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64話:授業参観、アオちゃん妹、後編

今は小学校の授業参観に来ている訳だが、中々面白い。


2組目の人達は織田信長について調べ上げ、3組目の人達は斎藤道三、4組目は上杉謙信、5組目は武田勝頼、6組目は毛利元就について発表した。

……確かに面白いんだが、戦国武将ばかりで、戦国時代に偏りすぎてる気がするぞ。


さあ、7組目だ。今までのチームは大きな用紙に何かを色々書き込んで説明していたが、何も持ってないな。

何するんだろ?


「あ、このグループに私の妹がいますよ!あの子です」


うーんと、あ、あの子か。

確かにアオちゃんによく似てる。小6にしては大人っぽいし、小学生の中に入っていると、お姉さんみたいに見える。

そう言えば、忘れ去られてるかもしれないが、アオちゃんの二つ名は「天然」だ、あの子も同じような行動をしないかちょっと楽しみだ。


「我々は、狂言について調べもうした!」


グループの1人がしゃべってる。狂言か。悪いけど全く知らないなあ。

何を発表してくれるんだろう。


「狂言とは、南北朝、室町時代に発達した、滑稽なしぐさやふりを混えた庶民劇のことなり。猿楽の喜劇性のある部分より発達し、庶民の側から大名、山伏、僧侶などを風刺したものが多数ある。狂言面と言う仮面を付けて演じる演目もあるのだ」


ふむふむ。猿楽ってのはなんだ?


「さてさて、この狂言、現代でも演じられておる。現在では和泉流と大蔵流の2流派が現存しているのである。過去には鷺流と呼ばれる流派もあったのだが、明治時代に断絶いたした」


ほほう、確かに歌舞伎とかまだあるらしいから、狂言もまだあっても不思議じゃないな。

で、猿楽ってなんだ?


「今日は授業参観に来た父上、母上殿たちにもこの狂言の魅力に病み付きになられて帰っていただきたく存ずる」


……結局猿楽ってのは分からないままっぽいな。


「我々が演ずる題目は『附子(ぶす)』、ただし我々は素人なりて至らぬ部分も多いかと存ずるので、そこはご容赦いただきたい」


あ、今から伝統芸能を演じるからそんな変なしゃべり方してたのね。


「では、とくとご覧あれ、『エセブス』の始まり始まりー」


自分でエセって言っちゃったなあ。エセって言うのは偽物って事で、小学生が演じるんだから、そう言わざるを得ないのかもな。


主人(以下主)「やいやい!太郎はいないんか!太郎は!」


主人役の男の子!その口調はなんですか!?さっきまでの男子は堅い口調だったのに!


太郎(以下太)「はいはい、なんですかご主人様?」


お、アオちゃんの妹さんだ。太郎役なんだな。


主「ご主人様って響きがいいな……、もう一回言ってくれんか?こう甘えた感じで」


お前、小学生のうちからそんな事言ってんなよ。


太「ご主人さまあん……これでいいですか?」


「……ああ、私も妹にあんな風に言われたいです……」


隣に居るアオちゃんが壊れた!


主「うん、いいぞー。もっと言って欲しいが、話の進行をしないとな。太郎や、次郎も呼んできてくれんか?」


太「はいはい、ただいま呼びますね、ジロー、ジロー、出ておいで!」


次郎登場。次郎役の子も女の子だ。ってかすごい呼び方をしたなあ。ジローはイヌか?


次郎(以下次)「ナーニ?つーか超うざいんですケドー」


うわ、すごいしゃべり方。太郎や主人もひどかったけど、次郎はさらにひどいっす。


太「いえいえ、ご主人様が何かを申し付けするみたいなんですよ。うざいのは事実で現実でもうざいですが、もっと影でこっそり言いましょう」


はっきり言ってますよ!太郎さん!


主「ひどい……今から俺は外出しないと行けないんだ」


次「二度と帰ってくんナー」


主「……ごほん……それでな、この壷を預かっておいて欲しいんだ」


太「その壷の中身は何なんですか?」


主「この中身はな……『ブス』と言って猛毒なんだ……だから絶対覗いちゃいけないし、食べちゃいけないぞ」


太「覗くなと言われたら覗くのが王道です。そこは覗いちゃいましょう!」


あ、アオちゃんの妹さんも王道好きな性格なんだ。


主「ご主人様が居る前で堂々と宣言するな!いいか、絶対にブスを覗いちゃいけないぞ」


次「ブスブスってうるセーヨ、このブス!」


うわ、ひでー。男でもブスって言われたら傷つくんだぞ!しかもあの男の子かなりかっこいいように見えるんだけど。


主「……じゃ……行ってくるよ……」


背中に哀愁が漂ってたな。あれは演技なのか本気なのか……演技だったらすごく上手いな。


太「さてさて、次郎さん。時間もありませんし、さっさと開けちゃいましょう」


次「ハーイ、太郎さん」


次郎さん、性格変わってます。










それからも、「エセブス」は続いた。しゃべり方はめちゃくちゃだったけど、アオちゃんいわくきちんと内容にそって話は展開されたみたい。最後の太郎の主人に怒られそうな時のとんちは秀逸で、なるほどなあと思ってしまった。

俺もついつい本物を見てみたいと思ってしまったな。


最後の組は、現在放映中の「篤姫」について、色々語っていた。

1人めちゃくちゃ詳しく見てる人が居るみたいで、びっくりした。


小学生の時から、大河ドラマって見るもんなんだな。


授業が終わり、小学生は休み時間をそれぞれ過ごしてた。

アオちゃんは、妹さんの所に話しに行ってる。妹さんがすごく嬉しそうだ。

さて、俺も少し話をするかな。


「アオちゃん、来れてよかったね」


「あ、ヤス君、ありがとうございました。おかげで妹の勇姿を見る事が出来ました」


「えっと……お姉ちゃんの彼氏ですか?」


「いえ、全く違います。クラスメイトで、私はヤス君の高校の友達第一号です」


うーん、はっきり言うね。


「お姉ちゃん、そこは友達でも、『実は……』とか言ってじらした方が面白いですよ」


「ああ、そうでしたね。失敗しました」


てへっとか笑うアオちゃん。ってかそんな事を面白がらないでください。


「妹さんも敬語で話すんだね」


「ええ、そうですよ。……変ですか?」


「いや、全然。むしろ似合ってるよ」


「そうですか……それはよかったです。お姉ちゃんに憧れてて、真似すれば近づけないかなって思ってるんですよ」


「うん……いいんじゃないかな?」


俺としてはアオちゃんを目指すのは止めて欲しい気持ちもあるんだけどね。


「あ、ありがとうございます!……あ、そうだ!お姉ちゃんの彼氏じゃないなら、私なんてどうですか?」


「え?え?え?どしてそうなんの?」


「……嫌なんですね……残念です……」


「あ、いや、そうじゃなくて……」


「だって今……嫌って言いました」


「違うって!そんな事思ってないって」


「じゃあ付き合ってくれるんですね!」


「え、え、え、え、えと……その……」


な、なんて答えればいいの?ここは素直にごめんなさいでいいのか?

いや、隣でアオちゃんが見てるし、変な断り方するとすごい怒ってきそうだ。

アオちゃん妹さん大好きっぽそうだし。


「ほら、ふざけるのもいい加減にしましょうね」


「はーい、お姉ちゃん」


「……え?」


「ヤス君、冗談に決まってるじゃないですか。それとも小学生と付き合いたかったんですか?」


「へ?冗談?」


俺って今小学生にからかわれてたの?めちゃくちゃショボくね?

ってか何でみんな俺をからかうかなあ。


「あのさ……」


「そこの2人、制服姿でどうしたの?高校生でしょ?学校はどうしたの?」


「うえっ!?」


またこの展開!?


「今日はお姉ちゃんは私がどうしても来てってお願いして来てもらったんです!悪いのは私なんです!お姉ちゃんを叱らないでください!」


そう言いつつ、妹さんはアオちゃんにがばっと抱きついた。

ナイスだ!このままフォローしてくれ!


「でもね、高校生は学校にいなきゃ……」


「だって私昨日、誰も来ないんだったら、もう学校なんて行かないってわめいたんです!だからお姉ちゃんは悪くありません!」


まるでかばうようにギューってしてるな。サツキもこんな風にかばってくれたらなあ……。

無理か。先週は勝手に俺が行っただけだもんな。


「そ、そう。あなたがそう言うなら……じゃあ、こっちのコスプレ男もあなたが呼んだの?」


コスプレ男って何ですか!?そんなに老けてますか!?


「いえ、私は呼んでません」


うん、確かに君は呼んでないね。アオちゃんに連れてこられた訳ですから。

でも、俺のフォローもして欲しいな。


「じゃああなたは何で来たの?この学校に妹か弟、もしくは親戚でも居たりするの?」


「……いえ……」


「なら、あなたは知り合いが誰もいないのにこの学校に来たって言うの!?」


「……はい……」


「この変質者!!ちょっと職員室まで来なさい!」


「アオちゃん、説明して!」


「…………」


……あれ?アオちゃーん……

……あぅ、妹さんに抱きつかれて至福な表情を浮かべてる。

あれがわざとだったら本気で怒るよ!


「あのお姉さんはあなたの事無視してるじゃない。誰に誘われたって言うの?嘘までつくなんて……」


「つ、つ、ついてない!」


「はいはい、言い訳は職員室で聞きますから、こっち来なさいね」


あーうー、結局またこの展開かよ!


その後、復活したアオちゃんの弁明を受け、多少の恩赦はあったものの、やっぱり高校からはかなりのお叱りを受けた。

今回はケンの口添えもちゃんとしてたみたいで、反省文はたった50枚ですんだ。

50枚でたったって言うようになってしまった自分って一体なんなんだろうね。

ちなみにアオちゃんは妹さんが全力でかばったみたいで、0枚だった。ええ、ほんとに何なんだろうね……。

コメディ小説50枚書いてみるかなあ。


こんにちは、ルーバランです。


すみません。書くだけ書いて、投稿するのを忘れてました。


ブログの方も、昨日投稿すると言いつつ、ネットの設定を色々してましたら、寝てしまいましてブログへ投稿できたのつい先ほどです。


携帯の方のブログリンクも作ってなかったの今日気付きました。ごめんなさい。


忘れないよう気をつけます。


それでは今後ともよろしくお願いします。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
うそこメーカー
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