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57話:サツキ誕生日会、その後、徹夜明けで

ケンとポンポコさんと学校へ向かってるのだが、ハッピを着て顔に落書きされてる俺は、先ほどから通行人にすごいちらちらと見られてる。

中には凝視してくる人もいて、とても居心地が悪い。


ポンポコさんと分かれ、1年3組の教室に入ったら、教室にいた生徒がみんなしてこっちを見てきた。……俺をそんなに見ないでくれ……。


俺は席に着いたら、誰にも顔が見られないように、話しかけられないように顔を伏せて寝た。

元々徹夜明けで眠かったし、ゆっくり寝られるだろう。


その後も、授業開始と授業終了の号令の時だけ顔を上げて、全部寝た。今日は体育が無くてほんとよかったよ。

いやあ、徹夜明けってほんとぐっすりだね。

ってか、先生達もよく何も言わなかったなあ。生徒指導室覚悟してたのに。












そんな風に授業は過ぎていき、放課後、部活だ。

この時ばかりは顔を隠すわけにも行かず、普通に集合した。


陸上部員全員の視線が痛い……。

ケンはまだ来てないので、この場で事情を知ってるのはポンポコさんただ1人だけだ。


ポンポコさん、何か弁明してやってくれ。


「ヤス、その面白い顔どうしたの?新たな趣味に目覚めた?プッ……似合ってるよ!」


そんなわけないだろユッチ!笑うな!


「これはポンポコさんにやられたんだよ!俺がそんな趣味に走るわけないだろ!」


「へ?ポンポコ?またポンポコとなんかしたの?」


きょとんとした顔をユッチがした。ユッチのそんな顔もなかなか面白いな。

そんな事を考えてたら、ポンポコが答えた。


「ああ、私が昨日ヤスの家に泊まったからな」


「ほんとだよ!ちゃんと事前に言っとけよ!いきなり泊めろ言われても困るぞ!」


「ああ、言ってなかったか?すまない事をした」


「え?え?ポンポコがヤスの家に泊まった?」


何を混乱している?ユッチ。


「……まあ、いいけどさ……。しかし、やっぱり徹夜はつらかったな。今日は1日中寝てたぞ」


「ああ、私もだ。昨日の夜はすごかったからな」


確かにな、あのゲームはほんとに燃えたからな。


「ね、ねえ。ヤスとポンポコは昨日の夜何してたの?」


ユッチが聞いてくるが、俺とポンポコは顔を見合わせてうなりながら答えた。


「あれは一言では語り尽くせないよな……」


「ああ、私も今までに何回もした事があるが……とても燃える物だという事だけ言っておこうか、1回やったら病み付きになるな」


「も、燃える物……?」


ユッチがどもってる。


「やっぱり夜明けまでプレイし続けるというのはきつい物があったな……」


「ヤスがずっとやりたがったんじゃないか。私は最後は眠いからやめようと言ったのに、あと1回、あと1回って何度も言いおって」


「そ、そんなに何回もしたの?」


「え?えーっと、全部で4回したかな、ポンポコさんもすっごい乗り気で、どんどん攻めてきてさ。2回目なんか俺、すぐに吹っ飛びそうになったじゃん」


危うく開始10分で破産になる所だった。ポンポコさんはモノポリーがほんと強い。


「だが、ちゃんと耐えたじゃないか」


「あんな簡単に負けるわけにはいかないからね。ポンポコさんもそれじゃつまらんでしょ」


「確かにな……それにしても、ヤスは口が下手だったな。もう少し上手じゃないと駄目だぞ」


「いや、俺が下手なんじゃなくて、ポンポコさんがうますぎなんだよ!俺あれで何度やられそうになった事か……」


最初のゲームでは、気付いたら2倍の価値がある土地を普通にポンポコさんと交換させられたりしたしなあ。

あの弁論の上手さはどうやって身につけたんだろ?


「ぽ、ポンポコって口が上手いんだ……」


「うむ、経験者は違う物だ。初めてのヤスでは仕方ないぞ」


「え、えと、ヤスは昨日が初めてだったんだ……」


「ああ、そだな。やっぱりめっちゃ下手くそでさ。基本的にはポンポコさんが攻めてばっかだったな」


「いやいや、だんだんとヤスも上手になっていっていたではないか、私もやり返すのが楽しかったぞ」


「そうか?そういわれると嬉しいけど……そんな事言って最後までほとんど主導権握らせてくれなかったくせに」


「ふむ、そうだったか?気付かなかったな……」


気付けよ!ずっと1位か2位を独占してたじゃん!

ほんとポンポコさんの交渉術は見事だった。誰もあれには太刀打ちできん。外交官とか意外とやっていけるんじゃないか?


「くくっ……駄目だ。その顔を見ていると笑いが止まらん」


「ポンポコさんが描いたんじゃんか。その上語尾に『にゃあ』をつけろとかネコミミつけろとか、何考えてんだかなあ」


「ふむ、それはそれで見てみたかったのだがな。仕方が無い、次回する時に期待しようか」


「この顔の落書きはもう絶対やらないから!と言うかそういうのはするのはやめて!」


「そ、そんな変なプレイをしたの?」


「いや、変なプレイっていうか……やられたら顔に落書きするって話で、それで猫顔にされただけだ。ポンポコさんはもっと色々したかったみたいだけど」


「当然だ。落書きだけでは物足りないぞ、もっと色々してみたくなる」


「ごめん、次回は勘弁して……」


「残念だが……了解した。次回は普通にしようか」


「その方がいいって!そういうのがあると、そっちに意識がいって、プレイに集中できなくなるかもしれんじゃん」


「うむ、それは一理あるな」


「今後はそういう事は無しですること」


罰ゲームなんてもうこりごりだからな。

それをゲームに組み込むと、何故か俺、異様に弱くなるし。


「……うーん……それにしてもホテルは難しいな」


「ヤスが先を見据えてないからだ。もっとお金を貯める事も考えないと、やっていけないぞ」


「ポンポコさん、まさにその通りです」


「そんな事言っていては、お金が足りなくてホテルなんぞまだまだ先だな」


「確かに……結局昨日はお金が足りなくてホテルは無理だったもんな……ああ、ホテル……まあ、まずは家だよな!」


ホテル建てるより、家建てるのが先だからな。昨日は家すらあんまり建てらんなかった。


「うむ、頑張るがいい。またやりたいな……そうだ、毎回毎回ヤスの家でやるというのは悪いし、今度、私の誕生日の時に家に来ないか?」


「えと、6月21日だったよね?」


「うむ、確か土曜日だったはずだ。そして6月22日はヤスの誕生日だったな。土日だし、2日連続で思う存分色々出来るぞ」


「おお、その案いいな!絶対しよう!うわ、今から楽しみだ」


「うむ、私も楽しみにしているぞ……また私のテクニックを見せてやるからな」


「ふっ、俺もそれまでに鍛えておくさ……」


うむ、楽しみだ。


ついでに色々連絡する為に携帯のアドレスを交換する約束しておいて、練習に向かった。
















なんか、今日の部活の雰囲気は微妙だったな。

みんな俺から離れてたし……、やっぱりこの顔が微妙なんだろうな……。

まあ、1人で走れるんだからいいけどね!


今日は自分のペースで8周、8キロメートルを走った。

前回、途中でばててしまったから、今日はそれより遅めに走ったが、遅くしすぎたみたいで練習後かなり息が切れたけど、まだ余力がありそうだった。徹夜明けだったのは多少響いたな。スポーツする上で、やっぱ徹夜はよくないね。










練習後、ユッチがおずおずとやってきた。なんかこう言うおどおどしてるのは似合わないな。


「どした、ユッチ?」


「あ、あのさ……昨日、ポンポコと……したの?」


「ん?気になるの?」


「いや……えっとね……あんな大声でしゃべるのは……やめて欲しいっていうか……」


「何言ってるかよく分からんが、ユッチもやりたくなった?今度ユッチも家来てやる?」


「は!?ボクと!?ヤスは馬鹿なの?絶対嫌だから!!」


「む、大勢でプレイした方が楽しいのに……残念だな」


「お、大勢でプレイって……昨日はポンポコとヤスの2人だったんじゃないの?」


「いや、後ケンと妹のサツキと4人でプレイだったぞ」


「よ、4人プレイ?妹?ケンも?」


「ああ、最低2人から出来るけど、やっぱり4人は欲しいよな?7〜8人でやるのが一番燃えそうだよな!」


「は、8人?」


「本当は父さんと母さんにも混じってもらおうと思ったんだけど、ちょっと駄目だったんだよね」


「母、父!?」


「あれはまじはまるけど、毎日やってたら身が持たないし……悩みどころだねえ」


「…………」


「ん?どしたのユッチ?」


「このド変態!!!妹にまで手を出すなあ!!むしろ複数プレイってなんだあ!」


「な、何の事だよ?お前またお得意の勘違いをしてないか!?」


「しかも両親まで誘うって何考えてるんだあ!?この節操なし!」


「訳分からん!話を聞け!」


「うるさいうるさい!どっか行っちまえーー!!!」


あ、また走って逃げてった。


…………結局なんだったんだろ?

















その後、ケンとポンポコさんが色々言ってくれたみたいで、何とか誤解は解けたみたい。

んー、あの会話って聞いてるとそんな風に脳内変換されるんだ。

めちゃめちゃ恥ずかしいではないですか!


これから、ちゃんとモノポリーって最初に言っとこ。


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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
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ええじゃないか
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