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400話:新たな部員達

サツキとオカ姉妹が部室に着替えに行った後、1年生の入部希望者がちらほらと現れた。


「こんにちは、小川夕子です。名前の画数が全部で12です。私より少ない人は中々いないのが自慢です」


へー……だからなんやねん。どう反応すればいいんだよ。


「希望種目は100、200。ハードルもやってました。高校でも陸上部をやるつもりです。よろしくお願いします」


あーい、よろしくー。


「400、800専門の三石今日子です! 中学校の時の800mのタイムは2分37秒でした! 受験勉強の間、何にも勉強できてませんでしたので、全然走れなくなっちゃってます、よろしくお願いします!」


「ポンポコさん、2分37秒って速いの?」


「遅くはないが、県大会には出場できないレベルだな。1年生でそれだけ走れれば十分だ。来年再来年の練習しだいだな」


ふーん……結構すごいんかな。


「三石今日子さん、ひとつ聞いてもいいっすか?」


「はい? なんですか?」


「中学校時代のあだ名って絶対『キョン』でしょ?」


「…………? なんのことですか?」


……失礼しました。涼宮ハルヒは自分が思っていたほど有名ではないらしい。


「はじめ、まして……入部希望です。400メートル、希望です……」


「よろしくー。俺、近藤康明、通称ヤス」


「……知ってます、入学、式でも、一番目立って、ました」


……主役の1年生を差し置いて一番目立っている俺って一体……


「私はポンポコだ。よろしく」


……ポンポコさん、さすがにその自己紹介はないと思う。相手が目をぱちくりしているではないですか。


「ポン、ポコ先輩、ですね、私は鈴木里佳子といいます……不束者ですがよろしくお願いします」


鈴木里佳子さん、あんたはどこに嫁ぐつもりじゃい。


「おっにいちゃーん、部員候補連れてきたよー!」


「こんちはっす、渡辺弘といいます」


おお、初の男子部員。さっきからなんでか女子ばっかり来て、ちょっと寂しかったんすよ。ナイスだアヤ。


「自分、ヤス先輩の事知ってます。自分の家ではヤス先輩は有名人です」


「へえ…………って俺と渡辺弘ってどこかで会ったことあったっけか?」


「いえ、でも俺の姉ちゃんが去年ヤス先輩と同じクラスメイトだったそうで、いつもヤス先輩で漫画を書いてました」


……この話、なんかこれ以上は聞かないほうがいい気がしてしまう。


「ふむ、渡辺とやら、ヤスでどんな話を書くのだ?」


「ヤス先輩とケン先輩という人が絡む漫画を描いてました。ヤス先輩は受けでした」


「絡む……?」


「ポンポコさん! 考えこまなくていいから!」


くっそ、ナベリンめ、2年生になっても俺をネタにするのか。今年も同じクラスになったんだよなあ……なんか嫌や。


「大丈夫っす、自分はそういうのには全く興味ないですから。ヤス先輩をネタにはしません」


「あい、ありがと」


……ただ、あのナベリンの弟だと思うと、やっぱり何か裏があるような気がしてしょうがない。


「ちなみにナベリンの弟さんは、中学時代、陸上はやってたりするのか?」


「全くやってないです。そもそも運動部ですらありませんでした。中学時代は科学部にいました」


……科学部か。即戦力にはならないだろうな。


「ヤス先輩を見て、中学時代文化系だった自分でも何とかなるんじゃないかと思い、アヤさんに誘われたのもあり、陸上部に見学にきました。自分、運動は苦手ですがよろしくお願いします」


……正直者は身を滅ぼすぞ。好感度一気にダウンじゃ。


「おにいちゃん! 私も陸上部に入部するんだから、指導よろしくね!」


「ん? アヤも陸上部はいるの?」


なんとなくなイメージに過ぎないけれど、アヤは吹奏楽部とか演劇部とか、文化系のイメージだったので、ちょっとだけ意外な気がした。


「……おにいちゃんは、私が陸上部にいるの、いや?」


「全然嫌じゃないぞ。ちなみにアヤはどの種目やるつもりなんだ?」


「もちろんおにいちゃんとおんなじ種目!」


……それは無理だろ……女子って長距離1人もいないし。


「アヤは1人で練習すんのか? さすがにかなりきついと思うぞ」


「……じゃあ、サツキと同じ種目にするよ。サツキには負けないよう頑張るんだから!」


うん、頑張れ。

……アヤと渡辺弘が部室に消えていくと、とりあえず一区切りしたのかあんまり入部希望者が来なくなった。入部希望者かなと思って声をかけようとすると、目の前をスルーして言って、隣で活動しているハンドボール部あたりに声をかけている。

……そろそろ時間だし、今日はここで打ち止めかな?


「しかし、女子部員が多いな。サツキ、アヤ、オカ姉妹、鈴木里佳子、小川夕子、三石今日子の計7人。対する男子は渡辺弘の1人だけ……寂しいねえ」


「去年も似たようなものだ。例年入部者は8人から10人程度と相場は決まっている」


まあ、そうなんだけど……男子入部希望者が少ないのが……去年は俺、ケン、ヤマピョン、マルちゃん、ノンキ、エースとジャックの7人もいたのに。


「今年はキャプテンがゴーヤ先輩で女子だったことも影響しているのだろう」


なるほどね、前に立って部活紹介した時に、女子が紹介してたから、男子が減って女子が増えたわけか。


「まだ初日だ、これから入部希望者が増えるかもしれない。あせらず明日からもしっかり勧誘を続けよう」


……了解っす、ポンポコさん。

明日に男子部員が着てくれることを期待して、まずは今日の体験入部者を逃さないようにしないとな。

こんばんは、ルーバランです。


ぞろぞろと登場人物が増えてきました。このうち、きちんと登場するのは1人か2人だけですので、覚えなくて結構です。


祝、いつのまにか400話。継続は力なりですね。


それでは今後ともよろしくです。

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カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
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