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376話:眼力

「ヤス、おっそいぞお! 遅刻遅刻う!」


「……許してください」


競技場に着いた早々まさかいきなりユッチに怒られるとは思わなかった。

短距離は今はドリルを反復して、フォームを直す練習をしてる。練習しているメンバーはボーちゃん先輩、マー君先輩、ゴーヤ先輩、キビ先輩、アオちゃん、ユッチ、ケン、サツキのいつもの短距離メンバープラス、ヤマピョンも短距離の練習に参加している。


「ダメですよヤス君、主催者が遅刻なんて許されないです」


「そうだそうだあ!」


……遅れた理由をアオちゃんもユッチも知らないんだろうか? 自転車でここまできたから遅刻しただけなんだけど……。


「ヤス君、ポンポコさんにお礼は言いましたか?」


「ええと、何でポンポコさんにお礼言わなあかんのだ?」


「当たり前じゃないですか! ポンポコさん、ヤス君が到着するのを10時くらいからずっと待ってたんですよ! 『事故にあったんじゃないか』や『どこかに迷子になってないか』ってすごく心配してたんですから! 一言くらい『ありがと』という言葉を言ってもいいんじゃないですか?」


……うそん。遅くなったのポンポコさんのせいなのに? 『ありがと』よりも、『この野郎』って言いたかった気分だったぞ。


「別に私は気にしていない。お礼など言われても困るしな」


そりゃそうだ。遅刻した原因だし。俺もお礼を言う気は全くないっす。


「……ポンポコさんがそういうなら私はもう何も言いませんが……」


……なんか侮蔑の目というか……アオちゃんからそういう視線を感じる。だが、俺は悪くない。だから俺はお礼なんて言わない。


「それよりヤス、今日の練習を始めるか。今日は初日だからな、いきなりきついメニューをやってもつらいだろうから、とりあえず軽く20キロくらいをジョグしようか」


「はあ……は? マジで!?」


75キロ延々とサイクリングしてきた後に、20キロジョギングて……勘弁してくれよ。


「む……少なすぎたか? では30キロにしようか?」


「いやいや!? 20キロがいいです!」


「了解した、それなら20キロにしておこう。まだ初日だからな。いきなりきつくしてヤスが怪我をして、残りの日がダメになるのが一番困る」


「ええと……それだったら実はむしろもうちょっと短くして欲しかったり……」


体すでにきついし、明日筋肉痛なのは間違いない気がするし。


「ん? よく聞こえなかったのだが。もう一度言ってくれないか?」


あれ? 声が小さかったか? もう1回言うか。


「ええと……もうちょっとみじか……いえ、なんでもないです」


なんか、ポンポコさんの眼が有無を言わさない眼をしていた。ポンポコさんといい、アオちゃんといい……目は口ほどにものを言うというのはほんとだなあ。

というか、お前ら、眼力が強すぎるのではないだろうか。


「ヤス、今日はもうしっかりサイクリングをしてきたのだからアップは必要ないだろう? 今から20キロ、頑張ってくれ」


これ以上抵抗してもしゃあないし……了解っす。んじゃ、さっさと走るか。










「はぁ……はぁ……」


よ、ようやく走り終えた……。ストップウォッチを見てみると、時間にして1時間42分。1キロ5分程度で走りきったわけか。

な、なんか15キロくらい走ったあたりで体がめっちゃ重くなった。今までそんなことはなかったのに……なんでだろ。


「ヤス、お疲れ。調子はどうだ?」


「ん……あまりいい感じしないっす。ただのジョギングなのにばてた」


「ふむ……まあ、サイクリングが思った以上に大変だったようだな。それで体力がなくなったのだろう。明日には回復しているはずだから、明日から本格的なメニューだな」


「……あの、ポンポコさん? 今日既にかなりばててますゆえ、明日はちょっと軽めのメニューにして欲しいなあ……なんて思うんだけど」


「ん? よく聞こえなかったのだが。もう一度言ってくれないか?」


……やばい、またポンポコさん、俺に対して眼力を使っている。聞こえているのに聞こえてないなんて言うポンポコさん、だが、今度は俺も負けねえ。俺も眼力を使う!


「……今日既にかなりばててますゆえ、明日はちょっと軽めのメニューにして欲しいなあ」


「やはり聞こえない、もう一度言ってくれないか?」


お互いににらみ合いが続く……ポンポコさんの眼力もどんどん強くなってきた。し、しかし、俺は明日は楽したいんだ。

今回くらいもうちょっとだけ抵抗したい。


「明日はちょっと軽めのメニューにして欲しいなあ」


「ヤス、全く聞こえなかったのだが。もう一度言えるものなら言ってくれないか?」


ええと、も、もう1回言……えないっす。


「なんでもないっす。明日も元気モリモリで頑張ります」


「うむ、せっかく合宿に来たのだからな。お互いに頑張ろう」


……ポンポコさんの眼力つええ。俺の眼力弱いな……。

おはようございます、ルーバランです。


昨日は10時間飲んでました。さすがにしんどいです(-.-;


それでは今後ともよろしくです。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
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ええじゃないか
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