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337話:ディベート、テーマ決め

結婚式も無事終わり、2人のご夫婦は大阪に帰っていった。

……はぁ。赤ちゃん見たかったなあ……出産後こっちに戻ってこないかなあ。


今日は1月20日。

クカーと寝たい気分の午後の授業、しかもホームルームで自由に使っていい時間。

何をするでもなく、ただ寝たいのだが、何かをしなければならないらしい……めんどい。


「さあさあ、今日はディベート大会というのをやってみましょうか」


ウララ先生が、なんだかやる気なご様子だけど……ディベートってなんだっけ。


「ディベートというのが何か分かる人?」


「はいっ!」


……ケン、はええな。ほんとに分かってんのか?


「あー、じゃあケン」


「ディベートって言うのは議論の事で、あるテーマにしたがってみんなが意見を言い合うことを言います!」


へえ、そうなんだ。知らなかった。


「残念ケン、惜しいんだけどちょっと違う」


何だ違うのか。あれだけ自信満々に言ってたからてっきり正しいものと思ってた。


「ケンが言っているのはどっちかって言うとディスカッションのことだね。ディベートって言うのは、あるテーマを決めて、異なる2つの意見に分かれて、議論することがディベートなの。もっとも最近だとディベートもディスカッションも混同されて使われるようになってるけど」


……そうなんか。


「例えば、『安楽死は是か非か』という議論のテーマを作るとするでしょ? そこで是と思う人と非と思う人の2チームに分かれて、意見を言い合うの。これがディベート。それで、第3者がどっちの意見の方が筋が通っていたか、論理的だったか、勢いがあったかということを判定して勝ち負けを決めるの」


ふむふむ。


「教育的な意味というのはいろいろあるけれど、一番の理由は私が見てて面白いからやりたいんだけどね」


うあ、超個人的な理由だな。まあいいけど。


「40人もの人数でディベートしようとすると、どうしても全く意見が言えない人も出ると思うから、8人ずつのチームになって、それぞれ分かれてディベートをやってみましょう。今回はお遊び気分でやるだけだから、別に勝ち負け判定はしなくていいよ」


ういうい、了解。


「今、13時5分だから……10分間でテーマを決めて、13時15分になったら議論開始。きちんとテーマを決めないとグダグダに成るから注意しなさいね」


あーい……どんなテーマがいいかな。





とりあえず近くの席の人と机をくっつけて、8人チームになってディベートのテーマ決め。


「んじゃ、司会進行役がいないと困るだろうから、とりあえず俺が司会進行してくぞ」


おお、偉いぞケン。そんなめんどい仕事を自分からやりたがるなんて。


「なにかやりたいテーマがある人はいるか?」


「『ウルトラマンは救世主か破壊神か!』」


「ウルトラマン見たことないから却下」


「……」


……かわいそうに。けど、そんなにウルトラマンに関して議論したかったんだろうか。


「他にも『卵が先か鶏が先か』とか、『邪馬台国は九州か近畿か』とか、議論が難しそうなテーマは言わんでくれよ。誰もが議論できそうなテーマでよろしく」


おお、なんかケンが上手に仕切ってる。すげえぞケン。


「ヤス、お前は何かあるか?」


「え? 俺? ちょっと待ってくれ…………『自衛隊は是か非か』」


「真面目すぎてつまらんから却下」


おいケン、じゃあ聞くなよ!? せめて案のひとつにくらい入れてくれよ!


「あ、じゃあじゃあ、私いい? 『彼氏にするなら2枚目か3枚目か!』」


「なあ、なべりん……俺ら男なんだけど」


「いいじゃない、男が男に恋をする。ザ、めくるめくやおいの世界へ! 例えば毎日毎日一緒に登校して一緒に下校するヤスケン。下校した後、電車から降りて周りには誰もいなくなって……すっと小指をケンの手に絡ませるヤス、ぎゅっと握り返すケン、見つめ合う2人、近づく吐息……そしてあんなことやこんなことや……」


『やめろお!』


ついケンと口がそろってしまった。


「ああ、やっぱり息もぴったりね」


ほんとやめて! 変な世界を想像しないで! 気持ち悪すぎるから!


「ん、まあ一応テーマのひとつとして入れておくとして……他には?」


「じゃあ俺は『彼女にするならクーデレかツンデレか』を押したい」


俺としてはどっちでもええなあ……強いて言うならデレデレがいい。デレデレのデレデレがいい。


「あ、私は『新しい家族が出来るなら弟か妹か』」


なんか、初めて普通のテーマがが聞けた気がする。


「『SかMか』」


嫌だよそんなテーマ!


「ヤスとケンだったら、ケンが責めでヤスが受けかな」


『だからやめろお!』


くそお、なべりんめ。想像力が豊か過ぎるだろ。


「あ、私も意見言っていいですか? 『男女の友情は成立するか』をやりたいです」


ふむ、アオちゃんの意見はアオちゃんにしてはなかなか普通だ。


「『大事なのはお金か、それとも愛か』なんてどう?」


ううん……これは難しいテーマだ。お金がなければ飯は食えないが、愛がなければ生きていく意味がない……。死んだように生きるか、生き生きと死ぬか……俺には答えが見つからん。


「さっき却下されちゃったから、もう1個テーマいっときたい。『ケータイは必要か』」


なんだかんだ言ってケータイを買ってしまったが、ケンとサツキ、ユッチとポンポコさん、あとキビ先輩。ほとんどのメールと電話はこの5人だ。

なんかたった5人なら、別にわざわざケータイ使わなくてもなあとか思ってしまう。


「あ、じゃあ最後は俺が言っていいか? 『生まれ変われるとしたら男か女か』……うん、時間的にもうそろそろ決めないといけないな。それじゃあこっからは多数決で。自分以外のでこの議論をしたいと思えるやつを選んで、手を上げてくれ。1人2回まで手を上げていいってことでよろしく」


ううん……悩むなあ……俺はどれにしよかなあ。

こんばんは、ルーバランです。


私が高校のときにやったテーマは、

『都会が言いか田舎がいいか』

でした。

最終的に『どこまでが都会でどこまでが田舎か』というグダグダな議論になりました。

「東京以外は全部田舎だ!」

という人もいましたねー。


こんなテーマでやって欲しいというのがあれば、

それで議論をしてみたいと思います。ご意見ありましたら是非お願いします。


それでは今後ともよろしくです。

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