45話:インターハイ地区予選、2日目以降
2日目、3日目は、あまり振るわなかった。
特にゴーヤ先輩は女子のエースだったようで、200m、4×100mリレー、4×400mリレーと出場する予定だったのに、怪我のせいで出場できなくなったので、急遽補欠が選出される事になった。
けど、ゴーヤ先輩ほどの記録は出せるはずも無く、4×100mリレー、4×400mリレーも予選敗退と言う結果に終わった。
2日目以降で唯一、女子で県大会に出場できたのは、400mハードルの選手だけだ。
その人は、100mハードルの人とは別の人で、高校からハードルを始めたそうだが、結構練習してたみたいで、ハードルを跳ぶ時にそんなにスピードが落ちると言う事は無かった。
ただ、400mハードルって言うのは、ハードル技術をしっかり身に付け、そこそこのスピードが出せるなら、県大会に行く事は他の種目より簡単そうな印象を受けたな。
なぜなら、女子400mハードルは他の種目に比べ出場選手が少なく、今年は15人しか出場がいない。上位12位までが出場できるのだから、県大会に行けないのは3人だけだ。去年は21人の参加があったらしいが、他の競技より競技人口が少ないのは間違いなさそうだ。
ちなみに行けなかったうちの1人は大山高校、うちの高校の先輩で、100mハードルで県大会に出場してる先輩だ。隣のレーンに入ってしまって失格になった。
実質タイムで行けなかった人は2人だけって事だな。
上位に行けば、ハードル技術もスピードもすごいレベルが要求されるだろうが、県大会出場目標ならば、400mハードルって結構狙い目かもしれない……ごほん、400mハードルを真面目にやってる人に失礼な発言だったな。
男子も同様だ。
男子も、短距離で出場できたのは400mハードルのみ、この選手は110mハードルで出場した先輩だ。この先輩は110mハードルでは9位だったが400mハードルでは57秒54を記録し、6位に入賞する事が出来た。大山高校唯一の入賞者だ。
4×100mリレー、4×400mリレーは絶対的なエースが大山高校にはおらず予選敗退。200mでかろうじて準決勝に進出した先輩がいたが、準決勝で敗退した。
長距離は県大会に出場できた選手はいなかった。
特に長距離、5000mなんてひどかった。勝負にもなりゃしない。
実際に全選手のタイムをプログラムに記録しておいた。
本当はマネージャーのポンポコさんの仕事なんだが、あまりにも大変そうだったので代わったのだ。
見直してみるか、別にとばしても構わないけど。
順位 タイム 学年 高校
1 15:02.55 3 杉崎
2 15:08.43 2 勝島学園
3 15:20.02 2 富士見北
4 15:30.49 2 勝島学園
5 15:34.41 3 富士見北
6 15:34.53 2
7 15:34.58 3 杉崎
8 15:38.90 3 勝島学園
9 15:39.71 3
10 15:40.74 3
11 15:42.16 1 富士見北
12 15:44.00 2
ここまで県大会出場
13 15:45.33 3
14 15:56.20 2
15 16:01.35 1 杉崎
16 16:09.23 3
17 16:13.66 3
18 16:16.27 3
19 16:19.98 3
20 16:21.73 2
21 16:21.74 3
22 16:26.75 3
23 16:27.37 3
24 16:29.71 2
25 16:30.04 2
26 16:32.12 3
27 16:33.82 2
28 16:34.01 2
29 16:37.43 2
30 16:45.85 3
31 16:47.52 3
32 16:51.54 3
33 16:52.25 3
34 16:57.27 2
35 16:59.33 3
36 17:09.69 3 大山
37 17:12.21 3
38 17:14.81 1
39 17:15.43 3
40 17:16.45 3
41 17:24.66 2
42 17:25.33 3
43 17:25.61 2
44 17:27.20 2
45 17:29.01 3
46 17:30.75 3
47 17:35.16 3
48 17:35.55 2
49 17:38.37 2
50 17:38.73 3
51 17:39.44 3
52 17:39.45 3
53 17:40.37 3
54 17:40.90 2
55 17:51.43 2
56 17:52.22 3
57 17:54.23 2
58 18:00.54 3
59 18:03.25 2
60 18:07.63 2
61 18:09.71 1
62 18:22.19 3 大山
63 18:38.11 3
64 18:38.33 3
65 18:45.54 2
66 18:52.62 3
67 18:59.33 2 大山
68 19:04.21 3
69 19:28.60 2
これ書くのは疲れたな………。
プログラムに記録を書くのってこんなにめんどいのか。
「ん?全部のタイム書いたのか?書くのは自分の学校のと、入賞者だけで良かったのだが」
ポンポコさん、それ先に言って!
…………とりあえず、大山高校がめちゃくちゃ弱いのだけは分かった。
1番速かった先輩でも36位、1番遅い先輩は下から数えて3番目だ。
逆に、強い選手と言うのは、1つの高校にかたまるようだ。
見てみると、杉崎、富士見北、勝島学園の3校だけで県大会出場者12人のうちの8人が出場している。去年もこの3校で12人のうち7人が出場したそうだ。
びっくりなのが、富士見北と杉崎の高校には1年生が出場していて、2人とも上位に入っていると言う事だ。
俺と同じ1年なのに、この実力差はなんなんだろう……?
全種目が終了した。結局、大山高校にて県大会に出場できたのは、男子は110mハードルと400mハードルで両方とも1人の先輩が走る。女子は100mハードルと400mハードルの2種目。計4種目3人の出場だ。
出場する種目が全部ハードルなのは何でなんだろうね。
ウララ先生ってハードル詳しくないのに、出場種目はハードルのみって…………。
とりあえず、全員が集まっている。
ウララ先生の言葉待ちだ。
「みんな、3日間お疲れさまです。県大会に出場できた3人は、今度は県大会に向けて頑張っていきましょう!自己ベストを更新できた人、おめでとう」
うん、県大会へ向けて頑張れ、先輩たち。
「……3年生のほとんどは、今日で引退になりますね。3年間お疲れさまでした」
ハードルで出場した選手は男子は2年で、女子は2年と3年だから、まだまだ現役になるのは女子の3年生1人だけか。
「明日の部活は、反省会をかねて、3年生の引退会見も一緒に行います」
別に会見はしないでしょ!?どこに向かって発表するのさ!
「私は、去年からのおつきあいなので、実質1年とちょっとしか付き合いがありませんが、色々ありました……ええ、ほんといろいろ」
何があったんだろ!?そんな遠い目をしてると気になるよ!
「私が顧問になった途端に、集団食中毒が起きたり、去年の大会は全部雨だったり、合宿に行ったら霧が激しくて全員で迷子になった事もありましたね…………」
そんな事があったんですか!?
悲惨すぎる!ウララ先生疫病神でもついてたんですか!?
「今となっては思い出したくもありません」
そこは思い出したくなくても、いい思い出ですって言おうよ!!
「3年生のみなさん、お疲れさま、今後は受験一色になるね、死ぬまで勉強しよう」
死んじゃ意味ないから!えぐいよその言い方!3年の先輩が一斉に嫌な顔をしたし。そりゃ大学受験の為の勉強なんてしたくないもんなあ。
「これからは2年生が主役ね!1年生は脇役だ!」
そこは全員が主役って言う場面じゃない!?
「真面目な話はここまでにして、5月か6月に『ウララちゃん主催3年生のみんなお疲れさま後は俺たち私たちに任しとけじゃあなバイバイキン会』、略して『追い出しコンパ』を行います」
自分でウララちゃんっていうな!途中から真面目じゃなかったよ!
長いよ!長いよその長さ!しかもどこも略してないから!追い出しコンパの1文字も入って無いじゃん!
……何全部につっこんでんだろね、俺。
「明日も学校あるし、しっかり休んでね。今日はここまで、またね」
『ありがとうございました!』
と言う訳で、これにてインターハイ地区予選が終了だ。
能力の差を激しく感じた大会だったな。
明日から、また頑張りますか。