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65話:ヤス、反省文を書く

アオちゃんの妹の授業参観も終わり、数日後。



今日は6月18日水曜日。

学校も部活も終わって、家で夕飯を食べている。

家にはケンが遊びにきていて、夕飯もサツキとケンと俺の3人でだ。


「サツキ、ケン、月曜夜から書き始めて、今日やっと終わらせたぞ」


「ああ、ヤス兄また反省文書かされてたもんね。高校生になって結局何枚書いたの?」


「ん?えーと、宿泊研修で100枚、サツキの授業参観で150枚、今回ので50枚だから、計300枚だな」


「うわ、まだ2ヶ月チョットしか経ってないのにそんなに書いてるの?ヤス兄、高校入って素行が悪くなったんじゃない?」


何を言う、300枚のうちの半分はサツキの為に書く事になったものだぞ。


「サツキちゃん、中学のときもたくさん書いてたじゃん。ヘッドスライディングした拍子に女子のスカートに頭をつっこんで泣かせたり、上履き吹っ飛ばしたら教頭先生の頭に当たってカツラも一緒に吹っ飛ばしたりして反省文書いてたの覚えてないか?」


「それ、ケンのせいだろ!俺があの子のスカートにツッコム羽目になったのは、突然ケンが『掌底!』とか言って吹っ飛ばしたからじゃん!あの後どんだけ俺白い目で見られ続けたか知ってんのか!?」


「どんまい、ヤス」


「どんまいじゃねえ!大体あの時だってなんで俺だけ被害こうむってんの!?ケンはどこへ消えた!?」


「チーズはどこへ消えたのパロか?微妙だぞ」


「そんな訳無いだろ!?」


そんな事気付くヤツいないって!


「ヤス兄、自分が悪いのにケンちゃんのせいにしちゃ駄目だよ」


何でそうなる!?明らかにケンのせいだろ!?


「そう言えば、教頭先生がカツラだって知らしめたのってヤス兄だったんだね。ケンちゃん、教えてくれないと」


「ああ、てっきり知ってるもんだと思ってた。俺らが中1の頃、『上履きがあるじゃん?あーした天気になーあれっ!って叫んで逆さになったら次の日雨になるんだぞ』って言ったら本気にしてさ」


「ケン、うるさい!」


「その日の朝に、サツキちゃんが『明日、晴れたらデートなんだよね』とか言ったらしいじゃん?」


「えっと……そんな事あったかな?ヤス兄、そういう事言うとすごい面白いリアクションするから、実際のとこほとんど嘘ばっかなんだよね。実は部活の友達の家に行ってるだけみたいな」


ってかサツキ!?そうだったの!?俺のあの浮き沈みって一体なんだったの!?

ホッとしたような損したような微妙な気分だ。


「まあいいや、その言葉聞いてどうしても雨にしたかったらしくって、ほんとに『あーした天気になーあれっ!』って叫んで、思いっきり蹴りあげて5mくらい先にいた教頭先生の頭に上履きがストライク!」


「それでそれで?」


「教頭先生の頭からふさふさだった髪がスコーンと飛んで、おでこの方からがばっとはげちゃってたんだよね。しかも頭にヤスの足跡までついて、笑っちゃいけないと思いつつも、周りにいた人たち、大爆笑しちゃったよ」


「違う!俺が悪いんじゃない!カツラで隠す方が悪いんだ!大体ハゲってかっこいいじゃん!ブルースウィルスだってハゲじゃん!でもダイハードのアクションシーンとかめっちゃかっこいいじゃん!ビバ、ハゲって感じじゃん!」


「そんなに力説せんでも」


「いいや、ケン。堂々としたハゲの人はかっこいいんだ。将来俺はハゲになってもハゲの何が悪いって言い切ってやる!」


「ヤス兄、頑張ってね。……私その頃小6だったからなあ。ヤス兄のその姿見られなくて残念」


そんな姿見なくていい!


「で?結局反省文がどうかしたのか?」


「ああ、そうそう。ケンが話逸らすからじゃんか……今回の反省文は、俺は今までとちょっと趣向を変えてみたんだ」


「ヤス兄、趣向を変えるって何したの?」


「毎回毎回似たような反省文を読むのは先生もつまらんとおもってさ、俺も書いてるのつまんないし。コメディ小説風反省文にしてみた」


「コメディ小説風反省文って何なの?反省文なんてどう頑張っても書き方変わんないよ」


サツキが文句を言ってくるが、気にせず続ける。


「いやいや、要は最後で俺は反省しましたって事を書けばいいんだから、過程はどうでもいいと思わないか?だから俺は途中に少しフィクションを加えたんだ」


「それもう反省文じゃないよねー」


サツキも反省文の経験があるからさっきからブツブツ言ってくる。


「ほら、俺が予言した通りになっただろ。ヤスはいつかコメディ小説を書くって」


「そんな事言ってたか?」


「サツキちゃんの誕生日の時に言ってただろ?それぐらい覚えとけよ」


「んー、そう言えば……それがどっか頭に残ってたのかな?だから今回コメディ小説風反省文にしようかと思ったんかも」


まあ、そんな事はどうでもいいか。


「始まりはこの前のアオちゃんの妹の授業参観だな。主人公、今回は俺だな、が変質者と間違えられて、こってりと怒られてとぼとぼと家に帰るシーンから始まる」


「ヤス兄、小学校でも変質者に間違えられたの!?ヤス兄って一体初めて見る人が見ると何歳に見えるんだろうね?」


「俺の外見の事は今はほっとけ!……で、哀愁漂う背中の主人公の前に颯爽と5人組の集団が現れるんだ。そして主人公を囲んでやさしく話しかける!『君、そんなに元気がなくてどうしたんだい?』」


「うわ、こわっ!それこそ変質者じゃん」


またサツキが言ってくる。


「イチイチつっこんでくるなあ。小説なんだからいいだろ?」


「だってつっこみどころ満載なんだもん、5人組の集団って何?不良軍団?金たかるの?」


「いいから聞いとけって!聞いてれば分かるから!でだな、主人公は今日あった事を延々と語るんだよ。アオちゃんに一緒に小学校に行ってくれって頼まれ、小学校に行って、授業参観を見て、小学生にからかわれて、変質者に間違えられた事」


……何か自分で言ってて悲しくなってきたな。


「ヤス兄って小学生にもいじられたんだねー」


「……で、そんな落ち込んだ主人公に対して、5人組は叫ぶんだ!『俺たちは、君のようなこんな理不尽な世界で落ち込んでいる人たちを、励ます為に活動している!その名も!』」


「その名も?」


「『……円陣戦隊、オウエンジャー!!!』」


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