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378話:もふもふ

シャッシャッとアオちゃんがトランプをシャッフルする。

ああ、『シャッ』とトランプを『振る』からシャッフルって言うのか……どうでもいいことを考えてるな。


「ところでヤス君、なんだかハーレムみたいですね」


「は、ハーレム?」


「浴衣美人に3人に囲まれてるじゃないですか。恋愛漫画の主人公みたいですね」


そうかなあ? どちらかというとギャグ漫画の主人公な気がしてしょうがない。みんなにここまでいじられている恋愛漫画の主人公はいないだろ。恋愛漫画の主人公って言うのは、めがねを外すと実は美形とか、歌を歌えば天下一品とか、意味もなくもてるとか、『優柔不断の優の字はやさしいって書くんだよ』とか言われちゃうようなやつなんだよ。俺は違う。


……確かにアオちゃんは浴衣美人という言葉が似合う、浴衣と髪の毛の間からちらりとのぞくうなじ……やばっ、ドキドキしてきた。

ちょっと他の人を見ないと緊張してしまう。


「ほら、浴衣美人に囲まれてる気がしてますよね? しませんか?」


「いや、浴衣美人というより、浴衣っ子だろ?」


「ヤス、ボクを見て言うなあ!」


「見てない見てない」


実はチラッと見たけど。ユッチもミドリちゃんもどう見ても浴衣美人じゃないぞ。浴衣っ子だ。


「ほんとかあ?」


「ほんとほんと」


嘘だけど。


「なんだか嘘っぽいんだよねえ」


……ばれるか。そりゃばれるよな。俺、顔が笑ってるもん。


「……ヤス、絶対見ただろお!」


「知らない知らない。ユッチ、自意識過剰だぞ」


「ううう……ミドリちゃん、ヤスがいじめるよお」


おいユッチ、小学生に泣きつくなよ。一応お前は高校生なんだ。


「大丈夫だぞユッチ、ユッチの浴衣姿、かわいいぞ」


「ほんとお?」


「ほんとほんと。かわいいかわいい。なでなでしたくなる」


「ボク子供じゃなあい!」


「違うって、ほんとにただなでなでしたいだけだってば。うり、なでなでー」


「ちょ、ねっ、ヤスってば!」


ユッチの頭の上に右手を乗せて、なでなでする俺。……ユッチの髪の毛ってめっちゃさらさらやな。うわ、この髪の毛まじで気持ちいい。


「うう、ヤスう、やめてよお……」


……言葉は嫌がっているように聞こえるけれど、そんなにあからさまに嫌そうな顔もしないし、逃げもしないから気にせずずっとなでなでし続ける俺。ああ、この気持ちよさ。羊に抱きついてるみたい。


「いやいやというわりには抵抗しないなあ、ユッチ。うり、なでなでー」


「うう……ヤスのバカあ……もうやめてよお」


……うお、ユッチの頭ってまるまるってしてるなあ。こう、ごつごつしていないというか。さらさらの髪の毛にぴったりっすね。触れば触るほど気持ちよくなってくる。このもふもふ感がたまらない。もふもふしたいって言う気分が分かる。もふもふ。


「もう、ヤスってばやめてってばあ……」


「いや、気持ちいいんだもん。この子猫の背中をなでているようなこのふんわりもふもふ、それでいてふわふわなこの頭はいい。この頭だけでも俺の家にお持ち帰りできんかなあ」


「それって褒めてるう?」


……さあ、褒めてるんだろうか? でも気持ちいいのは事実だ。


「……お姉ちゃん、私達って邪魔者ですよね? このままこそっとどこかに消えたほうがよくないですか?」


「しっ、声が大きいですよミドリ! 私達は空気みたいになってないと。ヤス君とユッチがどこまで行くか見てみないと!」


……ふと自分の右手を見てみる。顔を真っ赤にしながら目を細めているユッチと、その上で延々とユッチの頭をなで名でしている俺……なにやってんだ俺は!?

慌ててユッチから離れる。


「ほら、ミドリが大きな声を出すからヤス君が我に返っちゃったじゃないですか」


ってかアオちゃんも声大きかったぞ。


「そうなんですけど、私達の存在忘れて2人の世界に入ってるにもかかわらず、いつまでたっても2人でなでなでして、なでなでされてるだけみたいでしたもん。『お前らは小学生か!』ってちょっと言いたくなりますよ、お姉ちゃん」


……小学生に『小学生かっ!』って言われる俺らって一体なんなんだろう?


「それはヤス君もユッチも心は小学校低学年レベルですからしょうがないですよ。見ていてほほえましくていいじゃないですか。大体、ユッチがヤス君の家にお泊りして、3学期中は同棲生活みたいな日々を送っているのに、何にも起きないこの2人に何かを期待したって無理ですよ、ミドリ」


……小学生低学年って言われた……なんなんだ、俺らは。


「ヤスう、アオちゃんとミドリちゃんがひどいよう……ボクってそんなに小学生っぽいかなあ」


俺に泣きつくな! 俺だって泣きたい気分だよ!


「ほらほらヤス君もユッチも、いつまでもいじけてないでババヌキはじめますよ」


アオちゃんによって4人分に配られた……くそう! こうなったら絶対に2人に勝ってやるからな!

こんばんは、ルーバランです。


書いた自分でも、とりあえずさっさとババヌキはじめろよ。と思ってしまった(汗


それでは今後ともよろしくです。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
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ええじゃないか
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