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67話:小説提出

6月19日木曜日、朝に学年主任にオウエンジャーを書いた原稿用紙を渡して、4時間目まで終了し、今は昼休みだ。


「ケン、今度の休みはポンポコさんの家に行くけど、残念ながら定員オーバーでお前は呼べないようだ」


「なんでだよ!?今度の休みってヤスの誕生日だろ?ヤスを最もいじれる日なのに、なんで行けないんだよ!?」


いじれる日ってなんだ、いじれる日って。


「俺とサツキ、父さん母さんに、ポンポコさんの家族が8人らしいから、12人になるんだ。ポンポコさんの家はそんなに広くないらしいから、12人も入ったらギリギリだ。出来る限り人を減らしたいらしいからな。ケンは残念ながら対象外となった」


「くそ、ポンポコさんにヤスのネタを大量に提供してやろうと思ってたのに」


「そんな事考えんな!」


まったく、ポンポコさんの家族にまで変な印象を持たれたら、最悪だからな。


「しょうがないな、ヤスの誕生日の日は兄貴に会いに行くよ。ってか兄貴も自宅から通ってくれりゃいいのになあ。ギリギリ通える距離なんだし。そうすりゃわざわざ会いに行く必要ないのに」


「ケンがいっつもつきまとってるからうっとうしくなったんじゃないのか?」


「そんな訳無いだろ、兄貴も俺の事大事にしてくれてるはずなんだから」


「……まあ、確かにな」


中学で野球やってたときのケンの兄貴のケンへのしごきもすさまじかったからな。

あんなん嫌いなヤツには普通あそこまでしないだろ。

まさに愛の鞭ってヤツだよなあ。




ピンポンパンポーン、ピンポンパンポーン。


ん?珍しいな。誰かの呼び出しでもあんのかな?


「1年3組、ヤス君。1年3組、ヤス君」


お、ウララ先生だ。って俺かよ!?俺、今日なんかしたかなあ……?

ってか、ウララ先生、校内放送でもヤス君って言うのやめてください。


「今からヤス君の反省文を朗読します」














…………は!?今、ウララ先生なんて言った!?


「今回、近藤康明ことヤス君は、無断で学校を抜け出して小学校に侵入して、小学生を口説いたとして、反省文を書きました」


そんなこと、校内放送で言わないでください!

しかも小学生を口説いてなんていません!アオちゃん妹に口説かれましたけど……からかいでしたが。


「それで反省文を今日提出してもらったのですが、これが中々笑えまして」


おお、ウララ先生にはウケたんだ。昨日は酷評ばっかりもらったから、あんまり自信なかったんだけど、それならよかったな。


「私たち教師の批判まで混じってましたしね」


あれ、何かウララ先生怒ってる?

なんかそんな教師批判の文なんて書いたかな?……ああ、俺を社会人扱いして、変質者と決めつけた事を怒ったんだったかな。


「今後もこんな反省文を書いてくれたら、校内放送で読んであげるので、ヤス君どんどん書いてね」


やめて!読まないで!


「お題『円陣戦隊オウエンジャー!〜小学校ヤス君編〜』」


「お題まで読まないで!ストップ!ストップ!」


ここで叫んだってウララ先生に聞こえる訳がない!放送室まで行こうと思ったのだが、ケンとアオちゃんに止められた。


「離せ!ウララ先生を止めないと俺の心に一生の傷が残る!」


「大丈夫ですよ、ヤス君。ヤス君は既に傷物ですから」


やな言い方だな!おい!


ケンとアオちゃん、2人なら何とか引きずってでも行けそうだ!

這いつくばってでも、ウララ先生を止めてやる!


「ヤス!円陣戦隊オウエンジャー?ついでに小学生から変質者扱いされたんだって?」


「何でユッチがここにくるんだ!?俺は今ウララ先生を止めないといけないんだ!」


「せっかくヤスを馬鹿にできるチャンスなんだから、邪魔するに決まってるじゃん」


「くそう、この暇人ども!」


すっごく嬉しそうに駆けつけてきたユッチに押さえつけられ、身動きが取れないまま、円陣選隊オウエンジャーが朗読された。


その後、30分にわたり延々と校内放送された。

クラスの中には思いっきり吹き出してくれた人もいたんだが、そこはウララ先生の朗読の上手さもあったんだろう。


フラッグリーンの下りになった途端、ユッチが怒り出したのは笑えたけど。


……この日から、ヤスという名前は、この学校で校長先生以上に有名になってしまった。

この学校にヤスという名前を知らないものはいないというほどだ。

……ウララ先生、勘弁してください。












「ヤス君、何で私はモデルになってないんですか?」


「え?えと……」


アオちゃんは確かにちょっとボケてて、王道好きという特殊な趣味を持ってるんだけど、基本的にはしっかりしてるから、今回のキャラにあわなかっただけなんだが。


「ユッチだけモデルにしといて、私をモデルにしないなんてひどいです。ヤス君と私はその程度の関係だったんですね」


「い、いやそんな事ないって!アオちゃんにも実はキャラがあったんだけど、今回の話って50ページって言う短編じゃん?だから今回は仕方なく減らしたんだよ」


嘘も方便だ!


「じゃあ、私はどんなキャラだったんですか?」


「え?えーと……」


やばい、考えてないっすよ。


「ほら、やっぱりないんじゃないですか」


「いや、あるって!え、えと……今回は登場してないけど、世の中のブルーな人を探し出す!しっかり者のお姉さんに見えるけど、どっかぬけてて面倒事を引き起こす!王道好きだよトラ『ブルー』!」


「……ヤス君、王道ではブルーは男がなるものですよ。」


そこまで知らないっす!アオちゃん、字は違うけど、あおいって名前なんだからブルーでいいじゃん!


「まあいいです。今度の小説では私も活躍させてくださいね」


「はい……」


あれ?えと……ってかまた小説書かないといけないの?


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カカの天下
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ええじゃないか
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