71話:ポンポコ&ヤスの誕生日、ポンポコ両親登場
「さて、そろそろモノポリー大会を始めますか!」
今日のこの時の為に、日曜日は家族でモノポリーばっかりやってたからな。
父さん母さんもはまってしまって、たまにケンも来て毎回4〜5人でモノポリーばっかしてた。
ふふふ、俺とサツキの上達っぷりを見せてやる!
『ただいまー!』
あれ?誰か帰ってきた。あ、ポンポコさんの両親は今日帰るって言ってたしな。
ポンポコさんの両親か。
「あら、知らない間に私たちの子供が増えてる?」
「ほほう、いつの間に生んだんだね?母さん」
なんかとぼけてる2人ですね。
腕を組んでの登場か、なるほど……。そのくっつきっぷりはうちの両親によく似てる。
違う所はよくしゃべりそうな所か。父さん、母さん2人ともに無口だもんなあ。
「私の友人のヤスとサツキだ。この2人は兄妹でな、今日は私の誕生日なので呼んだ、このまま泊まっていってもらう予定だ」
「おお!母さん、ついに私たちの孫が見れるかもしれないぞ!」
「ええ、誰と誰が付き合ってるの?サツキちゃんと一?サツキちゃんと二?サツキちゃんと三太?サツキちゃんと四狼?まさかサツキちゃんと五王じゃないよね?」
何でサツキとのカップリングばっかりなんだ!?
いや、俺が一二三四五と組まされるのは絶対嫌なんだが……。
「ごめんなさい、全員ヤス兄に似てるわりに、ヤス兄ほどいじりがいがなくて面白くなさそうなので友達までならOKですが付き合うのは無理です」
あ、はっきり言ったね。ってかそんなにあの一二三四五に似てるか?会ってみたけど、そこまで似てるイメージがわかないんだが……。
それより、今サツキは誉めてくれたのか……?ま、俺のがいいって言ってくれて、すごく嬉しいからいいや!
「じゃあ、まさか娘とこのヤスと言う冴えない男?……それはありえないか」
ひどいっす!ポンポコさんのお母さん!本人がいるのに冴えないって何ですか!?初対面なのに何でそんなにけなすの!?
「その通りだ、ヤスと私は友人に過ぎないぞ。」
ポンポコさん!冴えないってのを否定はしてくれないんですか!?
「まあ、実際ヤス兄って顔はあんまり冴えないよね。ぼさぼさ頭だし、老け顔だし」
サツキまで言うか!もういいよ老け顔って言うの、俺をけなすな!
お前は俺の妹なんだから、似てる部分もあるんだぞ!
「残念ね、もしかして孫の顔が期待できるかと思ったのに……サツキちゃんみたいに可愛い子が家の嫁に来てくれたら大歓迎だったのになあ。うちの息子達、ポンポコばっかりかまっちゃって、誰とも付き合おうとしないのよ。特に一なんて22でしょ?心配になっちゃう」
はう!サツキは可愛いになるのか!?
あ、今似てるなと思ってしまったぞ、一二三四五。
「ほんとに兄妹?あんまり似てないよね?サツキちゃんの方は可愛いけど、兄は……」
『……』って何ですか!?ポンポコさんのお母さん!ってか似てないのかあ……。ちょっとショックだなあ。
「まあまあ、母さん、ヤス君がへこんでるよ。事実をはっきり言うのもいいけど、オブラートに包んであげるのが優しさだ。私が例を見せてあげよう」
聞こえてます!ポンポコさんのお父さん!今のが一番傷つきました!
「初めまして、ポンポコの父だ。君の顔は中々味わいがあるね。他の人では見ることができないよ!」
既に馬鹿にしまくっておきながら、褒めようとしても何も感じません。
「例えば、その髪!笑いを狙っている人の髪としては最高だ!その頭だけでキノコ頭と同等の笑いを取れるぞ。さらにはその顔。第一線で働く20代後半のエリートサラリーマンのようだ!いいぞ、かっこいいぞ!」
「馬鹿にしてるんですね!全然オブラートに包んでません!別に芸人じゃないですから!しかも20代後半って何ですか!?まだ俺15です!」
『ええっ!?15歳!?』
何で一二三四五まで驚く?さっき同じ高校の陸上部だって紹介しただろ?
「てっきり留年して高三で今19歳くらいかと……」
「四!それはひどい!」
「いや、初めて会った時は大学生か社会人かと思ってたよ。もしかして一より年上かなあって」
四の言葉に一斉にポンポコさんの家族全員がうなずく。
「みんな俺一体何歳に見えたの!?」
「23」これは一、一さんは22だから、自分より年上に見えてたんですね。
「22」これは二、一さんと同年代に見えてたのか。
「19」これは三、今んとこ一番年下だけど、それでも自分より年上だと思ってたんだね。
「25」これは四、ってか実年齢より10も上に見えるの!?
「……」答えろよ五!目を逸らすな!
「29」ポンポコさんのお父さん、ひどいっす……。
「30以上?」ポンポコさんのお母さん。ついに30代を突破っすか……。五!そこで同意してうなずくな!
……なんかなあ……。
「きっと俺の人生が苦労しっぱなしだからだな。高校入って反省文だけ見ても既に350枚、中学校時代は1000枚はこえたもんなあ……」
「うわ、ヤス兄ってそんなに書いてたの!?ケンちゃんはまだ中学高校合わせても100枚いってないって言ってたよ、私もまだ50枚くらいだよ」
それはサツキとケンが俺に押し付けたから!
「えっ?サツキちゃんも素行の悪い子だったの?それが事実なら……あまり家の娘と友達付き合いして欲しくないね」
うん、その言葉だけ聞いたらそんな印象持つかもね。
「大丈夫だ。私も色々話を聞いたが、この兄妹の反省文は素行が悪いのではなく、ただのドジだからな。サツキの方は兄に巻き込まれて書いただけだ」
逆です、ポンポコさん!ほとんどの場合、俺が巻き込まれてるんです!その内の1つはポンポコさんも書いたでしょ!
……サツキの授業参観は違ったな。俺のせいか。
「じゃあしょうがないねえ。出来の悪い兄を持つと苦労するね、サツキちゃん」
「大丈夫です。こんな兄ですが結構好きですよ。大事に思ってくれてますし」
サツキ、ありがとう!めちゃくちゃ嬉しいよ!
「……ふむ、この兄の方もそこそこはいいヤツみたいね。まあ、これからもポンポコや一二三四五の兄弟をよろしく頼むよ」
「はい、お母さん!よろしくお願いします!」
「お前ごときが私をお母さんというな!」
ビシッとチョップを食らった……痛い……兄の時と同じあやまちを繰り返してしまったなあ。
まあ、とりあえずポンポコさんの友達として認められたようなのでよかったです。
こんにちは、ルーバランです。
ポンポコさんの両親もポンポコさんの事を「ポンポコ」と呼ぶのは違和感あるかもしれませんが、気にしないでください。
……本名はいつでてくるんだろう?