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77話:大山祭

あれから1週間、登下校中、授業中、部活中もずっと猫娘の姿でいた。

正直しんどかった……。


部活では学校周りの距離も分かり、時計も付けて走っているんだが、一体どの程度で走ればいいのかさっぱり分からない……。

1周820mだとどのくらいのタイムで走ればいいんだろ?


結局、ラップタイムなる1周ごとのタイムと合計タイムをノートにメモるようになっただけで、今までとそう変わらない日々が続いた。

そう言えばこの前、ヤマピョンの話をしてたけど、最近どんどん元気がなくなってるな。

ヤマピョン、先輩に対してもおどおどとした対応しか出来ないから、ほんときつい言葉言われてる。

……大丈夫かな?








大山祭初日、6月27日金曜日、体育祭の時には自分以外にも変な格好をしてる人が大勢いた。

俺に触発されたようで、体育祭くらい、みんなして変な格好をしようというのが流行ったみたい。

ウララ先生は大喜びだったけど、固い先生は渋い顔をしていたなあ。


体育祭はケンの大活躍で、うちのクラスは1年生の中では1位になれた。

ユッチのクラスは1年の中で2位だった。俺に対してめちゃくちゃ悔しそうな顔してたなあ。

ユッチの悔しそうな顔を見れただけでも体育祭は満足だ。







2日目の文化祭は学内限定公開だ。

うちのクラスの、『何でも揃った占いの館』は中々の混雑っぷりを見せた。


特に人気だったのは、手相占いと姓名占い、そして俺の担当する動物占いの中の相性占いだ。


……意外と学校内でもカップルって多いのな。


まあ、カップルだけじゃなくて、親友同士とか、部活内で誰と誰がいちばん相性がいいでしょう!?

のようなノリで来る人も大勢いた。

占いってみんな好きなんだなあ。サツキもこういうの好きなのかな?

今度聞いてみよ。


後、困ったのが、これだ。

普通のカップルで来るならいいんだけど、1回だけ、四角関係の女男女女で来たのだ。


……えと?ハーレム男?


まあ、ただのハーレム男ならまだいいんだけどなあ……俺の前でドロドロの話をしないでくれ……。


しまいにゃ女同士で大げんかし始めるし。男ももっとずばっと言ってくれよ。

何で俺がとばっちりを食わなきゃいけないんだ!


そういや陸上部1年同士ってそんな話全くないなあ。

陸上部って平和だなあ。





最終日、6月29日の大山祭は例年にない盛況っぷりだったそうだ。

どうやら、俺のあの格好が、近隣の住民へのいいコマーシャルになったみたいだ。


1週間延々と猫娘の格好をしてたからなあ。


今まで、あまり近隣の人たちへポスターでの告知等あんまりしていなかったんだとか。

それが、今年は猫娘が堂々と町を歩いていたから、町の人たちも何かあるのかな?と思ったらしい。


ついでにケンのヤツが、俺といる時にそこら中で猫娘の俺を宣伝してたからな。

ついでに今日になって知ったんだが、いつの間にか俺の写真を勝手に撮って、


「6月29日は大山祭!猫娘と一緒に写真を撮ろう!」


とか俺のポスターを作成して作ってた。しかも無駄に上手い。

ケンのヤツ、肖像権の侵害で訴えてやる!






ちょっと腹が立ったのが、マルちゃんが自分の持ち場を放棄して、お隣に住んでいるという幼馴染と一緒に俺の前に相性占いを来たときだ。

持ち場を放棄すんな!


マルちゃんのお隣さんは本当に女だった。

おいらって聞いたときはちょっと男?とか思ったけど、さすがにそんな事は無かったな。

しかし……スポーティッシュなイメージを持っていたんだけど、外見だけだと静かにしてるようなイメージに見えるなあ。めっちゃ綺麗だし。

うむ、マルちゃんと並んだらまさに美女と野獣だな。


「ちょっとお願いがあるんだけど、占ってくれないかな?……すぐに済むでしょ?はやくしてよ」


……なんか、久々に話しかけられたけど、マルちゃん前と態度が違うな。何でそんなに偉そうなんだ?

ああ、そっか。お隣さんがいるからか。お隣さんにいい所を見せたいんだな……まあいっか、占うか。


「えと……生年月日を教えてくれないかにゃ?」


「僕は1992年4月13日」


4月13日か、中々不吉な生まれ方をしてる。誕生日が金曜日だったりするのかな?


「……お隣さんはなんにゃ?」


「おいら?おいらは1993年4月1日」


あ、ほんとに、おいらって言うんだね。

4月1日じゃ、あと少し遅く生まれたら後輩じゃん。


「さてさて、では占うにゃ。マルちゃんが黒ひょう、お隣さんが虎だにゃ」






「…………………………」


ちょっとは溜めないと面白くないもんな。

みのもんたみたいに溜めすぎると腹立つけど。









「……相性は5段階の中の1。……最低だにゃあ」


「…………うそ?」


「ほんとだにゃあ。でも、これは占いだからにゃあ?そんなに気にする事無いにゃあ」


実際俺の両親もこの占いやってみたら最低だったしな。

でも、羨ましくなるくらい仲良くしてる。


「ヤス、ちゃんと占ってよ。にゃんにゃん言ってないで真面目にやってよ」


「えと、ちゃんとやってるにゃ?」


むしろお前がサボってるじゃんと言いたい。俺なんか、ケンがCMしまくったせいで、自由時間がほとんどないんだよ。

さっきここの担当が終わった時は、何故か写真撮影会!とかさせられたし。


「そんなん嘘だよ。猫なんて気まぐれだもんね。占いだって気まぐれで変えちゃうんでしょ」


えーと、そんなに占いの結果気になるの?

他のとこ回ってみたら?きっと星座占いや血液型占いで毎回占いの結果変わるんだから。


「……ごめん。マルのヤツがこんなので。最近話してても、君の事馬鹿にしまくってるんだ。やめろって言ってもやめてくれなくて……」


「にゃ?……馬鹿にされたのかにゃ?……気付かなかったにゃ……」


お隣さんが謝ってきたが、馬鹿にされてたんだな、俺。

ってか、あの程度で怒っていたら、ポンポコ家族の悪意の無い暴言の数々や、ウララ先生の校内放送には耐えられんぞ。


「君ってタフだなあ……あ、次の所も回るから、もう行くよ。また会えたら会おうぜ!」


そう言って、マルちゃんと去っていった。

あの外見であの口調。

……面白い、ギャップが。












結局、大山祭、1年3組は学校全体の2位で終わった。

1位には2年4組の「格付けチェック!君に映す価値はあるか!?」

というものが大受けしたらしい。


映す価値なしになると、その日1日顔にマスクをかぶって過ごすんだとか。

ユッチがマスクをかぶって参上したときは、さすがに


「にゃはははははははは!ば、ばかじゃないのかにゃ?」


「わ、笑うなあ!ヤスだって変な格好のくせに!」


「だ、だってアントニオ猪木はにゃいよ。ほら、1、2、3、ダー!ってやるんだにゃ」


「う、うるさいい!ボクだって好きでやってるんじゃない!せっかく遊びに来たのに、ヤスなんて嫌いだあ!」


あ、行っちゃった。せっかく遊びに来てくれたのに、悪い事したなあ。

でも、猪木か。確かに面白そうだったなあ。俺もやってみたかった。


こんにちは、ルーバランです。


すみません、学園祭はさらっとながしちゃいました。


私たちの高校では、いろんな小説でやってる、喫茶店みたいなのは無かったんですが(お金の取り扱いが基本的に禁止でした)、他の高校ではどうなんでしょう?


大山高校でも、似た感じで。


それではまた。

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カカの天下
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