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383話:ねるねるねるね

よ、ようやく夜練も終わった……午後錬、今日中に50キロを目指すからとかポンポコさんが言って、25キロ走った。ペースは1キロ5分と、ゆっくりなペースだったけど、この長さははっきり言ってつらかった。

夜練で、のんびりと5キロ走って、ようやく今日の練習が終了……計50キロ。長かった……もう走りたくねえ。


民宿の下田屋さんに帰った後、俺だけ早々に布団を敷いて、グデーっと倒れてる。短距離陣はまだまだ元気で、さっきユッチがゴーヤ先輩とキビ先輩誘って走りに行こうとしてた。

ユッチ、元気だ……俺にはもう走る元気はない。

ついさっき、ケンとヤマピョンは卓球場へ卓球をしに、マー君先輩は風呂場へ、ボーちゃん先輩は女子の部屋に行ってる。


「ヤス兄、元気ー?」


俺のことを心配してくれたのか、サツキが部屋まで見に来てくれた。

なんだかサツキの顔を見るのが、久々な気がする……そう言えば、サツキとスキンシップを全然とってない。


「つらい……寝たい……サツキが膝枕してくれたらきっと元気になる」


「あははー、膝蹴りならいくらでもやってあげるよ?」


……なんだか膝蹴りでもやられたい気分。それぐらいサツキとのスキンシップに飢えている……どんだけ俺は変態なんだ。


「ヤス兄、まだ2日目終わったところだよ? 4泊5日だから後3日あるんだよ? 今日からそんな状態で大丈夫なの?」


「……俺に言わないでくれ。文句はポンポコさんに言ってくれ……さあ、サツキ膝枕をさせてくれ」


「あらら……ほんとぼろぼろだねーヤス兄。今日はほんとにすぐ寝たほうがいいんじゃない?」


「おお、寝たい、サツキの膝で」


ただひたすらにサツキの膝で寝たい。ビバ、膝枕。


「ちょっとしつこいね、ヤス兄」


「だってサツキの膝って気持ちよさそうなんだもん」


「私の太ももってそんなに肉付きがいい?」


しらん、ただ甘えたいだけ。


「んー、なんだか膝蹴りばっかりたくさんして、永遠の眠りにつかせてあげたくなっちゃったけど、さすがにかわいそうだから、何か寝るのによさそうなもの持って来たげるよ」


そういい残して、サツキは俺を置いて出て行ってしまった……俺はただ単にサツキに膝枕して欲しかっただけなのに。

……ってか俺って、かなり危険な人間な気がする。









「ヤス兄、お待たせー」


……スーパーのレジ袋を持って、なんやらようわからんものを買って来たサツキ。一体あのレジ袋の中には何が入っているんだろう?


「これこれ、なんだか無性に私、これ食べたくなったんだよね。眠るのにも最適だよ」


そう言ってサツキが取り出したものは、『ねるねるねるね』……おい。


「なんだか時々、これ食べたくならない?」


「ならないっす」


練って練って練りまくって、色がどんどん変わっていく、その様を見るのが面白いけど、なんだか量も少ないし、なにより、いつまで練ればいいのかが分からない。そこがなんだか悔しい。


「またまたあ、ヤス兄、実は大好きなくせに。ヤス兄が『ねるねるねるね』嫌いな理由って量が少ないからでしょ? 前にそう聞いたから、ちょっと奮発して大人買いして来たよー」


……大人買い? サツキ、お前は一体何をやったんだ?


「はい、ヤス兄。頑張ってるヤス兄にプレゼント」


レジ袋をごそごそとして、またもう1個『ねるねるねるね』を取り出すサツキ。おい、『ねるねるねるね』なんて2つも買うもんじゃないぞ。


「まだまだあるよー」


そういってまた1個、また1個とレジ袋から『ねるねるねるね』が出てくる……おおい、サツキ!? いくつ買ってるんだよ!?


「いつもより多く買っておりまーす」


味も全てぶどう味に統一した『ねるねるねるね』が7個、8個と並んでいく……そろそろ出てくるのやめて!? そんな買い方すると近藤家の大蔵省の母さんが怒っちゃうよ!?


「サツキ!? いくつ買ったの!?」


「え? ええとねー……13個」


……なんて不吉な数字だよ。明日俺かサツキかが倒れそうだよ。


「なんかねー、たまたま『半額セール!』ってやってたんだよ。ついうれしくなっちゃって、そこにあるねる『ねるねるね』全部買っちゃった」


……ま、まあ、気持ちはわか……分かりたいのに分からない。買わねえよ。どんなに安くても、『ねるねるねるね』を13個も買わねえよ。

裏側を見ると、内容量は25.5グラムと表示されていた。25.5×13というと……331.5グラム。これ全部作ったりしたら、『テーレッテレー』みたいな軽快な音じゃなくて、『ドーロッドロー』みたいな不穏な音になりそうだ。


「そう言えばサツキ、なんで『ねるねるねるね』が寝るのによさそうなん?」


まさか、『寝る寝る寝るね』とか、そんな親父ギャグはサツキは言わないよな。


「ええとね、『寝る寝る寝るね』ってなんだか眠れそうじゃない?」


……サツキが親父ギャグを言うとは……俺が言いまくるからか? 俺が悪いのか?


「ってかサツキ、それだけ『ねるねるねるね』を食べたら胸焼けするんとちゃう?」


「そだねー、ちょっとケンちゃんでも呼んで来るよ」









……その後、暇そうにしていたケン、アオちゃん、ヤマピョン、ミドリちゃんを呼んで来て、6人で食べた。……しばらくは『ねるねるねるね』はいらないや。

こんばんは、ルーバランです。


大人買い、皆さんは何やったことありますか?

私はマクドナルドで友達と2人で16個買って食べました。


他にも色々やりましたが(汗


それでは今後ともよろしくです。

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カカの天下
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