表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
338/442

338話:年下派? 年上派?

結局、俺らのチームの議題はケンの独断と偏見で『付き合うなら年上か年下か』というテーマになった。

今まで1人1人があげていったテーマはいったいなんだったんだとちょっと言いたい。

同年代が1番といって、議論には参加せず、司会進行とジャッジを引き受けてくれた人が男子と女子で1人ずついて、年下派に俺、なべりん、アオちゃん。年上派ににケン、男子学生1人、女子学生1人と分かれた。


……ぶっちゃけ俺もオブザーバーの立場で見てたかったなあと思う。


「それでは、ただいまより『付き合うなら年上か年下かどっちがいい?』というテーマでディベートを開始します」


ういうい。


「まずは年下派から意見をどうぞ」


「はい!」


おお、なべりんめっちゃやる気だな。


「年下の男が1番です! やっぱり年上と付き合ってしまうと、男でも女でも先に老ける! もしも年上の男と付き合ってみなさいよ、自分がやりたい盛りのときにもう相手が萎えてたら最悪ですよ!」


「ええと、なべりんさん。何をやりたいんすか?」


「決まってるじゃないですか! 夜に男と女がベッ」


「ストップ! なべりん、ここ高校で、授業中で、まだお昼だから! そういう猥談は夜中にやってくれ!」


おお、えらいぞ司会者。よく止めた。


「でも、生物学的に見たって絶対に若い生殖能力が高い個体になびくのは当然じゃないですか。そう考えたら出来る限り若いツバメを逃がさないように捕まえとくのがベストじゃないですか」


「……ああ、なるほど。それは確かにそうかも……なんだか私、年下の男がいい気がしてきた」


……おい、頑張れよ司会者。なべりんの詭弁にそんな簡単にゆれるなよ。


「なべりん、何を言ってんだ! 年上と付き合うほうが、年下と付き合うよりもすばらしいに決まっているだろう!」


……ケン、そんなに熱くなるなよ。


「年上の方が包容力があって、頼りになって、面倒見がいい。これが相場だ。それに対して年下はわがまま、自分勝手というのが相場だ。経済的に見たって年上の人と付き合った方が」


「それはケン君の偏見ですよ。ケン君、年上だからって面倒見がいいというのはケン君の妄想です。そもそもですね、年下の方がわがままだって言いましたが、年上のがもっとわがままです」


「アオちゃん、そんなことは無いって!」


ケン、頭ごなしに全否定したって議論には勝てねえぞ。


「ケン君、いいですか? 年上の人というのは年下の人と付き合うとき、必ずと言っていいほど年下の人の優位に立とうとするんですよ。これは女性でも男性でも一緒ですね。これを『面倒見がいい』なんていい言い方をしてるのかもしれませんが、年上の人は思い通りに行かないとムカムカしてきますよ」


「……そんなことはないだろ。だいたい「ひとつ年上の女房は金のわらじを履いて探せ」という言葉があるじゃん。男にとっては年上を見つけたほうがいいってことだろ?」


「昔は年上の女性というのは、落ち着いていて、家事もしっかり出来て、という方が多かったので年上女性を見つけたほうが……という話ですね。ひとつくらい年上ならば年齢差もさして気にならず夫婦に見えますし、話も合いますし、いいこと尽くめですよって話ですよね」


「そうそう、それ! ほら、やっぱり年上と付き合う方がいいんじゃないか」


ケン、議論相手にフォローされてちゃまずいだろ。


「ですが、この話も諸説ありまして男性は年下の女性ばかりを好んでつまもうとしてるのを嘆いた年上女性がひがんで作ったという説もありますよ」


「え? そうなん?」


「仮に正しかったとしても、これはかなり昔の言葉ですから今でも信憑性があるかは大いに疑問な気がしますがいかがでしょうか? 例えば年上の女性だからといって、包丁を持ったことがないなんて方もいるかもしれませんよ」


「……そうなのかもしれんなあ」


……もしもアオちゃんの言葉が間違いだとしても、信じてしまった時点でディベートはケンの負けな気がする。


「さて、今のところなべりん、ケン、アオちゃんの3人しか発言してませんが、他の方はいかがですか?」


「僕は特に……」


「ヤス君はどうですか?」


……ん、俺か。ようやく俺の出番が来たか……まったく、みんなしてぎゃーすか訳の分からない議論をして。理由なんかこれ以外にないだろう。


「年下のがかわいい」


うん、究極の理由だろ。これ以外に何があるってんだ。


「……まあ、ヤス君ってロリコンですしね」


「……ヤスだからしょうがないよな」


「なんでだよ!? 年下のがかわいい! だから年下派! これ以上のどんな理由付けが必要なんだよ!?」


「はいはい、そうですね」


うっわムカつく。この司会者めっちゃ殴りたい。











その後もアオちゃんの活躍により、年下派の圧勝に終わったけど俺にとってはなんか腹立たしい時間に終わってしまった。

あの司会者、覚えてろ。

こんばんは、ルーバランです。


気分はズタボロです。ふとした思い付きでディベート大会なんて……よく分からない議論になっててごめんなさい。


それでは今後ともよろしくです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

小説内で使わせていただきました。ありがとうございます
カカの天下
オーダーメイド
ええじゃないか
うそこメーカー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ