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350話:バレンタイン

今日は2月14日、土曜日。世間のいろいろなところで新しいカップルが誕生するバレンタイン。

ある人は市販のチョコを『て、手作りなんだからね!』って言って手渡して、彼氏に聞こえないように『私の手作りじゃないけど、誰かの手作りだからウソはついてないんだもん』ってつぶやいて自分をごまかす日。

ある男にとってはとっても豪華なチョコレートケーキを手作りして、自分で食べる日。

もしくは一生懸命頑張って手作りしたチョコなのに、彼氏に『う……うん、お、おいしい……よ?』みたいな微妙な反応をされて、喧嘩すると言う思い出をひとつ積み重ねる日。

またあるいは彼女のいない男がかわいい女店員さんがいるコンビニでチョコを買って、次の日に『俺チョコもらったもんね!』って意味のない自慢話をして、『何をやっているんだ自分……』って落ち込む日。

またまたあるいはもらったチョコの数自慢をした時、『10個』とか『20個』とか『30個』って言っている人は、実は『チロルチョコ10個』だったり『チョコボール20粒』だったり『チョコフレーク30枚』だったりする日。


……ま、どれもこれも俺には関係ないさ。今日も元気に部活だ。


「なんだかふてくされているが、どうしたのだ? ヤス」


「なんでもないっすよ、今日の練習メニューは何すか? ポンポコさん」


「む、なんだか機嫌が悪そうだな」


別にサツキからチョコがもらえないからって機嫌は悪くなんてならないっすよ。ああ、ならないさ。


「ヤス、悩みがあるなら相談に乗るぞ」


「別に悩みはないっすよ」


「……なら、そんなムスッとした顔をするな。見ているこっちの機嫌が悪くなる」


そんなに俺、ムスッとした顔をしているのだろうか。


「んじゃ、別に相談じゃないんだけど……」


「なんだ?」


「ポンポコさんは誰かにチョコあげる?」


「私は誰にもあげるつもりはないが……ヤス、1個ももらえないからそんなにふてくされているのか?」


ええと、そういうわけではないんだけど、似たようなもんか。


「ヤス、バレンタインにチョコを上げる風習と言うのは、日本ぐらいなのだぞ。日本のお菓子メーカーの策略にまんまと乗せられているだけだ。他の国では男から女にプレゼントをあげる日であったりもするのだ。」


「…………で?」


ここは日本だ。海外のことなんかどうでもいい。


「だからヤス、バレンタインに1個もチョコをもらえなかったからと言ってひがむ必要はない。そもそもヤスは誰かからもらえるあてはあったのか?」


「サツキ」


そう言った瞬間、なんだかポンポコさんから哀れなやつめ……というような眼で見られた……なんか変な事を俺は言ったか?


「ヤス、バレンタインと言うのは普通、家族からもらう個数はカウントしないものだと思うのだが」


「そうか?」


「……ああ、私の兄弟たちもそんな顔をしていたぞ。というかな、妹からチョコをもらえるのはうれしいものなのか?」


「うれしいだろそりゃ」


……哀れみを持った眼から、なんだか呆れられた眼で見られた……何故だ。


「ヤスがシスコンだと言うことをすっかり忘れていた。なんだか悩んでいる顔をしているから聞いてみたが、聞いた私がバカだったな」


……何故だ?


「では、今日のメニューは4000メートル×3で行こうか。タイムは14分20、14分、13分40秒でいくぞ」


「……ちょ、ちょっと待って!」


何だ? その鬼メニュー!?


「ん? ヤスにとっては楽すぎたか? それならばそれぞれ20秒ずつ縮めよう。タイムは14分、13分40、13分20でいくからな」


「何でだ!? めっちゃきついんすよ!?」


4000×2でもきついのに! さらにそんなにスピードあげたらしんじゃうっすよ!


「シスコンに人権はない」


「またまたあ、兄貴や弟さん大好きなくせにい。もう、テレ屋さんなんだから。ポンポコさんったら」


「……なんだか今無性にイラッときた。今日のメニューは4000×4にしよう。タイムは全部13分20フラットで」


無理無理無理無理! ごめんなさい! 俺が悪かったからそんなメニューを考えないでください!











「お疲れ様ですヤス君……なんだか異常にきつそうなメニューをやってましたけど」


「…………はっ……はっ……」


きつくて……こ、声が出せん……13分20フラットなんて無理ですから……。


「ヤス君も、ポンポコさんを怒らせたらメニュー量が倍増するって分かってるのに、何で怒らせるんでしょうね?」


「……はぅ……ひぅ……」


な、なんでだろう? ポンポコさんを見ていると、からかいたくなってしまうのは……。


「好きな子にいたずらしたくなる子供の心理か、もしくはヤス君自身が真性のMなんでしょうね」


「……あぃいい……」


……ど、どっちでもない気がするけど、へ、返事が出来ん。

あ、アオちゃん……頼むから、変なうわさ、流さないでくれよ。

おはようございます、ルーバランです。


『かわいい女店員さんがいるコンビニでチョコを買って』……ネットサーフィンしてたら書いてあったネタ。

『ある男にとってはとっても豪華なチョコレートケーキを手作りして、自分で食べる日』……ラブヒナのネタ。

『チョコボール20粒』……どこかの漫画の読んだネタなんですが、なんだったかな……知っている人いたら教えてくださいm(_ _)m


それでは今後ともよろしくです。

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小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
うそこメーカー
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