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342話:武勇伝

今日は1月31日土曜日。いつものようにケンがいるのはいいとして……ユッチ、頼むから毎日入り浸るのはやめてくれ。1月のうち20日くらいはうちで寝泊りしてるだろ。

……まあ、ユッチがいたほうがサツキが喜ぶから、いいんだけどな。ユッチの親御さんとかお姉さんは心配してないんだろうか。


現在夕飯を食べ終わり、4人が4方向からコタツに入ってる。俺とサツキは高校受験に向けて勉強中。ケンとユッチはテレビを見て笑ってる……ちょうどこの時間はエンタの神様の時間か……ってかお前ら、うるさいぞ。勉強の邪魔だぞ。

……うん、これじゃ集中できん。エンタの神様終わるまでちょっと休憩しよかな。


「サツキ、ちょっと休憩しよか。ココアでも持ってくるよ」


「あ、ありがとヤス兄」


「ヤスヤスう! ボクのもよろしくう!」


「んじゃついでに俺のもよろしく」


テレビに集中してると思ったら、ちゃっかりそういうところだけは聞いてるのな。邪魔ばっかしときながら、なんてあつかましいやつらだ。

一旦席を立ってサツキと自分の分のココアを持ってくる……しぶしぶとケンとユッチの分も持って来た。


「ヤスう、ありがとお……はああ、おいしい」


……ユッチ、そんなうまそうに飲むな。怒るに怒れなくなるだろ。


「それにしてもヤス兄、1年経つのって早いねー。中学3年になったと思ったら、いつの間にかもうすぐ高校受験だよ」


「んあ? ああ、そう言えばそろそろ高校入学して1年になるな。確かに早いな」


もうすぐ1年。自分自身、何が変わったかって言うと何も変わってない気がする。ちょっとは何か変わってたらいいなあと思う。


「どうかしたヤス兄?」


「いやあ、高校入っても俺って相変わらずだよなあとおもっただけ」


成長という言葉とは自分は無縁だ。


「そんなことないよヤス兄、高校入ってずいぶん変わったよ。うん、妹の私が保証したげる」


ありがとサツキ、お世辞でも嬉しいっす。


「へええ、ヤスってば中学の頃と全然違うんだあ? ヤスの中学の頃ってどんなんだったんだあ?」


別に何も変わってないぞユッチ。


「ユッチ先輩、聞いてみたいですか? ヤス兄の武勇伝」


「うん! 聞きたい聞きたい!」


「聞かせなくていいよサツキ! ユッチも聞きたがらなくていいから!」


「いやいや! ここは聞いとくべきだぞユッチ、ヤスは中学校のときからすごかったんだからな」


「ほんとお!? うわあ、聞いてみたいなあ」


ケンもユッチをあおるのやめてくれ! 何も変わってないから俺は!


「それじゃあケンちゃん、いつものやろっか」


「おおサツキちゃん、あれやるか」


……あれ? あれってなんだ? 聞いたことないぞ。


「ケンちゃんいつものやったげて!」


「おう、聞きたいかヤスの武勇伝!」


「そのすごい武勇伝を言ったげて!」


「ヤスの伝説ベストテン! レッツゴー」


おいこら、てめえら、パクんなあ!


「待ち合わせの1時間前に家を出る!」


「すごい、着いたの予定の2時間後! 武勇伝武勇伝!」


あったけど! 確かにあったけど……悪いか、どうせ方向音痴だよ。


「習字で『幸運』と書いてみた!」


「すごい、『辛運』と書いて提出してた! 武勇伝武勇伝!」


言うな! ……もしかしたらあのときからかな、運が悪くなったのは。


「『好きだ』とメールを送信だ!」


「アドレス間違えアオちゃんに! 武勇伝武勇伝!」


「言うなよ!? そんな事!」


ってかお前ら、自分のネタを使えよ! 人のネタで話すな!


「すごいよ、すごすぎるよヤス兄」


「うるさい、ほめられても嬉しくもなんともない」


「ヤス、別に全く褒めてないぞ」


うあ、うぜえ……いいよいいよ、どうせ俺はこういういじられキャラのポジションなんだよ。


「ケンちゃん、ヤス兄拗ねちゃったよ。壁に向かってぶつぶつ言っちゃって不気味だよ」


うるさい、拗ねさせろ。散々にいじりやがって。


「ヤス兄ってば、これくらいのことでいじけちゃダメだよ」


これぐらいのこと……なのか? 結構きついネタだった気がしてしょうがない。


「それにしても、ヤスってば変なこといろいろやってるんだあ」


「ユッチ先輩、これぐらいでびっくりしてちゃダメですよ。ヤス兄の過去には今の100倍くらいはいろいろと変なことありましたよ」


「ええ!? ほんとお!?」


「うるさいユッチ、別にやりたくてやってるわけじゃない。勝手に変なことが俺の方に舞い降りて来るんだよ」


「そんな訳ないじゃんかあ。ヤスはそういうの好きなんでしょお?」


んなわけないじゃん。誰が好きなものか。


「ユッチ、俺は平凡に生きて、平凡に部活をして、平凡に家事をして、平凡ながらも楽しい我が家なんてものを作り上げたいなあと思っているただの小市民」


「しゃらくせー!」


バキッといきなりケンに殴られた……いてえよ。


「なにすんだよケン!」


「みんなと同じ人生なんてまっぴらなんだよ!」


「ケンちゃんかっこいい!」


……ケンもサツキも、いまだにオリラジのネタをやっているつもりらしい。だが……。


「ふっ、甘いな。ケンもサツキも。その場で言うならもっとかっこいいセリフがあるんだ」


「ヤス、どんなのだあ?」


「『みんなと同じ事はしたくない』なんて言うセリフはみんな言ってんだよ! 本当にみんなと違う人になりたいんだったら、まずはみんなと同じだって自覚しなきゃいけないんだよ!」


「おお、ヤスかっこいいぞお!」


サンクスユッチ。


「なんかヤス兄がかっこいい言葉いうとくやしいんだよね、なんでだろ?」


いや、別に悔しがらなくていいじゃん。ユッチに見たいに素直にかっこいいって言ってよサツキも。

……そんなこんなで、今日も夜が更けていく。

こんばんは、ルーバランです。


いつのまにやら、連載開始してから1年経ってます(^^;

サツキちゃんじゃないですけど、早いですね。

1年で342話……1日2話以上投稿してる日もありますから、30日くらいサボったのかな。


今後も出来る限りサボらずに書いていこうと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。

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