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37話:靴を買いにいこう、待ち合わせ

4月29日、今日は昭和の日という祝日だ。つい最近、みどりの日から昭和の日という名前になった。

いいんか?コロコロ名前変えちゃってさ。それに祝日の日付も変えるのってまずいんじゃないんかな?結構、その日にした由来みたいなのがあるみたいだし。

ハッピーマンデーとなった成人の日はもともと小正月を忘れないように1月15日にしたはずだし、同様に体育の日は東京オリンピックの開催日だから10月10日にしてたはずだ。

誰だ!そんな事をした総理大臣は!!








……そんな事はどうでもいい……本当は現実逃避したくなってただけだ……。


「ヤス兄、どうしたの?遠くを見つめちゃってさ」


「何であのときああしてればとか……考えていたんだ……後、今日どうしようかと……」


「ヤス兄ってば、そんな考え込む事無いのにね」


今、時刻は12時45分待ち合わせまで後15分だ。俺は既にもう待ち合わせ場所に着いている。ケンもユッチもまだ来てない。

ケンは13時と言ったら、13時丁度に来るようなやつだ。

誤差もほとんどない。前に聞いたらそれが面白いのだそうだ。遅刻するかしないかのスリルがたまらないと言っていた……馬鹿だよな、やっぱり。


「ヤス兄も、デートならデートって言えばいいのに。素直じゃないよねー」


「だからデートじゃないって言った!今日はケンとそのユッチって子の3人で靴を買いにいくだけだから!大体何でついてくるんだ!」


「いままで、私以外の女の子と出かけようとしなかったヤス兄がケンちゃんと一緒と言っても女の子と出かけるなんて、びっくりだもん。」


それは、中学校まではサツキ一筋だったからだろうな……もう吹っ切ったからいいけど。


「人数的にはトリプルデートになるね!」


「なんでもかんでもデートにしようとするな、ほんとにデートだったとしても来たのか?」


「えー、デートだったら、友達との約束があっても見に来るよ」


「なんか間違ってる……仮にデートだったら、サツキは何をするつもりなんだ」


「ヤス兄で遊ぶよ。とりあえず、私と腕組んで歩いてって約束の場所に向かって、彼女の反応を見てみたいよね」


「最悪だよお前!絶対彼女が出来てもサツキには教えない!デートにもばれないようにこっそり行く!」


「どうせ言っても言わなくてもばれてついてくるんだから、言った方が印象がいいと思うなー、あ、ついでに今も手つないどいて反応見ようか?」


そう言うが早いか、手をつないできた。ぎゅっと握ってきて、振り払おうのも面倒になったのでそのままにしておく。


「今更家族の印象をアップさせようなんて思わん」


「わ、ひどいんだー、どう思う?お父さん、お母さん」


……そう、サツキだけなら全然構わないんだが、何故か両親までついてきてるのだ。


「くぅ、家族に覗き趣味があったなんて……ってかほんとに陸上用の靴買いに行くだけだから、来てもつまんないよ」


「覗いてないでしょ?この前の日曜に馬鹿な兄のせいで出かけらんなかったからその代わりだよ、ね?お父さん」


父さんがうんうんとうなずいてる。くっ、それを言われると弱い……。







「お前は何をやってるんだあ!この変態!」


ゲシッ!と突然、背中をけられた。

痛ってえ、なんなんだよ!?

振り返ってみると、ユッチが仁王立ちしている。ふーっ、ふーっと鼻息が荒い。


「ユッチ、何をする……」


「わざわざボクを誘っておいて、女連れでくるなあ!やる気があるの?やる気無いならもうボクは帰るからね!」


言い方が変!所々単語を省略するのを止めて!


「ヤス兄ったら、やっぱりデートだったじゃん、下手な嘘をつくのを止めようね」


「これからケンが来るから。そしたらデートじゃないって分かるよ」


「だから私たちを入れてトリプルデートでしょ?」


「同じことを何度も言うな!」


「いいじゃーん、ほらほらもっといちゃいちゃしようよ」


「やめい、腕を組もうとするな!」


「ふっふっふ」


「変な笑い方するな!抱きつこうとするな!」


「嬉しいくせにー」


「嬉しくないってば!」


サツキと言葉の応酬を繰り返していたら、ガキッと頭に激痛がきた。

……痛い……


「ボクを無視していちゃつくなあ!帰るよ、帰るからね!」


えと、怒っているのか?

ああ、そう言えばポンポコも目の前で両親がいちゃついてるのを見るのは嫌だっていってたな。ってか、これは別にいちゃついてる訳じゃないし。

だって兄妹だし。


「この子面白いねー、ヤス兄、結局誰なの?」


「同じ高校の陸上部で、1年生のユッチ。怒りやすく、猪突猛進。またの名を黒の弾丸」


「そうなんだー、ユッチ先輩、来年後輩になるヤス兄の妹のサツキです」


「は?え、い、妹さん?」


「そですよー、彼女じゃないです、よかったですね」


「えと、あれ?何で妹さんが?」


混乱してるなー、ユッチ。楽しいからほっとくけど


「ヤス兄が女の子とどっか出かけるって言うから、これは見とかないとと思いまして……初めてですよー、ヤス兄が女の子とお出かけするなんて」


「いや、実際そうなんだけど、ただ陸上用の靴を買いにいくだけだから。変な言い方をするな」


「は、え?あれ?ボクさっき何した?」


まだ混乱してる……。もういい加減立ち直れ。


その後、ケンも到着して、俺、サツキ、ケン、ユッチ、父さん、母さんの6人で買い物に行く事になった。

最初3人だったはずなのに、何で倍になってるんだろうな……。



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カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
うそこメーカー
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