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374話:春合宿、開始

今日は3月27日、とうとう春合宿開始の日。

伊東駅に現地集合で、10時集合予定だから、8時頃家を出れば十分間に合うよな。時計を見たら、今はまだ6時……のんびりと準備をしておこう。


TRRRRR、TRRRRR……。


俺の携帯がリンリンと鳴る……ええと、誰だろ? こんな朝早くから。

……げ、ポンポコさんだ。なんかすっごい嫌な予感がするなあ……。これ、気づかなかったということにしておこっかなあ……けど、そうしたらそうしたで後が怖そうだしな。

はあ、でるか。


「もしもし、近藤です」


「ああ、もしもし、ヤスか? ちょうどよかった、今か」


「ただいま、眠くて、電話に出ることが出来ません」


「……」


「ピーっという発信音がしましたら、何も伝言を残さずにお切りください。ピーッ」


「……」


おし、このまま切れ、切ってくれ。


「……」


早く切れ、切れ、切ってくれ!


「……もしもし、ヤス、後5秒以内にきちんと返事をしなかったら、春合宿中の練習メニューはヤス1人で考えてくれ。私は一切春合宿中、ヤスとは口を聞かない」


……ええと、冗談だよな。ってか俺1人で練習メニューを組めって無理だって。


「5……4……」


おおい、本気だよポンポコさん! カウントダウン始めたよ!


「3、2、1」


「ごめんごめんごめん! 俺が悪かったです! 俺を見放さないでください!」


「ああ、もしもし、ヤスか!? よかった……本気で返事してくれないかと思ったぞ」


ポンポコさん、自分が不安になるんだったらそんな俺を追い詰めるような言い方しないでくださいよう……。


「おはようヤス、私の電話を無視しようとするなんてひどいぞ。2人3脚で頑張ろうと誓ったあの夜のことを忘れたのか?」


誓った記憶はないっすよ……一方的に宣言させられただけだった気がする。夜でもなかった気がするし。


「おはようさんポンポコさん、こんな朝早くから何の用っすか?」


「ふむ、ヤス、8時までに大山高校に来れるか?」


「……8時か」


行けないこともないな……けど、なんでだろ?


「大山高校によってたら春合宿に遅刻すると思うんだけど」


「大丈夫だ、私にちゃんと考えがある」


……ほんとだろうな。


「了解っす。サツキをたたき起こして、今からすぐに向かうよ」


「うむ、頼んだぞ。ああ、サツキは先に旅館の方へ向かわせてくれ」


「アイアイサー」












サツキを無理矢理たたき起こして、1人大山高校へ。まだ自分、完全に眠気が取れておらず、まぶたをぱちぱちとしばたく。ふわぁ……本とならもうちょい家でのんびり出来たはずなんだけどなあ。ってか、春合宿の朝から突然だよなあ……。一体何の用なんだろ?

俺が大山高校に到着すると、ポンポコさんは既に校門前にママチャリを支えながら立って待っていた。大きなスポーツバッグを1つ、肩からぶら下げている……4泊5日分にしてはちょっと多めに見えるが、一体何が入ってるんだろう? ……やめたやめた。詮索するのはよしとこう。女のバッグには秘密がいっぱいだもんな。


「おはよー、ポンポコさん」


「おはようヤス、元気か?」


「元気っすよー。昨日1日休みだったしね。部活の疲れも無しっす」


「ふむ、それはよかった」


……やめてくださいポンポコさん、ニヤリとほくそえむのは。俺に一体何をさせるつもりっすか?


「ヤス、これが何か分かるか?」


そう言ってポンポコさんはママチャリをぎーこぎーこと前後に動かす。ポンポコさんがどんな答えを求めているのかさっぱり分からないが、とりあえずみたままを口にする。


「ええと、自転車だよね? それがどうかした?」


「その通り、自転車だ……さあ頑張れ」


……ごめん、ポンポコさん、意味不明です。


「ここから、旅館まで、自転車をこいで向かうのだ」


「……ええと、俺、耳がおかしくなった気がするんだけど、気のせいかな?」


「む? 私の声が小さかったか? ここから、旅館まで、自転車をこいで向かうのだ」


……ええと……?


「ポンポコさん、もっかい言って?」


「ここから、旅館まで、自転車をこいで向かうのだ! しつこいぞヤス」


「ワンスモアプリーズ」


「ここから、旅館まで、自転車をこいで向かうのだ!」


ち、英語で言ってくれることを期待したのに。


「ポンポコさん、本気ですか?」


「本気だ。ヤス、大丈夫だ。たいしたことない」


「いやいやいやいや! たいした事あるだろ! こっから電車で2時間かかるところっすよ! 自転車で、しかもママチャリで行けってどんなに鬼メニュー!?」


「大丈夫だ、昨日調べてみたが、たかだか75キロだ」


「たかだかの基準が訳わかんないっす! フルマラソンより長いじゃないっすか!?」


「自転車なら4時間だ。時速20キロよりゆっくりなペースでこげばいいんだ。余裕だ」


「余裕じゃないだろ!? 75キロってどんだけって話っすよ!?」


合宿早々から撃沈するっすよ、俺。


「……ヤス、お前は強くなりたいのか? 楽したいのか? どっちだ」


「楽して強くなりたい!」


「…………」


あ、呆れられた。だが、人間で切る限り楽して強くなりたいのではないだろうか。


「当初はジョギングで旅館まで来てもらおうと思ったのだが、さすがに75キロをジョギングで来てもらうと、6、7時間かかりそうなのでな。自転車で来てくれ」


「ってかさ、ポンポコさんはどうすんの? 俺の後ろに乗ってくつもり?」


「いや、それはさすがに恥ずかしいのでな。私は電車で先に行く」


よかった……ポンポコさんが後ろに乗ったらきつすぎる。2人のりで75キロとか、絶対嫌だし。


「ああ、ヤスの分の荷物は私が持っていこう。12時までに到着していることを期待しているぞ」


……ええと、つまり、ポンポコさんはここから4時間で旅館まで到着してもらおう、そういうことなんですね。


「ちなみに午後メニューは2時から行うからな。2時までに到着しなかった場合、休憩時間0秒となるのであしからず了承してくれ」


「了承できねえよ!」


「拒否権は認めない。ヤスは押し付ければやる子だからな」


……どんな子だよ、俺。


「ああ、方向音痴のヤスのために、地図を描いておいた」


ありがとうございます、ポンポコさん。でも、方向音痴ってわざわざ言わなくてもいいっすよ。


「簡単に説明すると、県道78号線を走る、箱根裏街道を走る、東海道を走る、国道135号線を走る。こうやって走れば、ほぼ道に迷わずつけるはずだ。では頑張ってくれ、ヤス」


そこまで説明すると、ポンポコさんは俺の荷物を背負ってテクテクと歩いていってしまった。残されたのは、ママチャリと、地図と、ママチャリのかごの中にコロンと置かれていたアクエリアス500ミリリットルペットボトルのみ……。ここから、俺の合宿が始まるわけっすね……はぁ。

ううう……口で言うは易し、行うは難しという言葉を知っているか、ポンポコさん。

こんばんは、ルーバランです。


自転車では、80キロぐらい走ったことがあります。

結構きつかった……(-.-;


それでは今後ともよろしくです。

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カカの天下
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