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381話:目指せ50キロ

「ヤス、起きろ」


…………。


「ヤス、起きろと言っている」


…………zzz、zzzZZZ。


「ヤス、起きろと言っているだろうが!」


…………んん? 誰?


「ここまで耳元で叫んでも起きないのだな……それなら」


まだ眠いけれど、目をこすりながら目を開ける。……なんだかポンポコさんがジャージに着替えて仁王立ちしている姿が見えるんだが……なんなんだ?

右手を見ると何かを持っているように見えるけど……ええと、あれって……木刀かな。


「……って木刀!?」


俺が叫ぶと同時に木刀を振り下ろそうとするポンポコさん……って危ないっすよ!?

慌てて布団からでたと同時に、ボスッと布団をたたく音がした。


「な、なにすんだ!?」


「おはよう、ヤス」


「……あ、ああ? おはようさん、ポンポコさん……って何でここにいるの? 今何時? ここって男子部屋のはずだよな? ってかその手に持っている木刀は何?」


「ふむ……何でここにいるか、それはヤスを起こしに来たからだな。今何時か。今は朝の4時半だ。ここは男子部屋だ。ヤスが女子部屋に入り込んで寝ていたわけではない、安心すればいい。そして、この手に持っているものは木刀ではないぞ。竹刀だ。だからたたかれても安全だ。気にするな」


「気にするよ!? めっちゃ怖いよ!?」


大体木刀も竹刀も似たようなもんだろ!? どっちだって危険なんじゃないのか!?


「大丈夫だ。木刀なら大怪我をする。竹刀ならそこまで怪我をしない。だが、動いた方があたりどころが悪くなるから危険だ。それだけは気をつけるように」


気をつけろって……動くなってことでしょうか? つまり、ポンポコさんが竹刀をぶつけようとした瞬間、俺は文句言わずに当たれということなんでしょうか……そりゃねえべ。


「……ってかさ、ポンポコさん、今って朝の4時半なの?」


「そうだが? それがどうかしたか?」


どうかしたかじゃなくてさ……。


「何で俺はこんなに早く起きなきゃ行けないんすか?」


「早朝練をするからに決まっているのだが。朝起きなければ早朝練は出来ないだろう?」


……まだ4時半なのに。4時半から練習なんて……。

またどうせ、夏合宿のときみたいにポンポコさんは起きてこないだろうとか思っていたのに、何で春はこんなにやる気なんだ? ポンポコさん、頭が春になってないか?


「ここでしゃべっていたら、他の男子も起きてしまう。早く着替えて練習に来るように。5時までに来なかったら竹刀でたたくからな」


「はあ!? 何だそれ!?」


今何時だ!? 4時50分……後10分しかないじゃん!

慌てて浴衣を脱いで、パンツいっちょになって着替える自分。ジャージジャージ……慌ててて中々見つからない。


「……私は外で待っている。早く来いよ」


ちょちょちょ、そんな急がないで!








「4時59分32秒か。ぎりぎりで間に合ったな」


「はぁ、はぁ……ってかさ、早朝練習って俺だけなの? ヤマピョンは?」


「ヤマピョンは今までほとんど練習していなかったと言っていたからな。練習の参加は午前練習と午後練習の2回にする予定だ」


……さいですか。4時半にいきなりたたき起こされて、いきなり練習させられるのは俺だけなんすか。


「さて、早朝の練習だが、午前練習で砂浜ランニングを計画している。海辺までジョギングして帰ってこよう」


「ういうい、んじゃいこか」


伊東駅前の砂浜なら、そんなに遠くないし。早朝だからそんなにきつくないな。やっぱりポンポコさん、多少は考えてはくれてるのかな。


「おい、ヤス、どこへいくつもりだ? そっちではないぞ」


「へ?」


海岸へ向かうつもりだったらこっちにいかなあかんだろ。


「私達が今から行くところは宇佐美海岸だ。ここらあたりでは砂浜が一番広いところだ」


「……ええと?」


宇佐美海岸……俺が自転車で来たときに、途中で通った気はするけど……。


「ここから宇佐美海岸ってけっこう遠くなかったっけか?」


「大体5キロくらいだな。往復10キロだ。早朝練習にはちょうどいい距離だろう」


……鬼や、この人。


「今日は2日目だからな、1日50キロを目指すぞ」


……50キロて。あほちゃうか?


「……ヤス、やりたくないのか」


「ええと、ちょっとだけ。50キロとか……それはきついっすよ」


駅伝でも、どんなに長くても10キロしか走らんのに、50キロ走れとか……俺ってマラソン走るランナーだったんだっけか?


「ふむ……現時点でヤスのやる気がなくても、練習はやるぞ。成果が見えるまでは、練習なんてつまらないものだ。だが、成果が見えてくれば、きっと楽しくなる」


……そうなんやろか。


「では、早朝の練習開始だ。私は後ろから自転車で着いていくので、自分の好きなペースで走ってくれ」


ラジャです……がんばろ、俺。

こんにちは、ルーバランです。


中学校の頃に、1日で35キロくらい走ったことがあるので、きっと高校生なら50キロ走れるはず……(^^;


それでは今後ともよろしくです。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
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