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409話:新しいクラス

今日は4月21日火曜日。


昨日はあのままサツキと他の席に逃げて、それからユッチたちには近づかないようにしてた。

しかし……ユッチは同じクラスだし、そもそも部活が一緒なんだから、学校に行けば否応なしにユッチには会う羽目になる……嫌やなあ。


まあ、そうは言っても朝はやってくる。そして学校には行かなきゃいけなくなる。

……教室に入ると、クラスメイトが4、5人各々の席について本を読んでいたり、その辺でだべっていたり、さまざま。そんな中で1人、ぽつねんと自分の席に座って何をするでもなく外の空を見ているユッチ。

ううう、ものすっごい話しかけにくいけど、席が隣なんだよなあ……近藤と河辺……まあ隣になってもおかしくないよなあ……あんまり気が進まないけど、声かけてみないといけないよなあ。



「おはよーユッチ」


「……おはよお」


な、なんかすごく不機嫌そうな声を出されました。


「なあユッチ、俺ユッチに何かした? 昨日から何でそんな怒ってるんすか?」


「別にい、自分の胸に聞いてみればあ」


……自分の胸に聞いても思い当たることがないからユッチに聞いてるんすよ。教えておくれよユッチさん。


「ユッチに何かしたんだったら謝るんだけどさあ……本気でユッチに何かした覚えはないんだけど」


「……ヤスさあ、2年1組の担任が誰だか知ってるう?」


そんなんがユッチが俺に怒る理由になるんだろか? まあいいや、とりあえず返事するか。


「西森貴樹先生。大山高校に異動してきてから4年。異動当初は勤務時間が終わるとさっさか帰ることで、先生からも生徒からもとても不評だったけど、去年お子さんのムムちゃんが学校にまで来てやってきたときに、娘の溺愛っぷりを披露し、それ以来キキ先生、パパ先生というあだ名で先生、生徒からとても親しまれるようになる。本名はタカキで、本人は『タカキ』という名前がごっつ気に入っているらしく、キキ先生って言うと怒る。誰も見た事はないけれど奥さんはめっちゃくちゃ美人で、愛妻家になるのもうなずけるとのこと。夫婦2人で並んでいると美女と野獣と言われるらしい。家族構成は西森先生、奥さん、ムムちゃん、もう1人娘さんがいるらしい。あ、こっからオフレコな。もともとの西森先生と奥さんの関係は高校の先生と生徒だったんだって。奥さんのほうが西森先生に一目ぼれしたらしくって、周りの大反対を押し切って結婚したんだとか。その話を聞いたとき、ああ、先生と生徒でも恋愛って成り立つんだなあとしみじみ思ったよ」


「ボクはそこまで聞いてないい! 何でヤスはそんなことまで知ってるんだあ!?」


「去年、ムムちゃんの幼稚園に劇をしにいったときにムムちゃんに聞いた。あ、ムムちゃんってのは西森先生の娘さんで、今小学1年生の女の子な。西森先生に似ず、めっちゃかわいい」


「……ふーん」


……声がよりいっそう不機嫌になった。一体全体俺はユッチに何をしたのだろう?


「じゃあさ、クラスメイトに誰がいるか知ってるう?」


「よく話す人だとユッチとナベリンがいる……ってホントにそれがどうかしたのか? とてもそんなんが怒る理由になるとは思えないんだけど。そろそろ不機嫌な理由を教えて」


うん、どこをどう考えても怒る理由にはならないだろ。


「……ボクたちさあ、同じクラスになれたじゃんかあ」


まあ、そやね。


「ボク結構嬉しかったんだよお? ヤスと同じクラスになりたかったもん」


ほうほう……そんなふうに言われると嫌な気分はしないな。しかし……去年出会った頃を考えるとありえないっすね。よく分からないけど、何故か思いっきり嫌われてたし。


「それなのにさあ、ヤスってばせっかく同じクラスになれて、しかも席も隣なのにさあ。休み時間のたびにどこかに消えちゃうし」


「……は?」


おい、ユッチさん。突然何を言っているんすか。


「昼休みだってどこかに行っちゃうし、屋上に行ってもヤスいないしさあ。去年はいつも一緒にお弁当を食べてたのにさあ、いっつもどこに行ってるのさあ?」


……それが怒ってた理由っすか?


「ねえねえヤス、聞いてるのお? 大口開けてさあ」


……聞いてるっすけど。あまりに馬鹿馬鹿しくてついつい、開いた口がふさがらなくなっちゃったんすよ。


「なあユッチさん、俺さあ、陸上部で何の担当になってたか覚えてないっすか?」


「……さあ? ボク知らないよお?」


この野郎。殴ってもよろしいか? 1回だけでいいから思いっきり殴りたいっすなあ。


「というかユッチも1回参加しただろ? ポンポコさんと一緒に1年生の教室回っただろ?」


「……?」


こ、この野郎、何で何もかもを忘れてんだよ。


「勧誘活動! 1年生の勧誘活動! 必死になって1年生を陸上部に勧誘してたんすよ! 休み時間のたびに勧誘活動してたんよ! 毎時間毎時間勧誘しに行ってただけ! 昼休みも弁当かきこんで、すぐに1年生の勧誘にまわってたの!」


男子、ほんと全然いないから、リレー、駅伝に出れるために人集めようとしてたんすよ。全然成果は出なかったけど。なんか、まさかクラスメイトのユッチにそんなことを言われてしまうとはかなり無念。


「ああ、そう言えばそんなことあったねえ……って事は全部ボクの勘違いかあ。ボクってばうっかりさんだあ」


「……ユッチさんや、一言、俺に言うことはありませんかい?」


「……? ああ!」


お、気づいたか? 『勘違いしててごめん』って一言言ってほしいんよ。それで意味不明に俺に怒っていたことは許してやる。


「今日は屋上でお弁当食べようねえ!」


「違うわアホお!」


スコーンとユッチの頭をはたいて、ふっとばす。頭を抱えながら隣でギャーギャー言っているけど無視する。

全く、そんなことで怒っていたなんて、ビクビクしてた自分が馬鹿みたいじゃないか……ま、よかったよかった。






「うんうん、幼女をいじめるヤス……このネタもいける!」


「ナベリン! そんなネタ書くなあ!」


……2年生になっても俺がネタなんすね。勘弁です。

こんばんは、ルーバランです。


新しいクラスでは、ヤス、ユッチ、ナベリン、西森先生の4人がメインです(多分)。


そう言えば、小説中では『昼休み』って書いてるんですが、私の地元愛知では『昼放課』って呼んでました。


大学では誰一人として通じなくてへこみました(^^;


それでは今後ともよろしくです。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
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ええじゃないか
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