請求書パニック

「な、なんじゃこりゃーーー!!!!!」


今日は7月3日……。そんな事はどうでもいい。

長距離の練習を終え、家に帰ってソフトバンクさんからの請求書を見た時の第一声です。ソフトバンクさん……桁を1つ間違えてないっすか?


17430円


…………。


何度見ても17430円に見える。


おれ、サツキ以外に誰にも電話してないっすよ。しかも、家族とケン、ポンポコさん以外にはアドレスも教えてないのに……。


今現在、俺のアドレス帳には5件のみ、サツキ、ケン、ポンポコさん、母さん、父さんの5つ。

しかし……。

ポンポコさんとは部活で毎日会うから結局何もしてないし、サツキとはソフトバンク同士の電話が0円になるってはずだから、やっぱり原因はケンか!?


俺は急いでケンに電話する事にした。


「もしもし?早川です」


「お、ケンか!?なんか先月の携帯代がすごい事になってんだけど!お前の仕業か!?」


「え?ああヤスか。ええと、先月の携帯代がどうかしたのか?」


「なんでか1万円越えてんの!絶対お前のせいだろ!」


「……あれ?ヤスってパケ放題とか契約してないの?サツキちゃんも契約してるからてっきりヤスもしてるかと思ってた。」


「いや、してないよ。ってかパケ放題って何?」


「えーと、正式名称は覚えてないけど、それに契約すると、メールとかウェブとかをいくら見ても定額料金で済むんだよ。たいていどこの携帯会社でもあるサービス内容なんだけど」


「ええと、俺は最低限のサービスでいいと思ってたから、そんなん契約してない。ってか、月々の基本料金お前に教えただろ!そんときに気付けよ!」


「ああ、そういや聞いたなあ。忘れたけど」


「忘れるな!それでなんで17430円もいくんだよ!」


「知らないのか?メールって受信するだけで金がかかるんだぞ」


「やっぱりお前のせいか!!17430円なんて払えねえよ!どうしてくれんだお前!」


「俺パケット定額にしてるから気付かんかった。ごめんごめん、……大変だなヤス」


「同情するなら金をくれ!」


「懐かしいなそのネタ、家なき子か?きっと分かる人少ないぞ」


「まあ、そうなんだけど。ネタじゃなくてほんとに金ください、貯金かき集めても17430円いきません」


「……しょうがないな、今度ちゃんと返せよ」


「ケンのせいなんだが……くっ、夏休みのバイト決定かよ」


「いいじゃないか、『勤労少年』という響き。ついでだから今年の夏はバイトしまくって、金貯めとかねえ?」


「別に借金返せる程度でいいよ」


「分かってねえな、ヤス。借金を返す程度しか働かないとどうなると思う?」


「ん?どうなるって言うんだ?」


「俺がメール送り続けるから、結局また借金生活に逆戻りだ」


「もうやめい!メール送るな!」


「ってのは冗談にしても、それから後も月々300円で生活する気か?どう考えたって無理があるだろ?」


「ん……確かに」


「だからさ、バイトしまくってその後の秋からの生活を楽しまねえ?サツキちゃんとのデートにも金は必要だろ?」


「兄妹でデートも何もないんだが……それは確かに言えてるな」


「だろ?だから夏は一緒に汗水たらして働いて、金を貯めるんだ!」


「……一緒に働く必要があるのか?」


「ふっふっふ」


「気持ち悪い笑い方は止めろ」


「お前は人付き合いがなおったと思ってるかもしれないが、それは大いなる間違いだ!」


「突然何を行ってるんだ?ケン」


「思い出してみろ、高校に入って2ヶ月半。クラスメイトの内、会話したことあるのは何人だ?」


「……ケンとアオちゃん、マルちゃんに名も知らぬ女子生徒の4人かな」


「……名前くらい覚えとけ……それで、今まともに話をしてるのは何人だ?」


「……ケンとアオちゃんの2人だな」


マルちゃんとは大山祭で話したっきりで、また全く話してないしな。


「俺は小学校の時からの付き合いだから、除外しようか。……つまり!ヤスは高校に入ってまだクラスで1人しか話せるようになっていないという事だ!陸上部の人達を入れてもヤマピョン、ユッチ、ポンポコさん、ウララセンセの5人!それで人付き合いがなおったと言えるのか?」


「ん……言えんかもしれんが、それがバイトとどうつながるんだ?」


「ふぅ、1から10まで全て説明せんと気付かないのか。馬鹿だな、ヤスは」


「いいから話せ!」


「いいか、ヤスは未だ一般人とは話が出来てないんだ。そんなヤスじゃ、1人じゃバイトできないだろ?だからこそ俺が一緒にバイトしてやろうというのだ」


「なんか偉そうだな、別にこの前アオちゃんの妹さんともしゃべったし、ポンポコさんの家族ともめちゃ仲良くなったぞ。中学校小学校の先生ともしゃべったぞ。普通にしゃべる程度なら平気だ」


「アオちゃんの妹さんはアオちゃんに雰囲気が似てたから平気だったんだろう。ポンポコさんの家族も同様だな。ってかヤスって、友達の友達なら平気だったりするのか? ミクシィみたいなヤツだな」


「ミクシィ? なんだそれ?」


よく分からんが、腹立つ言われ方をした気がする。


「ま、それはどうでもいっか……本当に中学校の先生とは普通にしゃべってたのか? 俺はサツキちゃんから違う報告を受けたんだが」


「…………」


「みろ、無理じゃないか。だから夏は俺と一緒にバイトしよう!」


「…………仕方ないな、一緒にやるか」


「さすがヤスだ! 俺の親友なだけある、もう既に申し込んでおいたからありがたく思えよ!」


「何で!? 俺まだ今了解した所だよ!? 何で既に申し込んであるのさ?」


「ヤスなら俺の話に必ず食いつくと分かっていたからな。じゃあ夏休みはよろしくな!」


「……もしかして、一緒にバイトさせる為に17430円もの携帯代を負わせた訳じゃないよな?」


「………………」


「おい! 返事しろよ!」


「じゃあな!」


「おーい!!!」


プツッ、ツー、ツー、ツー


きれた……まさかほんとにバイトに巻き込む為だけにあんなにメールを送り続けたのか?

分からん……。どちらにしろ、高校生初めての夏休みはバイトに大半を奪われるというのが決定した訳だな。


こんにちは、ルーバランです。


うーん、今までの読み直して、人付き合い悪いようには全く見えませんが……気にしないと言う方向で。


それではまた。

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