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56話:サツキ誕生日会、バトル決着

モノポリーバトルの続きだ!絶対に負けん!


ターン4:サツキ


「やった!1周したよ!」


「ふむ、これで200ドルもらえるわけだ。回るのが速いな」


「へっへー、ポンポコ先輩にも負けませんからね!」




ターン6:俺


「なあ、ケン。俺のこの土地と、お前のその鉄道、交換しねえ?」


「なんでだよ!?その交換条件じゃ俺が不利だろ?」


「そんな事はない!この土地をお前が手に入れたら、ここの領土はお前が独占だ!そうすれば、家も建てられるようになるから、今まで以上に他のプレイヤーから搾取できるようになる!」


「ふん、俺の手持ちのお金の少なさを見てそんなことを言うのか?家を建てるにはお金がかかる!そのお金は誰が出してくれるって言うんだ?」


「くっ……俺が少し出そう……70ドルでどうだ?」


「少ないな……せめて200ドルは必要だ」


「俺の手持ちは200しかないんだ!そんな事をしたら破産だ!」


いままで土地を買いまくったツケが回ってきたか?


「仕方ないな。150までなら妥協してやる。これ以上はびた一文負けねえぞ!」


「しょうがない……150出そう。これで交渉成立だな!」


「ああ、お互い頑張ろう!」


俺とケンはお互いにエールを送って、無事交渉を終えた。


「ヤス、お前は交渉が下手だな。私ならむしろ相手にお金を出させる事が出来たぞ」


うそっ!?ポンポコさん、あの状況からケンにお金を出させれるの?


「私のこれからを見てるがいい。ヤス」


嘘かほんとか確かめてやるからな!




ターン7:ポンポコさん


「ふむ、ここに止まったらカードを引かないとな。……よし、新しい鉄道をゲットしたぞ」


ポンポコさん、途中からいい追い上げを見せているな、侮れない。


「ヤス、お前、今私が手に入れた鉄道、欲しくないか?」


「欲しい!是非くれ!」


それを手に入れれば、鉄道制覇だ!


「なら、ヤスのその土地とその土地で交換だ。どうだ?」


「……それは、あまりにも俺の条件が悪すぎる。その二つの土地は高級な土地だ。色が違うとはいえ、あげる事は出来ん」


「そうか……やはりヤスはモノポリーの事をよく知らないらしいな」


「うんちくを聞いた所で、俺は交換する気はないぞ」


「鉄道を制覇する物は、モノポリーを制覇するとまで言われてるほど、鉄道の需要は大きいのだぞ。土地は色毎に2つか3つしかマスがないが、鉄道は4つある。つまり、自然と鉄道に止まる事が多いという事になるな。とくに独占できる場合は、800ドル出しても買えと言われているのだぞ?」


ほ、ほんとなのか?


「まあ、2つも土地を渡したくないという気持ちはよく分かる。だから、どうだ?こちらの土地と、400ドルで手を打とうではないか。今、ぎりぎり400ドルくらいあるだろう?」


「……ああ、ギリギリあるな」


「どうだ?私とそれで交渉しないか?」


「……わかった。それで手を打とう」


「うむ、さすがはヤスだ。お互いいい買い物をしたな」


お互いに堅く握手を交わした。


「サツキちゃん、ヤスのヤツしっかりお金を出させられてるね」


「ケンちゃん、ヤス兄気付いてないんだから、言っちゃ駄目だよ」


サツキとケンがこそこそ言っているが、勝つのは俺だ!





お、父さん、母さんが帰ってきた。

もう23時だもんな。そろそろ帰ってくるか。


「お帰りー母さん、父さん」


こちらに向かって手を振って、サツキに誕生日おめでとうと言ってる。

うん、5月27日までに言えてよかったな。



……




…………




……………………





結局、第一戦の結果は1位ポンポコさん、ダントツ1位。強いと豪語しただけあって、全く歯が立たなかった。

2位、サツキ。終盤ポンポコさんに対してかなり粘ってたが、結局土地の数が圧倒的に違って、負けてしまった。

3位、ケン。特に可もなく不可もなく。だんだんとポンポコさんに追いつめられ、消えていった。

4位、俺。鉄道を全部揃えたまではいいんだが、さいころ運に見放され、誰も鉄道に止まってくれなかった。


……負けた。惨敗だ。だが、このゲームは……燃える!


「もう一回だ!次は負けん!」


「ふっ、何度でも迎え撃ってやろうではないか!私に勝てると思うなよ」


ポンポコさんもすごいやる気だ。


「俺もやりたいけど、罰ゲームはどうする?ヤスに決まりでいいか?」


ケン!まだ闘いは終わってない!


「ちょっと待て!ここは総合評価で行こう!あと何回かやって、最下位が一番多かった人がやるってことでどう?」


「私はいいよ、このままヤス兄が罰ゲームって言うのも面白くないし。どうせなら完膚なきまでにヤス兄をやっつけちゃおう!」


「私も構わない」


ありがとう、サツキ、ポンポコさん。


「あ、お母さんもお父さんもやらない?このゲーム8人まで出来るんだって」


そうサツキが誘ったが、父さんも母さんも明日仕事があるから無理らしい。

まあ、仕方ないか。


その後も一進一退の闘いが続いた。


朝の6時まで結局やり続けた。

ってか徹夜したんだよな。今日の授業とか絶対寝そうだ。

結局、結果はこのようになった。


サツキ   :1位1回、2位1回、3位0回、4位2回

ケン    :1位0回、2位1回、3位3回、4位0回

俺     :1位1回、2位0回、3位1回、4位2回

ポンポコさん:1位2回、2位2回、3位0回、4位0回


やっぱりポンポコさんは強かった。さいころ運が悪くても、どうにか立て直して最下位にならないように逃げた。

俺とサツキはお金が足りる限りぎりぎりまで土地を購入してたりしたので、さいころ運がいい時は優勝できたが、最下位を2回してしまった。

ケンは、上手に立ち回ってたなあ。


「さて、この結果優勝はポンポコさん、最下位はサツキちゃんとヤスという事になったわけですが、罰ゲームはどうしようか?」


……そうだったな、罰ゲームの事なんてすっかり忘れてたよ。


「ハッピは1着しかないから、ヤス兄着てってね」


「まあ、サツキにそんなん着せられないしな。仕方ないからそうするよ」


「では、ポンポコさん!この兄妹の顔に好きなように落書きをしてください!」


ケンめ、自分が罰ゲーム受けなかったからってすっごい楽しそうだな。


「うむ、わかった」


きゅっきゅっと俺とサツキの顔に落書きが加わる。

俺は目をつぶっていて見えないから、どうなっているか分からないな。


「よし、こんなものでいいか」


どうやら終わったみたいだ。

俺はそうっと目を開ける。


「ん?別にサツキの顔に、落書きされてなくないか?」


「ああ、さすがに女の子にそんな大きな落書きをさせるのは可哀想だと思ったのでな。ほくろを1つ増やすだけにとどめておいた」


ああ、確かに1つほくろが増えてる。でも言われなきゃ気付かないぞ。


「俺の方はどうなってるんだ?自分じゃ分からないんだが」


『…………』


「おい!ポンポコさんは一体何をしたんだ!ほんとに今日学校行っていいんだろうな!?」


「大丈夫だヤス。お前なら『またヤスがなんかやってるよ』くらいにしか思われないって。今日はちゃんと鏡見ないで登校しろよ……ぷっ」


「うわ!ケンのヤツ、吹き出しやがった。……鏡見てくる!」


俺はとたとたと洗面所まで行く事にした。


「ふんぎゃああああ!!なんだこれは!?」


両側にヒゲが描かれ、濃いめのアイラインが入り、鼻を黒く塗られ、鼻の下に点々が……。

ええ、猫です。猫がここにいます。


「ポンポコさん!なんなのさこれ!?」


「ああ、確かヤスの二つ名は『猫娘』だったからな。やはり猫にちなんだ物がいいかと思ってな」


「二つ名って懐かしいな!そんなんもう俺は忘れたよ!」


うう、この顔で学校に行きたくない……。


「なあ、これまじで洗っちゃ駄目?」


『駄目』


声を揃えるな!


「……仕方ない……罰ゲームだし、今日はこれで学校行くよ……俺は朝飯作っとくから、みんな順番にシャワー浴びとけよ……まじ最悪だ……」


「ヤス、今日は語尾に『にゃあ』をつけてしゃべってくんない?」


「誰がやるか!」


「じゃあさ、このネコミミつけてくんない?いや、絶対似合うから!」


「絶対嫌だ!ってか何でケンはそんなんを持ってる!」


「ヤスいじり必需品」


「そんなんいらねーよ!」


その後、シャワー浴びて全員で朝食食べて、学校へ向かった。

サツキとわかれた時の笑いをこらえた顔が気になるが、もう気にしない!


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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
うそこメーカー
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