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377話:浴衣にドキドキ

春合宿1日目、夜。まだまだ1日目なだけあってみんな元気だ……ボーちゃん先輩とマー君先輩は向こうの机で花札してて、ケンとヤマピョンは窓際でブラックジャックをやっている。

……てめえら、金は賭けんなよ。賭けていいのはカシオミニくらいだからな。

つーか……俺は疲れた、寝たいぞ。既に浴衣に着替えて布団に入って寝ようとしている俺がいるのに、ルームメイトの4人は一向に声をおさえようとしてくれないそこで花札してる先輩方、もう少し声を落としてくれよ。うるさくて寝られないよ。


トントン。


扉をノックする音が聞こえる……誰だよ、俺は寝たいんだよ。


トントン。


花札とブラックジャックに夢中になってて、他の人たちは動こうとしてくれない。かつ、俺が一番ドアから近いところにいる。

……いいや、無視してればそのうちどこかに行ってくれるだろ。無視無視。


ドンドン!


あ、諦め悪いな……一体誰なんだろ? やっぱり俺が行かなきゃダメなのか。

ああ、めんどいなあ……のろのろと起き上がり、ドアを開ける。開けた先には浴衣姿のアオちゃんが1人。


「……」


「どうかしましたか? ヤス君」


「や、な、なんでもないっすよ?」


……あかん、何緊張してんだよ。アオちゃんがただ単に浴衣姿になっただけやん。


「アオちゃん、もしかして温泉上がり?」


「そうですよ?」


やばい、普段アオちゃんなんて見慣れてるはずなのに、浴衣を着ているだけで、目のやり場に困る。しかも温泉上がりのちょっとほてった顔が余計に色っぽい。横目でチラッと見るだけで、何故だかドキドキしてしまう。

……浴衣って、なんでこんなに色っぽいんだろう? それとも、アオちゃんが色っぽいのか?


「で? ええと、アオちゃん、どうかしたの?」


「ヤス君、私達の部屋来てトランプしませんか?」


「え、えと、なにやんの?」


……何で俺はどもってんだよ。アホか。


「ユッチの知ってるゲームがババ抜き、七並べ、神経衰弱、豚のシッポの4つなので、ババ抜きか七並べになると思いますが」


「ふむふむ……ケン、行くか?」


「いかね。ババヌキよりブラックジャックのがいい。ポーカーならいってもいいけど」


……おいそこの不良学生。ヤマピョンもうんうんうなずくな。ってかこんなところで絶対に賭けんなよ。


「先輩達は行きますか?」


「俺らも花札のがいい。マージャンかちんちろりんなら言ってもいいぞ」


……マジで先輩達、賭けやってないっすよね? 本気でいやですよ?


「……なんだか男子の部屋は、すごいですね……ヤス君だけでもきますか?」


「……まあ、こっちの部屋にいてもしゃあないしなあ」


寝れないし。うるさいし。行くか。











「ヤス君だけ連れてきましたよー」


女子の部屋に入ったら、既に畳の上に布団が並べられている。今部屋にいるのはユッチとミドリちゃんの2人。2人とももう浴衣に着替えてる。

……うん、やっぱりアオちゃんがおかしいんだ。ユッチとミドリちゃんが浴衣になっててもドキドキしない。アオちゃんよりユッチのほうが露出度が高いのにドキドキしない。

うんうん、足は見えればいいってもんじゃないよな。時々風に揺れてふわっとめくれるのに、見えないって言うのがドキドキするんだよな。


「なんだよヤスう、ボク見てうんうんうなずいたりしてえ!」


「ユッチは今のままが一番いいぞって思っただけだぞ」


「それ、ほめてるう?」


……褒めてないって言ったら怒りそうなので黙っていよう。


「お久しぶりですヤス先輩」


「おひさー、ミドリちゃん。元気にしてた?」


「元気ですよ。ヤス先輩は相変わらず変にしてたらしいですね」


……おい、ミドリちゃん、久しぶりに再会したセリフがそれかい。アオちゃん、変なことをミドリちゃんに教えんなよ?


「それにしても……ヤスだけなのかあ」


「……嫌なら帰るぞユッチ」


「なんでだあ!? べっつに嫌なんていってないよお?」


……嫌そうに聞こえたんだよ。


「ところで今は3人だけ?」


「今はみんな温泉に行ってますよ。ポンポコさんは1時間以上前からずっと温泉に入ってます」


ポンポコさん、ユデダコにならないでくださいな。

まあ、ポンポコさんは放っておいて、今はトランプをやろかね。


「それでユッチ、トランプやりたいんだろ? 何やりたいんだ?」


「ババヌキい!」


……王道だな。トランプの基本中の基本だな。


「いいのかユッチ、ババヌキで」


「なんでえ? ボクババヌキ大得意だよ! 絶対にヤスに負けない自信あるんだからあ!」


……ババヌキって得手不得手があるのか? 全部完全に運な気がするんだけど。


「ほほぅ……ユッチ、そこまで自信があるのなら、ユッチ負けたら罰ゲームな。ユッチの恥ずかしい話を何か1つさらすこと」


「な、な、な、なんでだあ!?」


「大得意なんだったらいいじゃん。暴露しなよ」


「じゃあ、ユッチだけでは不公平ですから、負けたらヤス君も暴露しましょうね」


「ええ!? 俺もっすか?」


「言いだしっぺが参加しないのはひどいですよ? ヤス君の暴露話、私も聞きたいですし」


「そうだそうだあ! ヤスもやれえ!」





……なんだか俺まで負けたら罰ゲームを羽目になってしまった……すごくやぶ蛇だった気がする。こういう時って言いだしっぺが負けるという法則があるんだよな……。

負けないようがんばろ。

こんばんは、ルーバランです。


不思議なのですが、なぜ女性の浴衣ってドキドキするんでしょう?


それでは今後ともよろしくです。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
うそこメーカー
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