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343話:進路決定

今日は2月2日月曜日……月曜日は憂鬱だ、また1週間が続くから。


「ヤス君、なんて暗い顔をしてるんですか?」


「なんか日曜日で疲れが取れなかった、日曜日はやっぱりぐうたらしたい」


「どこの中年親父のセリフですか、ヤス君」


「悪いか」


「悪いですよ。日曜日は活発に外で遊ぶ日ですよ」


誰もそんなことは決めてない。というか、月曜日から土曜日まであくせく働いて、日曜日は休むんだ。聖書にもそう書いてあるはずだぞ……ええと、「安息日には働いてはならない」だったかな……こうやって聖書にまで定められてるんだから、日曜日くらいぐうたらさせてよ。別に信者じゃないけど。


「ヤス君、ほんとにお疲れですね。日夜仕事と戦い続けているサラリーマン戦士の顔になっていますよ」


「やめてくれい……けど、ほんと日曜日でもぐうたらさせてくれないんだよ。最近ユッチが家に居ついててさあ。毎日毎日遊ぶのに付き合わされるんよ」


「なんだか子供が遊び盛りになってきたお父さんのセリフですね」


……そんなに俺っておじさん化しているんだろうか。


「それにしても、ユッチったらそんなにヤス君の家に行ってるんですか?」


「うん、正月あたりから居つき始めて、先月だけで多分20日くらいは泊まってるんじゃないかな」


「それはまた多いですね……もう同棲って言ってもいいんじゃないですか?」


残念ながら同棲なんて甘い雰囲気はさらさらないぞ。この前なんてユッチはコタツに入りながら腹出して寝てやがった。ユッチには色気も何もあったもんじゃないぞ。


「なあ、どうにかしてユッチに1人遊びさせとく方法はないか? 俺は寝たい」


「というか、そもそも家に来るなってユッチに言えばいいんじゃないですか?」


そこまで言うのはひどい気がする。ユッチってそういう拒絶にはすごく落ち込みそうな気がするし。


「まあユッチがヤス君の家に入り浸るのも多少分かりますけど。ヤス君の家って和みますからね」


「そうかあ?」


「ほら、他の人の家って行くと大抵、緊張しちゃうじゃないですか。なんだかんだとお互いに気を使いますし」


「まあ、そやね」


「ヤス君の家って私1回か2回くらいしか言ったことないですけど、まるで自分の家みたいなんですよ」


「そうかあ? 絶対そんなことないって」


アオちゃんの家って見たことないけど、やっぱりどの家にもそれぞれちょっとした違いがあると俺は思う。俺の家もそんな特別な家なんかじゃない。


「そんなことありますよ。ヤス君の家って、いつでも『おかえりー』って誰かが迎えてくれそうな雰囲気な家なんですよね。自分の家にいるみたいに緊張せずに過ごせるんですよ」


……そっかなー? 考えたことないや。


「ユッチなんてきっとコタツに入ってねっころがって、みかんたべながらテレビでも見てるんじゃないですか?」


何故分かる? そしてそのままコタツに入りながら寝たんだよ。寝てるの気づかずにユッチの頭蹴っ飛ばしたらもっのすごく怒られた。そんなところで寝てるほうが悪いと俺は思う。


「ヤス君の家ってそんな感じですごく自然体でくつろげる雰囲気があるんですよ、だからユッチは毎日ヤス君の家に入り浸るんですよ」


そうなのかなー? そんな高尚な分析をされても、俺にはよく分からないっす。








ピーンポーンパーンポーン


「1年生の河辺ゆうさん、河辺ゆうさん今すぐ職員室まで来てください。河辺ゆうさん、河辺ゆうさん、今すぐ職員室まで来てください」


ちょうどユッチのうわさをしていたらユッチの名前が放送で流れてきた……何だろうな、なにやらかしたんだろ?


「ああ、なんだかユッチ、未だに文系か理系か決めてなかったみたいなんですよ」


なんだあいつ、未だに決めてなかったのか? 悩みすぎだろ。俺なんて進路希望調査表渡されたその日にさっさと理系で提出しちゃったよ。


「ってかユッチの夢ってお嫁さんなんだろ? どっちに言ったってそんなに変わんないんだし、別にそんなに深く考える必要もないと思うんだけどな」


「だからじゃないですか? 私みたいに将来の夢は検事って決めていれば、文系にいくって即決できますけど、ユッチはそんな風に決められないですもん」


……ふーん、そうなんか。


「そう言えばそもそもユッチって進学できるかどうかも微妙だった気がしますが」


「はぁ? なんで?」


「成績があまりに悪いので」


「いやいや! 出席日数が足りてたらよっぽどのことがない限り留年なんてしないだろ!? どんだけ成績悪いんだよ?」


「ええと、1学期と2学期の成績で赤ざぶが計4つです」


……多すぎるだろおい。


「英数は2連続で1を取っていますから」


「ええ? ダメだろそれ。でも家にいるとき勉強してたためしがないぞ。アオちゃんさ、高校受験のときみたいにユッチの勉強見てやってよ」


「ヤス君、これからユッチをよろしくお願いします」


なんだそのお父さんが娘さんを任せるときに言うみたいなセリフは。アオちゃんめ、完全に人任せにする気だな……。

ま、ユッチが留年しないようにあいつが家に来たら、勉強一緒にやるかあ……。

こんにちは、ルーバランです。


理系にするか文系にするか、という話を書くのをすっかり忘れてて慌てて書いた話。


伏線(?)を回収し忘れていること、まだまだありそうだなあ……。


それでは今後ともよろしくです。

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