表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/442

7話:回想〜埋まらなかった溝〜

中学生編の最後です。

とりあえず、回想はここで終了です。

始業式も終わって下校時間になり、ケンと帰ろうと隣のクラスに顔を出す。


「おーい、ケン。帰ろー!」


「ういっす、ちょっと待ってなー!」


よかった、ケンは普通みたいだ。


「なんかお前さ、結構変な事言われているみたい」


「……何それ?」


「なんかさあ……」


ケンの話によるとどうやら出校日のミーティングに行かなかった事が、完全にさぼった事になってしまったらしい。

監督に会いにいくのが気まずくて、ほとぼりが冷めるのを待っていたのが逆によくなかったようだ。

それが原因で監督の先生に完全に嫌われてしまったらしい。

前にも言ったが、もともと俺とケンは中学校の練習とは別にケンの兄貴に野球を教えてもらっていたので、監督からは俺の指導が気にくわんのか! とそこまでいい印象を持たれてなかった。


それでも、部活中は他のメンバーと一緒に普通に練習していたので特に差別する事なく接していた。

それが、試合が終わった後にあった最後のミーティングに無断で出席しない事になり、その後夏休みの間中なにも謝罪を言ってこなかった事で、完全に嫌われてしまったようだ。


野球部の監督である先生は、この学校へ来てから7年目、中学校内でも強面で知られる先生で、教師内でもびびる先生がいると言う教師だ。

ただし、生徒への指導もしっかりしていてほとんどの生徒や先生からの信望は厚い。当然ながら、他の先生や生徒への影響力も大きい。

……まったく、まずい人に嫌われてしまったもんだ。


「……俺、今から謝ってくるよ」


「ああ、そうだな。待っててやるから行ってこいよ」


俺は職員室に急いだ。職員室に入ると3年生の担任達の机が集まっている所に監督の姿もあった。

俺は監督に近づき声をかけた。


「監督、少しよろしいですか?」


「…………何だ?」


監督がめんどくさそうに顔だけをこちらに向ける。


「出校日のミーティング、無断で欠席をしてしまった事について話があるのですが……」


「…………それで?」


「あのとき、自分のクラスの野球部の人からミーティング中止という話を聞きまして、それで……」


「他人のせいにするな! 大体、その時だれもお前からの連絡を受けていなかったぞ! ったく、なんで嘘をつく!?」


「……嘘なんてついてません。ミーティング中止という話、確かに聞いたんです。」


「自分勝手な上に嘘つき、その上強情ときたか……。もういい、別にちゃんとした謝罪を求めてた訳じゃないしな」


「いや、だから!!」


「……この話はもう終わりだ。俺はお前に話す事はない。きちんとした謝罪ができるまで、しっかり反省しろ」


そう言うと、顔もまた机の方を向き、仕事に戻った。この後は、自分がいくら話をしようとしても、こちらに顔を向けてくれる事はなかった。

……結局、信じてもらえなかった……。

俺の話を信じてもらえなかった事で焦っていて、ミーティングに参加しなかった件を謝る事も忘れてしまってた。


勝手にミーティングをさぼった上に、嘘をついてチームメイトをけなし、謝ろうともしなかったという俺の事は、クラス内に広まっていった。

俺に嘘の話をしたやつはいままでと全く変わらない顔をしていた。俺が問いつめても、知らぬ存ぜぬの一点張り。次第に俺を煙たがるようになった。

信望の厚い監督である先生や、ケン以外のチームメイトが俺の話を嘘と決めつけた状態では、俺がいくら言っても、クラスメイト達は信じてくれなかった。むしろ、全然態度を変えようとしない俺に対して、いらだっている印象だった。

まあ、もともと素行が悪い生徒と言われてたしな。誰も信じようとしないのも無理無いか。








それからというもの、さすがに学校全体にまで悪い評判が行き渡る事はなかったが、3年生では大体の人が知っていて、何となく非難の目で見てくるし特にクラス内での居心地は最悪だった。


挨拶をしても、返事が返ってこない。給食の時間は俺一人を無視してみんなでしゃべり続ける。初めは何とか混じろうと声を出していたが、自然とそれもなくなった。

監督もその状態を黙認していた。俺が嘘をついたと認めるまでは、この状態を続けて俺に反省させようというつもりだったようだ。


この空気には耐えられなかったが、自分が間違っているとは思えなかったので俺は謝ろうとはしなかった。

……1日中、教室の隅っこでぼーっと外を見る時間が増えた。


学校内では、ケンとサツキだけが俺の話を信じてくれた。

正直、この2人がいなかったら、まともに中学卒業できたかも怪しい。

クラスでの付き合いとかいろいろあるだろうに、登下校の時間だけでも、一緒にいてくれたこの2人には、全く頭が上がらない。

2人としゃべっているときだけは以前と同じようにしゃべる事ができたが、この中学3年生の時期のせいで、野球部やクラスメイトだけでなく、初対面の人やあまり親しくない人たちとしゃべる時は相手が信用できず、警戒しながらぼそぼそとしゃべるようになってしまった。

表面的には仲良くしてても、いつ手のひらを返すか分からない。

親しくない人にはあまり話しかけられたくなくなっていた。


勉強もあまりやる気にならず、今まで5をとっていた教科も4、3に落ちた。


高校に進学する際、このクラスメイト達、ひいてはこの学校のやつらとは、正直顔を合わせたくなくなっていたので、出来る限り同じ中学のやつが少ない所という事で、この中学校から年に4〜5人しか受けない大山高校を受験した。

ケンも、同じ高校を志望してくれた。いろいろ言い訳していたが、心配だったんだろう。本当にこいつには頭が下がる。

成績がかなり落ちていたので、受かるかどうか微妙だったが、なんとか合格した。試験が終わった後自己採点してみたけれど、本当にボーダーぎりぎりというラインだった。面接その他の印象は最悪のはずだったので、本当にラッキーとしか言いようがない。


結局、俺はクラスメイトや野球部のメンバーとは最後まで埋まらなかった溝をしたまま、中学校を卒業する事になった。


もう、チームプレイとか、クラスでの一致団結とかなんてこりごりだ。

高校に入ったって、適当に部活も行事もやっていこう、そう思った。


こんにちは、ルーバランです。


こういう過去の話を秘密にしといて、最後のほうでこんな過去があったってばらす話がよくありますが、そう言う伏線を張るのは、上手い人じゃないと書けないので、さっさとばらしちゃいました。


その程度の話をわざわざ隠してたのかよってつっこまれると、なんか悲しいですし。今の所今後回想は予定してませんが、変更するかもしれないです。


次回から舞台は高校に戻ります。今後ともよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
うそこメーカー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ