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79話:漫画談義、ヤス編

「そういや、アオちゃんが聞きたかったのって、古本の討論?」


そんな訳無いよな。


「え?いえ、漫画の種類にバラツキがあるなあと思いまして。どういう基準なんですか?」


んー?そんなにばらつきあるかなあ?


「完全な超人ものは嫌い。駄目人間に、実は隠れた才能が……って言って、トントン拍子に話が進むのも好きじゃない。スポーツもので、試合の最中に勝手にアホみたいに強くなってく話も好きじゃない。異世界飛んで、そこでいきなり会話が成立するの見るとむかつく。あと、恋愛ものも基本的に嫌い。特に、スポーツ中に恋愛感情が絡んで、強くなったり弱くなったりするの見ると腹立つ。」


「ヤス君、好き嫌いが激しいですね。食わず嫌いは駄目ですよ」


一応一度は食ったけど、受け付けないんだ。悪いか。


「なんで嫌いなんですか?」


「完全な超人系は全てそいつが解決してくから、読んでて面白くない。そんな万能なやついるかって思う」


「ヤス兄、ひがんでるんだよ。何でこいつは!って。フィクションなのにね」


「うるさい!」


何か読んでて腹立つんだよ、『YAWARA』とか。猪熊柔、負けないじゃん!悔しいじゃん!

確かにレスリングのあの人とか、100何連勝とか現実でもしてたけどさ。


「んで、隠れた才能があって、トントン拍子に話が進むやつ?それとスポーツで試合中に強くなるやつ?ふざけんなって感じするじゃん?練習量で勝ててないやつが勝てるか!って思うじゃん?」


あ、前言撤回。『YAWARA』はありだ。基本的には練習してる人が勝つし。


「ヤス、漫画なんだから気にするな。だいたいその方が盛り上がるだろ?弱いやつが強いやつに勝つ話ほど盛り上がるもんなんだぞ」


「ああ、確かにケンの言う通り弱いやつが勝つ話は確かに面白いけど勝ち方があるだろ?いきなり強くなってく話とか、ありえないじゃん」


「……ああいえばこう言うやつめ……」


うるさい、好みの問題だ、好みの。


「後は、異世界とんで、いきなりむこうでも日本語使ってるとか、ありえないじゃん」


「そんな話だけじゃなくて、道具を使ってたり主人公の特殊能力だったりもしますよ?」


「それはずるい、苦労しないで身につけてる力ってずるすぎる」


「いいじゃないですか。異世界飛んだ場合はたいてい救世主なんですから。救世主は何でもありなんですよ」


いや、そこまで行くと主人公ずるすぎるから駄目。

十二国記も、主人公だけ最初から翻訳して聞こえるってずるいやんと思った。……ただ、それ以外の部分が面白くて、読み切ってしまってるけど。あ、これは小説の話か。


「じゃあ、恋愛ものは何で駄目なんですか?」


「だってさ、何となくエンディングが予想つくじゃん。『ああ、きっとこの人とこの人がくっつくんだなあ』って。外れたら外れたで違和感が残るよ?『どう考えてもそんな雰囲気無かったよなあ』って。だからといって振られる話にするとめちゃめちゃ読んだ後、後味が悪いじゃん? 予想がつくと面白くないし、外れると違和感が残り、バッドエンドにすると後味が悪すぎ……読まなくてもいいと思わない?」


「バッドエンドの恋愛漫画は読まなくていいです。恋愛漫画は疑似恋愛を楽しむものなんですよ。だからハッピーエンドでいいんです」


アオちゃんは恋愛漫画、結構読むんかな?


「そうなんかな?でも、サツキもあんまり恋愛漫画読まないよな?」


「そうだね、恋愛漫画って基本的にあんまり笑えないもん。嫉妬したり、ドキドキしたり、ほんわかしたりって笑えないじゃん?何で笑えないのを読まないといけないの?」


サツキの基準は笑えるか笑えないかだからな。

……それでいいのか、サツキよ。


「それで、結局どんなのが好きなんですか?」


「戦術、策謀が巡る話。もしくは、隠れた才能があっても、イチイチ苦労する話。あとはホームドラマだな。ただ、ホームドラマは好き嫌いがあるけど。ちなみにちびまる子ちゃんはOK。」


「なかなか選びにくいですね。ヤス君に漫画を紹介してもらうとひどい目に遭いそうです」


そんな事無い。俺の漫画選びは上手いはずだぞ。


「えと、あるのは……スポーツものだと『ラストイニング』『ダイヤのA』『大きく振りかぶって』『スラムダンク』『P2』『オフサイド』ですか。で、ホームドラマ系が『ちびまる子ちゃん』『あかちゃんと僕』『動物のお医者さん』『よつばと!』。……あ、戦争ものもあるんですね、『三国志』『項羽と劉邦』『山賊王』。他には……『ダイの大冒険』……やっぱり選び方がよく分からないですね。スラムダンクとか、ダイの大冒険でも、全部超人じゃないですか?」


「スラムダンクの桜木花道は確かに超人だけど、完璧って訳じゃないじゃん?毎回退場してたし、桜木のミスで負けたりしてたし。2万本とか頑張ってたじゃん?」


「あー、そうですね」


「で、ダイの大冒険はダイはどうでもいいんだ。この作品の主役はポップだ。悩んで悩みまくって弱いながらも知恵絞って強くなってくところがいいじゃん?……終盤でアバン先生が「この数ヶ月間の話は聞きました」って聞いた瞬間、かなりがっくり来たけど」


そんな数ヶ月で一気に強くなってたまるか!?

と思うんだが。


「ヤス君、ほんと選び方が厳しすぎですよ。もうちょっと幅を広げないと。視野が狭すぎです」


なかなか、漫画で大げさな発言をするな。

アオちゃんもこだわりが激しいんかな?


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