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406話:恋愛は加点法?

今日は4月20日月曜日。先週までで仮入部期間が終わり、今日から完全に入部扱い。

入部してくれた1年生は結局11人。男子はナベ(渡辺弘)、カケル(桜井翔)、グロさん(石黒亮太)の3人。女子がサツキ、アヤ、シイコ(岡椎子)、エリ(岡恵里)、ユッコ(小川夕子)、リカちゃん(鈴木里佳子)、キョン(三石今日子)、グッチ(山口弘美)の8人。

……女子が多い、男子が少ない。ただでさえ狭かったのに、男子の肩身がどんどん狭くなるっす。

ちなみに短距離志望がグロさん、サツキ、ユッコ、リカちゃん、キョン、グッチの6人。長距離志望がナベ、カケル、アヤ、シイコ、エリの5人。こっちは上手い感じに分かれてくれた。

アヤには最初短距離を勧めていたけど、長距離志望の女子が他にも現れたので、それなら長距離をやってもいいかということで長距離に。今まで男子しかいなかった長距離に、3人も女子が増えるとなんだか華やいでくれてとてもいい。


そして、なぜか長距離の指導は俺が受け持つことになってしまった。長距離志望のメンバーは5人とも陸上が完全に未経験なので、俺が去年ポンポコさんから教わった時のように1から指導することになる。ポンポコさんに押し付けたかったんだけど、私の本分は短距離マネージャーだと言われてしまった。

ノンキやマルちゃん、その他先輩といったその他の長距離メンバーもいたけど、その先輩方はどうやら後輩の指導をするつもりはないらしく、残りの期間ものんびり走って終わるらしい。

必然的に指導をするのは俺になってしまった……指導できるほど自分、実力あるとは思えないんだけどな……。


そんなこんなで今日も15キロ。一番長く走りきれた1年生でも、7キロでダウン。まあ、俺も10キロ以上走れるようになったのなんてしばらくたってからだもんな。

1年生が自分の練習についてこれるようになるまでにはまだまだ時間がかかりそうだ……。


「それじゃ、今日の練習はここまで! しっかりダウンをして怪我をしないように!」


『はいっ!』


『ういっす』


1年生たちが率先して大きな声を出して返事をする。それにワンテンポ遅れて返事をする2、3年生たち。


「うんうん、いい返事だね。1年生は元気があっていいね」


昔は俺らもあんな感じだったのかなあ……と去年を振り返ってみるけれど、俺自身に限っては去年、今よりもっと元気がない人間だった気がしてならない。


「それで今日なんだけど、もし用事がなかったら新入生歓迎会をやりたいと思ってるんだけど来れる人ー?」


「はーい! 私とカケルは参加希望です!」


「ユッコ……俺今日は早く家に帰って見たいテレビがあるんだけど」


「今日どこへ行きますか? どこかの料亭? それともファミレス?」


「いやだからユッコ、俺は今日ちょっと速めに帰りたいんだけど……」


「私としては和民とか魚民とか村さ来がいいです!」


「ユッコ……もういいっすよ」


……話聞いてもらってねえ、カケル君、ダメダメじゃんか。ってかユッコさん、それ居酒屋じゃありませんか? 俺ら一応高校生っすから居酒屋に堂々と行きたいなんてセリフは言ったらダメっすよ。特に目の前に先生いるんだし。


「サツキとアヤは行きたいか?」


「うん、いくー」


「あたしもいく! こういうパーティには絶対参加しないともったいないもん!」


ふむふむ、サツキとアヤも参加……と。んじゃ俺も参加しないわけにはいかないな。後は2年にも聞いてみるか。


「ケンも行くだろ?」


「ん、一応」


「……なんだケン。その微妙な反応は?」


「んー……こう、狙い目な子がいねえからさあ、燃えてこないというか。やる気が出ないというか」


……ケン、一体お前は何の話をしている。


「まず、サツキちゃんは完全に恋愛対象外だろ? アヤちゃんも似た様なもんだから手は出せないし」


今のセリフ、サツキが聞いたら怒る気がするけど……まあいいや、つっこまないで置こう。


「シイコのあの性格のきつさはちょい苦手、親友にはもってこいかもしれんが彼女には嫌」


シイコが聞いたらキレるな。シイコってあんなきっつい空気をかもし出してるけど、実はその性格気にしてたりするぞ。


「かといってリカちゃんみたいに静かなのも別に好きじゃないんだよなー。グッチやエリみたいに男勝りなのもなあ……」


ケン、好み多いなー……そこまで好き嫌い言ってたらどんなに頑張っても彼女なんて出来ねえよ。


「ユッコも彼氏持ちだしなー……そういうやつには手を出さないって自分ルールがあるんだよ」


グダグダ言うくらいならそんな自分ルール捨ててしまえ。


「そうすると、狙い目なのはキョンだけじゃん」


そやね、減点法で見ていくとキョンだけになるね。


「なんかさー、こう、燃えて来ないんよ。行ったところでお目当ての人と仲良くなれるわけでもないだろうし、そもそもお目当てがいないし、行ってもしゃあないなあって気分になるじゃん?」


ケンのやつ、ウララ先生を諦めてから、微妙に腑抜けになってきてしまっている。ここは俺がどうにかして活を入れてやらないと。


「…………ケンさ、お前にひとつだけ言いたい事がある」


「んー? 何だ?」


「恋愛は減点法じゃないんだ! 加点法なんだ!」


うむ、我ながらいい言葉だ。これ今年の流行語にならないかなー。


「……なんだそりゃ?」


……残念、説明をしないとケンには伝わらないのか。


「いいかケン、異性を好きになってしまう瞬間って言うのは、見た目がまあまあだから大丈夫、性格も普通だから大丈夫なんて、総合的には評価しないだろうが。欠点を補って余りあるよさがその人にはあるから人はその人を好きになるんだよ! 減点法では異性の魅力なんて分からないんだよ!」


「ふむふむ、例えば?」


「実はシイコのあの性格のきつさを補って余りある乙女らしさがあるかもしれないだろう!? そこに男はほれるかもしれないんだよ! いいか、シイコはあんな性格をしときながら、白馬の王子様を夢見てるタイプだぞ。そんなギャップがシイコの数多くあるマイナスを補ってプラスになるんだよ!」


「数多くあるマイナスって何よ!? あんたなんかプラスのところなんか全くなくてマイナスだらけの癖に!」


……しもた、興奮しすぎて大声になってしまった。


「新入生歓迎会では覚えてなさいよ、変態先輩」


……こえええ……お店ではシイコの近くに座らないようにしよう……。

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