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78話:お疲れさま会&古本談義

や、やっと猫娘期間が終わった。

ようやくあの恥ずかしいネコミミ&猫のシッポ&語尾に「にゃあ」の期間が終わった。

6月29日の大山祭終了までという約束だったからな。

今は6月29日日曜日の夕方。大山祭が終わり、うちで俺とサツキとケンとアオちゃんでお疲れさま会をしてる。


ユッチやポンポコさん、ヤマピョンも来るかと思ったけど、自分たちのクラスでお疲れさま会をやるからって来なかったな。

ウララ先生も自分たちのクラスでお疲れさま会を開催してたけど、俺はめんどくさかったので逃げてきた。

ケンはウララ先生と行きたかったみたいだけど、1人で帰るのが嫌だった俺が頼んで来てもらった。


で、それにアオちゃんがついてきた。アオちゃんは一度俺の家に来てみたかったみたい。


みんなにジュースが行き渡った所でケンが音頭をとる。


「では、大山祭、準優勝を祝いまして」


『カンパーイ!』


さてさて、それにしても今週は疲れた。


「あー、ヤス兄の接客見たかったなあ。一般客にもにゃんにゃん言ってたんでしょ?」


「そうそう、ヤスの真面目な顔で、口調が『にゃあ』だからな。そのギャップが馬鹿ウケだった。写真撮影会も、あれだけ告知しまくっただけあって、大勢来たぞ」


「ってか、あれじゃ晒しじゃん!『俺と撮影会をしよう!』じゃなくて、途中から俺を携帯でぱしゃぱしゃ取るだけだったじゃん!」


実際のとこ、俺と一緒に写真に映ろうってしたのって、アオちゃんとヤマピョンの2人だけじゃないか?

他の人はただ単に俺を撮って楽しんでただけだったなあ。


「撮られる快感に目覚めたりしなかった? ヤス兄?」


「誰がするか!」


二度と撮影会なんてしない!


「ヤス君、1週間ずっと『にゃあ』って言ってたのに、普通の口調に戻ると違和感がありますね。これからは毎回『にゃあ』をつけませんか?」


「いやだ!」


何故そんな辱めを受けねばならん。


「残念です……面白いのに……」


「だよなあ、今思い出しても笑える……ククッ」


俺はアオちゃんやケンのおもちゃじゃないから!


「そういや、サツキちゃんは何で来なかったの?日曜だからいつもなら来そうなのに」


ケンがサツキに聞く。そんな事聞くな。分かりきってるんだから。


「午前中は寝てた」


ほら、俺の家族は基本全員ねぼすけなんだよ。


「午後からは何で来なかったの?」


「午後からソフトテニスの練習。もうすぐ最後の大会だからね」


「だな、楽しみだ。絶対に応援に行くからな!」


「ぎゃーぎゃー騒がないでよ。ヤス兄」


そんな事はしない。ちゃんとマナーは守るぞ。


















大山祭について色々話している時に、アオちゃんが聞いてきた。


「それにしても、ヤス君の部屋って漫画多いですね。何冊くらいあるんですか?」


「えっと……だいたい500冊くらいかな?これって多いの?」


「多いですよ。普通そんなに持ってません。そんなに買ったんですか? ヤス君ってケチじゃなかったでした?」


「節約家と言ってくれ。スーパーに毎日通ってれば、嫌でもそうなるぞ」


アオちゃんってわざと俺を怒らせるような言い方を選んでるのか?


「そうそう、そう言いたかったんですよ。でも、ほんと多いですね」


「大丈夫、全然金かかってないから。これ全部古本屋で買ったヤツだし。3冊で100円とかで買ったりもしたから。小学生から集めててずっとそんな風にしか買ってないし」


「……ヤス君、それはまずくないですか?」


「ん、なんで?サツキも漫画持ってるけど、全部古本だよな?」


「え?そだよ。新品って高いじゃん。他の人が読んでたって言っても、別に気にならないし。そんなに潔癖性じゃないよ」


うむ、アオちゃんってそんな潔癖性なのか?人が読んだもんなんて読みたくないなんて、図書館が利用できないじゃないか。


「いえ、そう言う訳じゃないんですが……『21世紀のコミック作家の著作権を考える会』って知ってます?」


「ああ、知ってるけど、それがどうかした?」


「えと、どうかしたって……古本って書いた人の所にお金が入らないじゃないですか?だから新品買ってあげないと、漫画家の人たち、生活できないですよ?」


「はあ……」


アオちゃんは高校生の財布の事情を分かってないなあ。


「で、お小遣いくらいしか収入の無い中学高校生に新品を買えとアオちゃんは言うのか……月々300円で生活する俺に、新品を買えと言うのか……」


「な、何か嫌らしい言い方しますね、ヤス君」


あ、ちょっと怒ったかな?


「でも、アオちゃん先輩?実際私だって月々1500円ですよ?ヤス兄と映画観に行ったら、残り500円しか無いんですよ?新品買ったら、100円しか無いですよ?」


「あ、うん、そうですね。だから、私も、月々1冊くらいしか買ってませんし」


おお、初めてかもしんない。アオちゃんがどもってるの聞くの。

ってか、アオちゃんもそんなに金ある訳じゃないんだね。

いや、失礼な言い方しちゃったな。申し訳ないです。


「安く買えるなら、安く買えた方がいいに決まってるんですよ。アオちゃん先輩だって、たくさん買いたくないですか?」


「ええ、それは……でも、そうすると、漫画家さん達が……」


サツキ、攻め過ぎ。アオちゃん困ってる困ってる。

もう少し押さえよう。


「だから、『21世紀のコミック作家の著作権を考える会』とかいう所のアプローチが変なんですよ。なんで古書店を無くそうって考えになるんですか?あんな便利なシステム無いですよ?資源の無駄遣いも無くなりますし」


まあ、そうだなあ。

環境問題とか、よくわからんけど。


「えと?じゃ、どうすればいいんでしょう?」


「古書店にも、印税みたいなものを支払わせればいいんじゃないですか?カラオケだって1曲歌われるたびに、歌手にお金が入るって話ですよ」


カラオケはそうらしいけど、漫画はよく分からんね。

なんで漫画に歌詞を載せるとJASRACとか言うよく分からんところにお金が入るんだろ?


「そ、そうなんですか……」


「ほら、サツキ、押さえて押さえて。アオちゃんがビビってるから」


「あ、ごめんなさい。ついヤス兄としゃべってるときみたいになりました」


「え!?俺としゃべる時、そんな攻め口調!?」


「ヤス兄、気付かないから楽しくて」


「楽しむな!」


全くサツキは……。


「でも、確かにそうですね、全く同じ品なら安い方がいいですよね」


「そうそう」


アオちゃんも納得したみたいだ。

うん、上手くまとまったかな?

ってか、アオちゃんが聞きたかった事ってそれだったんか?


こんにちは、ルーバランです。


さっき調べたら、カラオケでも、JASRACって関係してるみたいです。


JASRACというところ、著作権管理とかをしてるそうです。

でも、結局具体的に何してるかここのサイト読んでも、全然分かりません……。


アホな自分が悔しい……。


それではまた。

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カカの天下
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