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434話:反省会

 5月11日月曜日。今日は天気予報によると、1日雨の日だ。

 インターハイ地区予選の3日間の疲れをいやすために、今日は反省会だけ、完全休養日。

 と言ってもほとんどのメンバーは自主練習していく模様で、反省会に来ている人たちは全員ジャージに着替えている。


「それでは長距離メンバーの反省会ー」


「どんどんぱふぱふー」


「司会進行は俺ことヤスと、アシスタントのアヤでお送りします」


「よろしくー」


「……ヤス、アヤ、その意味不明なノリはなんなのだ?」


「楽しそうな雰囲気の方がいいじゃん」


「意味不明であまり楽しくなさそうではないのだが」


 ごめんなさい……なんか湿っぽい雰囲気になりそうだったので、司会くらいは明るくやっていこうと思いまして。

 1年生の長距離部員である、カケル、ナベ、シイコ、エリ、アヤの5人と俺とポンポコさんの計7人で、空いていた教室を使って反省会をしている。

 短距離反省会は隣の教室で。反省会と言っても、時折笑い声が聞こえてくるくらい、向こうは明るい雰囲気でやっているみたいだ。

 反省会を行うとは言っても、長距離選手で1年生はまだ出場していないし、2年生で出場したのは俺だけだし、3年生は昨日で引退して、今日からもう来てないしで、反省をするのは俺だけなのだけど。


「ヤス先輩、先輩しか反省する人いないんすから、さっさとやってほしいっす」


 エリ、ちょっとくらい敬ってほしいなあとか思ったりするぞ。そんな事を思っていたら、ポンポコさんが注意をしてくれた。


「エリ、先輩の走りを見て学ぶということも大事だ。エリはヤスの走りを見てどう思った?」


「走りが不恰好だったっす」


 ……最初の一言目がそれですか。ひでえなおい。


「フォームの矯正は私もあきらめた。筋力をしっかりつけて、背筋せすじをしっかり伸ばして走ってさえいれば、多少フォームが悪かろうとも走れるからな。ヤスもそこだけはしっかりしてたように見えなかったか?」


「むー……腕の振りがめちゃくちゃすぎて、それ以外のところに目がいかなかったっす」


 俺の腕の振り、そんなにめちゃくちゃだったのか?


「……エリもヤスのフォームが気になったということなら、背筋はいきん、腹筋をしっかりつけて背筋を伸ばして走ることを心がけること」


「了解っす」


 ポンポコさん、少しくらい否定してくれよ。……腕の振り、気を付けよう。


「それ以外の人、何かあるか?」


「最後の最後で抜かれて無様だったわね。後ろの選手たちのが賢かった」


 ……シイコも、もう少し言葉を選んでだな。


「そうだな。後ろの選手はヤスをペースメーカーにすることで、きっとラストスパートする体力を残せたのだと思う。本来はヤスと私で試合展開を打ち合わせたときは、ヤスも誰かの後ろに付いて体力を温存するよう取り決めしていたはずなのだが」


 なんか、ギロリとポンポコさんに睨まれた……しょうがないじゃんか。誰も先頭に出たがってくれないんだから。


「色々と考えすぎる必要はないが、試合展開も多少は考えたほうがいい、という実例だな。シイコも来年、勝てるようになるよう、そのあたりを考えていこう」


「はい!」


 ポンポコさんにはそんなにいい返事で、俺に対しては『無様だったわね』なんだよなあ……シイコ、俺に対してだけ冷たすぎるよ。


「それ以外で、何かある人?」


「1500mでも5000mでも、ヤス先輩、やっぱり少しスピード不足だと思います。必ず最後の競り合いで負けてますし」


 ……うっ、カケルめ、痛いところを。


「そこはしょうがない。体力つける練習しかしてきてないからな。ようやく体力もついてきたので、今後も体力をつける練習を中心にやっていくが、スピード練習も取り入れ、来年こそは負けないようしていく」


「なるほどー。よくわかりました。俺も来年、頑張ります!」


 というか、反省会って別に悪いところを列挙するだけじゃなくて、いいところも列挙していいと思うんだ。

 俺のいいところもだれか言ってほしいなとちょっと思うんだよ。


「試合とは全く関係ないんですが、俺も1個気になったんですけど。指導をポンポコさんがしてくれるのはありがたいんですが、顧問はいないんですか?」


 そう言えば、昔々そんな話したなあ。確か俺がお願いに行って、すべて断られた。

 その後も何とかしようと思いながら、いつの間にかうやむやになっちゃってたな。


「顧問……ほしいなあ」


 やっぱり練習内容も大人がいないといろいろ制約が生じたりする。大人がいないと朝練は禁止、とか練習時間も確保できなかったりする。


「ヤスの担任、確か暇人だろう? 顧問になってもらえばいいではないか」


 暇人かどうかは知らないけど、どこの部活の顧問にもなってはいなかったような気がする。

 うん、ちょっと今度声をかけてみようか。


「さて、反省会もこの程度でいいか」


 え!? ポンポコさん、俺まだ全く反省してないよ! 唯一の出場選手が反省しないってどうなのさ!?

 1年生たちも、「おお」とか「はい!」とか返事して、完全に反省会終了モードに入っている。

 ちょっと……お前らのそのノリはなんなんだよ。まあ、いいけどさ。


「今日は雨が降っているから筋トレくらいしかできないが、やっていくものは?」


『はい!』


 1年生が元気よく返事した。今年の1年生はやる気あっていいなあ……2年生は俺1人……さびしいねえ。

 ぐちぐち文句言ってもしょうがないし、筋トレ頑張るか。

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カカの天下
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