72話:ポンポコ&ヤスの誕生日、バトル開始
「さあ、今度こそモノポリー始めよう!」
もうさっきからやりたくてしょうがなかったんだ。
ポンポコさんの両親の登場から既に1時間が経過している。もうすぐ22時になる時間だ。
俺のかけ声とともに、モノポリーの準備がはじま
「ヤス、モノポリーは最大8人でしか出来ないんだ。私の家族とヤスとサツキをあわせたら10人になる。残念ながらモノポリーは無理だ」
な、なんだと……。
ポンポコさん……この日の為に毎週日曜に特訓してきたのに……めちゃ楽しんでたけど。
「と言う訳で今日は別のをやらないか?UNOなんかどうだ?一応10人でも遊べるゲームだ」
ウノか……確かに遊べるな。
「だけど、最初にクリアした人は待ってるのつまらなそうなんだけど」
「ふむ、本来は最初にクリアした人がでた時点でゲームは終わるのだが……」
そんなルールがあるのか!?知らなかったなあ。
「では3位までが決定した時点でゲームは終了。残りの順位はカードの枚数。同じ枚数の場合は特殊カードが多い方の負け。それでも勝負がつかない場合は同着というルールでどうだ?」
「待て待て、整理させてくれ……うん、いいぞ、それならスピーディにいけそうだ」
「ルールは分かるか?一応ルールの書かれた紙があるが」
「大丈夫だポンポコさん。ルールくらい覚えてるよ」
UNOはきっと誰もが一度は経験したんじゃないか?
「ポンポコ先輩。見せてもらってもいいですか?」
「あ、俺も見たい」
五!やった事ないのか!?サツキはやった事あるだろ!?
俺が変な目で見てたからか、サツキが文句いってきた。
「何?一応確認しとこうと思っただけじゃん。ヤス兄こそ、そんな目で見るんだったら、ゼッッッッッタイにルール間違えないでよ」
「わ、分かったよ。俺が悪かった、俺にも見せてくれ」
確かに俺の知らないルールがあったし、確認しといた方がいいかもしれない。
「ヤス、君はヘタレだな」
ポンポコさん、事実をいわなくて結構です。
という訳で一応ルール説明だ。
ポンポコさんは知ってるみたいだから読まないんだな。
1、各プレーヤーに7枚ずつカードを配り手札とする。余った札は山札にする。
2、山札の一番上のカードをめくり、そのカードからスタートだ。
3、手札の中から順に、場札と数字もしくは色の一致するカードを出していく。手札に出せるカードがない場合は山札から1枚取る。山札から取ったカードが出せるなら、出していいし、出せないなら次の人の番になる。また、同じ数字ならば重ねて出す事が出来る。
4、手札が1枚になったら、『UNO』と宣言する。しなかった場合は2枚山札から取る。特殊カードが最後に1枚残ってしまった場合も同様に2枚山札から取る。また、あがる場合は必ず1枚であがらなければならない。重ね出しであがってはならない。
5、手札を全てなくしたものが勝利者となる。
次に特殊カードの説明だ。特殊カードにはこんなのがあるな。
リバース:順番が反対周りになる。
スキップ:次の人の番を飛ばす。
ドロツー:次の人に無条件で山札から2枚取らせる。ただし、次の人もドロツーを持ってたら出して、さらに次の人にプラス2枚取らせる事が出来る。これをドロツー返しと言う。これはドロツーがある限りどこまででも続く。
ワイルド:場の札に関係なく、自分の手番ならいつでも出すことができ、現在の場の札の色を指定できる。
ドロフォー:場の札と同じ色がない場合いつでも出すことができ、現在の場札の色を指定できる上に次の手番の者に山札から4枚取らせる。ドロフォーもドロツー同様の事が出来る。さらにドロフォーはドロツーの上にかぶせる事も出来る。ただし、ドロツーでドロフォーを返す事は出来ない。
大体こんな感じかな?
ポンポコさんによると、競技会や地方によって、結構ルールが変わって、ドロツー返しが出来ないルールや、重ね出し禁止のルールもあるんだって。
ポンポコさんってもしかしてゲームに関してかなり詳しい?
では、改めて、ゲーム開始だ!
ポンポコさんのお父さんが全員にカードを配る。
10人もいると中々自分の番が回ってこないが、それはそれで戦略を練る時間があり楽しい。
少人数よりも予測不能な事が多くて、戦略の立て方も難しくなる。
俺の持つカードは赤の1、3、6。黄の2、3。青のドロツー、緑のリバース。
ドロツーの出すタイミングが大事だ。
「ふふふ、俺は負けん!今日こそはこの前の雪辱を晴らしてやるぞ!ポンポコさんよ!」
「ふん、私にゲームで勝とうというのが間違いだ。モノポリーでも、UNOでも、その他のゲームでも、ヤスに負ける気はしないな」
くぅ、ポンポコさんめ、その強気っぷりが腹立たしいな。
UNOではリバースやスキップがあるから、順番はコロコロ変わるから、紹介するのはやめとこう。
とりあえず最初に出すのは俺だ。
最初におかれているのは緑の6。
……特殊カードは後回しにしたいから、ここは無難に赤の6を出しておく。
「ヤスよ、君は考えている事が顔にですぎているな。今、2枚のカードでどちらを選ぶか悩んだだろう?特殊カードか普通のカードかで。もっとポーカーフェイスを身につけないと、ゲームには勝てないぞ」
くっ、そんなに顔に出ているのか?
ポンポコさん、そんなに言うならポンポコさんのポーカーフェイスっぷりをとくと拝見させてもらうぞ!